~初めての世界変化~
今回は短めになりましたが、区切りが良かったので……。
(言い訳、すみません)
それではどうぞ。
目が覚めると、そこは真っ白な部屋だった。ベッド以外何も無かった。
「……逆に落ち着かない……」
だがどうやら無事、世界変化は出来たようだ。しかし、肝心のキラルがいない。
「キラルはどこ……? …もしかして、キラルは……。ううん、大丈夫。きっと何処かにいる」
私はとりあえず、今の世界を探索してみることにした。部屋から出るのは、勇気がいるが、ずっと此処にいては、何も始まらない。勇気を出して、部屋のドアを開けた。
部屋から出ると、賑やかな町に出た。たくさんの人。大きな建物。こんなの初めてだ。
「さっきまでの世界とは全然違う……」
人々は私なんかを気にせずに、歩いていた。大きな建物には大きなモニターがあり、流行っている物の広告が流れていた。……だが、ある広告を見て、血の気が引いた。
「…なに……これ…」
その広告には、こう書かれていた。
『ネガティブ思考症人、殺せ。殺した者には豪華景品!!』
「こ…殺せ……? 殺される……?」
「そこの女の子!!」
急に呼びかけられ、振り返ると私と同じぐらいに少女がいた。
「早くこっちに!!」
言われるがまま、少女についていく。
少女に連れてこられた場所は、小さな隠れ家だった。
「さぁ入って」
私は隠れ家に入る。中は散らかっているが、住めるだけのスペースはあるようだ。
「ごめんね、急に連れてきちゃって。事情を説明するね。……その前に単刀直入に聞くね。貴方……ネガティブ思考症人でしょ?」
「!!」
「その反応を見るに、図星ね。あぁ、安心して。私は君を殺すことはしないからさ。その逆、君を保護しようと思ってね」
保護……? この人は一体何者なのだろうか……。それよりまず、この世界は何なんだろう…? 私のような、ネガティブ思考症の患者は良く思われていないということは分かる。そこは前の世界とは変わらない。だが、病院に入院していたはずが、こうして自由に歩けている。そこが大きな違いだった。
「…警戒しているようだね。その感じだと、世界変化を起こして、この世界に来たって感じかな?」
「!!」
この人はどうしてこんなにも知っているのだろうか。まさかこの人はネガティブ思考症の患者…もしくは医者、看護師なのか……?
「ふふ、分かりやすいわね、君。そういうの嫌いじゃないよ。じゃあ、今度は私のこと、教えないとね。私はルア。君と同じ、ネガティブ思考症人よ」