私は平凡でのんびり暮らしていきますので、ほっといてください
思いつきで、書いてしまいました。
読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
「絶対に、将来は僕のお嫁さんになってね。」
「およめさん?」
「そうだよ。お嫁さん。ず〜っと一緒にいられるんだよ。美味しいお菓子も食べれるし、楽しい遊びも一緒に出来るよ。1人よりいいでしょ」
う〜ん、お嫁さんか〜。
いや、私の今の年齢は5歳で間違いないけど、最近流行りの異世界転生みたいなんだよね。
まっ、5歳でプロポーズってとは思うけどね。
だから実際は、向こうでの記憶が正しければプラス30歳はしてほしい。
ただ死因とかが、何かあやふやなんだよね。
なんでだろう?
何かモヤがかかってるんだよね。
そういう小説は大好きで読み漁っていたけど、ゲームは全くしなかったから全然ストーリーが分かんないのが問題だ。
よくいうチート?もある感じしないし、神様の人違いだと思うんですが、記憶を持っての転生。
お姫様でも、貴族でもない、超〜平民。
あら?人違いではなく、たんなるモブ
その1とかへの転生か?
それも自然豊かな、、、いや、豊かすぎな田舎。
もちろん、親の職業はお百姓さん。
国が豊かなのか、納税?も殆どないみたいだし、のんびり田舎ライフ楽しめそう。
もともと、自然豊かな土地に引っ越ししたいとは想っていたから希望はかなったのかな?
「返事は?」
あっ、忘れてた私にプロポーズ?してきてるのが、幼なじみ?違うな。
気づいたら、同じような背格好で同年代ですよね?って感じで一緒にいたのよね。
あれ?いつからいたっけ?
その時は普通に疑問にももたなかったけど。
今更ではあるけど、あなた誰?いつからこの村に?って思った事もあったけど、村の大人が普通に接しているから変な子だけど、悪い子ではないんでしょう。
いや子供が子供扱いもおかしいが、精神年齢は35歳ですから。
何より重要な事が一つ。
小説でいうヤンデレ感がするんですよね、この子供。
何か背中がゾワゾワする。
ここは、逃げの一手あるのみ。
「結婚ってなに?私、意味分かんない。」
「、、、」
ちょっと、白々しかったかな?
でも、逃げの一手なのよ。
頑張れ!わたし。
明るい自由な田舎暮らしの為に頑張るの!
「説明したよね?一生、離れず、ず〜っと側にいることだよ。」
ニッコリ、笑顔が腹黒い。
残念感が半端ないですね。
せっかくのイケメン予備軍なのに。
というか、変な単語増えてない?
怖いじゃ〜ないの。
イケメンなのに、顔面偏差値低かったら恐怖なセリフ。
いや、高くてもイヤかも。
「、、、父に聞く。、、、いや、父はやめる。母に聞いて大丈夫なら、、、、、もう一度考えるかな?」
すでに、5歳児の返答ではなかった。
しかし、ヤンデレは駄目。
負けるな!
自由を勝ち取るんだ!
「ふ〜ん、父でよくない?」
「父、駄目。」
「なんで?いいじゃん。」
「、、、単純だから、無理。母に聞くから、今日はバイバイ。」
「分かった。じや〜、明日ね。」
「、、、また、都合があったら会おうね。」
「明日ね、長い別れだよ。」
いや、短いよね。
聞かなかったことにしよう、私は聞かなった。
「明日ね〜。」
聞かなかった、私は知らない。
明日は、山に行こうか。
そうだ、山菜取りに行こう。
、、、5歳児に一人で山に入る事を容認する親に疑問をもつこともなく、明日の予定を考えていた。
前世の名前は美奈都
最近ではあまりモヤがかかったみたいに忘れてきているけど、この世界と違って科学の世界だった。
魔獣とかは居なかったけど、科学も魔法も人間の能力不足を補っているんじゃないかなって思う。
考え方は、人それぞれだから何とも言えないけど。
美奈都は、本当に平凡な人生だったと思うけど、家族のキャラは濃いかった。
両親と弟は、何かよく分かんないけど、お金は稼いでいたと思う。
まっったく、仕事の内容知らないけど。
私は、普通に会社員してた。
別に意地悪されたりはなかったし、仕事については仲間外れだったのかなって感じるけど、それ以外では過保護だった。
よく分からないけど、弟にはめっちゃくちゃ放任主義だったのに私には、超〜過保護だったのは憶えてる。
弟まで、ウザかった。
でも顔も名前も憶えてないし、そんくらいしか記憶にない。
友達とかも、はっきり憶えてない。
両親と弟、これだけしか記憶にはない。
まっ、前世だし別にいいんだけど30歳は早死だと思うから、溺愛家族のメンタル大丈夫だったかな?とは思ったけどね。
けど、過去は変えれないからこればかりは、ごめんね
って思うけど仕方ないかな〜って。
死因わかんないし。
全く憶えてないし。
で、何と現世も偶然なことに家族構成は同じ。
何か性格も似てる気がするけど、気のせいかな?
