表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者パーティを追放されたけど・・オレ・・勇者なんだけど・・  作者: 葵卯一
トラウマの砂漠を越えろ。
70/693

戦いは終わった、さあ逃げるぞ相棒!

 何が汚いんだ、俺の相棒は解っていた見たいだが、キミはなにか勘違いをしていたのか?


「こうしてオレは立っている、それでお前は倒れて動けない。これが現実だろ?」

 元々は、[オレ達]とお前の戦いだったはずだろ?


『・・お前はいつから、オレ一人と戦っていると錯覚していたんだ?』

 卑怯とか汚いとか、真剣勝負でなにを言っているだよ?


「お前!なんなんだよ!それでも勇者か!綺麗とか可愛いとか言ってワタシを惑わし、魔物を連れて戦ったり、勝負の最後で卑怯な手を使うとか!なんなんだ!」

 倒れて動けないくせに、元気なやつだな。


「オレはウソは言ってない、綺麗だと思ったからそう言ったんだ・・後五年くらいしたら周りのヤツ等もわかるさ。お前は美人になる、子供の今でも可愛いんだから」


 多分14・5才なんだろ?それでその強さだ、後は戦いの経験を積めば、お前の憧れる拳聖と同じくらい、強くて格好いい美人拳士になれるだろう。


・・・「お前、ひょっとして・・・私を馬鹿にしているのか?一体私を何歳だと思っているんだ?」

 なにを怒っているんだ?・・思春期か?ひょっとして・・16歳位か?


「私とお前は・・同じ歳だぞ?」

・・ビキビキビキ、倒れたままにしておいてよかった、顔が・顔の血管がライオンのたてがみのように筋を立て、口元と目が三角になって御怒りになって居られる。


 勇者候補・・神託のその時、16才の若者が・・


「いや、女性は若いって言うと、嬉しいとか・・ハハハ」

しまった、間違えた!だって、背丈とかオレより小さいし、顔だって幼い感じだし!


「オイ、お前、私はこんな屈辱は始めてだ。どうしていいか・・私にも解らない・・この怒り・・こんな・・綺麗とか・子供扱いとか・・卑怯な手とか・・感情が、自分の感情がどうなっているのか・・解らない・・次ぎにキサマに有ったとき、私がどうするのか・・想像も付かない・・」

ハハハハ・・口を▽に開き笑い声をもらすしている!だが表情は怒っておられるのだ!。


 恐い・単純に恐い。例えるなら・・横に安置された怒りの像、憤怒の顔を作り怒りの熱を放出しながら笑う、怒りの像だ。


 どうしよう・・

・・・(よし、アレしか無い!)


 倒れたまま笑う怒りの像の、肩や腕、頭を触る。骨折打撲・火傷裂傷の確認。


「おい!止めろなにをする!・・・・・くすぐったいだろ・・」

 動けないままの体を触られるのが、くすぐったいのか顔を赤くして体をよじる。


(あとは・・道具袋から・・)

「薬草だ、この辺の魔物は強いからな。傷を治せ」


 怒る像にはお供え物をする、そして祈る。怒りの炎を鎮めるたまえ・・・

 神罰が恐ければ、御布施をする。人間の出来る事はそのぐらいなのだ。


 髪に着いた砂を払い、顔と額についた汚れを拭く。


(砂漠の流星・・多分この綺麗な黒髪に昔のヤツらも、オレと同じように感じたんだろうな・・流星・・星は夜に砂漠の夜空に瞬き輝く物だからな・・)


・・目が合った。

「・・おい、偽・・勇者、お前の名前はなんだ?」


 間近で見た少女っぽい女の顔、赤いのは怒っているからか屈辱に振るえているのか解らない。

「勇。そう呼ばれているし、そう名乗っている」後はジョンだな。


「勇者で・・・、勇か?馬鹿にしているのか?」

 少し笑うと、真っ直ぐに向いた黒い瞳にオレの顔が写る。


「勇、お前は私が倒す事に決めた。でないと私の中にあるモヤモヤがどうにかなりそうだからな。憶えておけ、お前を倒し次ぎの勇者になるのはこの私、アヤメだ」


 アヤメと名乗った武闘少女は真っ直ぐオレを見つめ、多分答えを待っている感じだ。


「なら・・レベルを倍にしてから出直して来い!」ビシッ!

