表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/40

2-6


そして最後に魔術師であるが、これは魔導士と比べて中身は同じようなものであるが、役割と云うスタンスが、役目と云うスターテスが根本から異なる存在である。或いは、ステージか。


やっていることは魔法使いと同じ人権の元、『真っ当に魔導士と同じことをしている』らしいのだが、これ以上の説明がない。わざわざ魔法使い・魔術師、そして更に魔術師という第三の枠組みを作っているぐらいだから何かしら特別な存在であることは容易に想像が付くのだが、設定だけがそこにある状態で、半ば空虚で無意味なものにしかなっていない。


『ドロシー』の原作を追えばヒントらしきものや、今後そういった存在が登場するかもしれないが、ゲーム版の『ドロシー』の隠れ攻略キャラと同じく、影も形も踏ませない不明瞭な存在である。


そもそも魔術師とは何なのかといった指針もなく、名前だけが浮き彫りになっており、要領はつかめずファイル名だけある空のボックスだ。或いはブラックボックスかもしれないが、今の段階では何とも云えないだろう。


総論として、魔法使いと魔導士と魔術師の違いは、人民と議員と正体不明といった具合に区分することができる。


噛み砕きすぎて中々に乱暴な持論になってしまっているが、そこは私が『ドロシー』の世界をすべて把握しきれていないがための知識不足である感は否めないだろう。


匿名のSNS上の人曰く、オズの魔法使いがモチーフならば、魔法使い・魔術師・魔導士のいずれかは、知恵の無い案山子・心が欲しいブリキ、勇気を欲するライオンといった具合に何らかの意味合いがあるのではないかとの意見を聞いたことがある。だが……正味な話、その区分に何の役割があるのだろうか……たとえ当てはまるといっても、その三つ巴は空白の席に座り当てはめただけでしかなく、そこから導き出される方程式の答えが不明だ。


そもそも仮説を立てたとしても、適当に数字を並べただけの式にすらなっていないモノ。足し算か割り算か掛け算か何なのか……そこら辺をハッキリとしなくてはいけないだろう。


だが、無根拠と一蹴するには『つむじ風に攫われたドロシー』である前提設定である以上、無視できないのも確かであろう。


……と、私はそのような『ドロシー』の設定を思い出しながら、足早に向かっているのは当直室である。


通常、当直室とは通常病院内に設置されているものであるが、この学園には当直室と書いてセーブ部屋と呼ばれる場所がある。


そこには一年前……要は悪役令嬢のディアナ・グラナディラが一年生で、その兄である……兄になってしまった私が幼少の頃から、神童として恣に名誉を頂いている希代の魔法使い、現奇跡の異名を持つ魔導士がいるのだ。


率直に云えば、主人公を異世界へ誘った元凶そのものが、だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