現世の名前はミナト。
漢字が、たぶんカタカナになっただけかな?って感じ。
偶然ってスゴいよね。
凄いといえば、家族みんなスッッゴイ美形揃いなのよ。
弟は小さいが、間違いなく美形の卵だ。
どうでもいいけど、ヤンデレ男も美形の卵。
、、、悲しい事に、私は本当に普通。
いやここは、どこにでもいる普通に可愛い子?
そうなのよ、前世よりは可愛いけど、周りが顔の造りが半端ないのよ。
、、、慣れたけどね〜。
不思議な事に私の家は、前世でも現世でも外から見たらボロ屋なんだけど、中に入るとメチャクチャ広くて豪華。
部屋の数もわからないし、一部屋も多分30畳位あるのかな?
ともかく広くて家具も豪華なのよ。
、、、職業、お百姓さんって儲かるのかな?
いや〜、不思議なこともあるもんだ。
「母。私は、明日は山に行きます。ストーカー、ゴホンゴホン、幼なじみ君の撃退よろしくです。あっ、結してって言われた。」
「、、、するの?ミナトちゃん?」
「母よ。私は、自由と平凡を愛するのよ。束縛ヤローはイヤ!」
プンプンよ。
顔面偏差値が高いのには、なれてんだよ、、、家族で。
父は、納得のいかない顔をして話してきた。
「ミナト?父は?父も頑張って撃退出来るよ?」
その言葉に母と弟は、呆れた顔をする。
勿論、私も同じ顔だが。
「あなた?本気?」
「うん。僕も出来るよ。可愛い娘のためだから、任せて。」
「あなた、馬鹿なの?何回同じ失敗を繰り返すの!撃退すると言っては、仲良くして家に招いてきたこともあったわね。かと思うと、大喧嘩して周りの被害が甚大ではなくて、後始末に私達がどれだけ迷惑したか
。いいこと、今回は大人しくして。」
「そんな。腹がたったから喧嘩しただけだし、話して面白かったから招待しただけなんだよ。」
「子供か!もう少し、色々と自覚してほしいわ。」
「でもでも、、、」
何やら私の理解出来ない話をしだしたし、興味ないから退室していいかな?
父が、役立ずってことは知ってる、この件に関してはだけどね。
それ以外では、結構しっかりしていると思いたい。
「ネエネ、出ようか?」
「だね。」
「あっ、ネエネ一緒にお茶飲もうよ。」
「いいね。じゃ〜、お茶となにが美味しいデザートを準備してもらいましょう。」
私達の話しを聞いていた周りに控えている女中さんたちが、準備にむかう。
そう、我が家には性別関係なく沢山の人がお手伝いをしてくれている。
前世から。
すでにお百姓さんとしておかしいとか、家の造りが普通ではないとか色々とおかしいんだけど、気付けないないくらい慣れていた。
そう、普通でない暮らしに慣れすぎていた。
前世でも、一人暮らしの記憶なかったから、この変な家しか知らなかったから気づけなかった。
「ネエネは、本当に幼なじみ君のこと、好きでない?」
「勿論よ。私は、自由でいたいのよ。両親みたいに仲良く畑とか耕したいな~。疲れたね。とか言うの。ステキよね。今日は、僕が料理を作るよ、だって。キャ〜、しびれる〜。」
「、、、ネエネ、料理できないし、この状態でまだチチのデマカセ信じてる?あの2人、畑仕事殆どしてないよね。」
「何か言った?」
「ううん、なにも。ネエネ、おいしいね。」
「だね〜、幸せ。」
明日はきっと、姉弟と山に山菜取りに行くのであろう。
ミサキは知らない。
前世と現世の家族が、本当に一緒であることを。
ミサキは知らない。
ストーカーもとい幼なじみ君が、大昔自分の夫であったことを。
ミサキは知らない。
家族みんな、それぞれが名のある神であることを。
昔の夫が浮気したと誤解をして、泣き明かし存在を維持出来なくなり儚く消滅しようとしていたことを。
ミサキは知らない。
家族がミサキの消滅を防ぎ、何とかこの世に繋ぎ止めたことを。
そのために、ミサキの神の力が失われたことを。
ミサキは知らない。
昔の夫が、ストーカーになるほどに恋い焦がれている唯一神が自分であることを。
浮気も誤解であったことを。
ミサキは知らない。
神には戻れないが魂の重さに身体が耐えられず、転生するたびに短命であることを。
溺愛家族が、毎回探しあてていることを。
ミサキだけが知らない。
これからも繰り返されることを、ミサキだけが知らない。
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