 決った、今のオレ!中々格好いいだろ!。


・・・・「キサマ!・・・こんな屈辱は、本当に・・初めてだ!・・・許さん・・絶対許さんからな!勇、その首・磨いて待っていろ!」

アヤメが感情の爆発と共に立ち上がり、腹に置いた薬草がコロコロと落ちた。


(やべぇ、立上がった!)

「pー逃げるぞ、走れ!」薬草を使って復活されたら、ヤツの足からは逃げられ無い!


 すでに転がり出しているスラヲの上にピョートルが乗って逃げている、なんて早さだ。くそ、[中回復]しただけで、身体が完治したわけじゃないんだからな。足が重いよ!


「拳聖の装備を完全にして討ち取ってやる!絶対・絶対だ!」

 背中に怒りの叫びが聞こえる、まだ足が動くくらいには回復していないようだ。


「装備に頼る様じゃ、勇者には向いて無いぞ!自分の力で獲りに来い!」アカンベー


「チッ、クショウ~~~!!!」


 響く声を背後に必死に走った、どうやらヤバイものを目覚めさせてしまったようだと後で後悔した。



・・・・・


「勇さん?ひょっとして、勇さんは人間の中では変な方なのですか?それとも標準?」

 アヤメの声から逃げ切り、町に入ったオレに仲間からの第一声がそれだった。


「標準だと、思うぞ」そう思いたい。

「・・あの『レベルを倍にしてから出直して来い』ってのは、駄目なのでは?」

 そして駄目出しだった。


「いいじゃないか!格好いいだろ?」

 強者の余裕とか、決め台詞的な感じで。

「ぴゅ~~い?」スラヲがなんとも微妙な感じの表情と返事を返して来た。駄目なのか?いやいや、魔物的には駄目でも・・駄目なのか?


「彼女、怒り心頭って感じでしたね、[あっ!]って感じたので先に引かせてもらいましたが」

 こいつら、先に走り出していたのはそれか!裏切り者め!


「大体、本当にレベルアップして来たらどうするんですか?今度こそ殺されてしまいますよ?」

 金属スライムを虐殺とかして、数日で出直してきたら勝てるんですか?だと?


「・・彼女はそんな馬鹿じゃないさ、たかだかレベルを上げただけで出直してきたら、勝てるさ、早いだけ・腕力が強いだけ・体力を高めただけなら何とでもなる」


 本当に恐いのは、じっくり実力を付け、技を鍛え、その中で戦闘経験を積んだ[本当のレベルアップ]が恐いんだよ。


(ただレベルを上げただけのヤツを転がす方法なんて幾らでもある。それこそ、オレも同じ様にレベルアップするとかでもいいんだ。そのほかにもレベルに関係無くダメージを負わせる毒とか呪いとか?・・ああ、レベルを奪う魔物をけしかけるの良いなぁクククッ・・)


「・・勇さん、すごい悪い顔をしてますよ?ただでさえ目付きの悪い顔が・・子供に見せられないような極悪人の横顔に・・」

 仲間に酷い事を言われた、スラヲのヤツはこっちを見ようともせずに転がってやがる・・そんなに恐い顔か?オレの顔は。



 まあいい、普通の人間程度のレベルアップなんか大した事は無いよ。

 それこそレベル6百万とかレベル数億の宇宙破壊超魔神とか、デスガイア[死の大地]とか言う、空想世界の化物なら話は別だけどね。


 それに・・・女の子との会話だってな・・

 おれはガキの頃から国に集められ、英才教育を受けさせられていたんだ。・・その教科に女性の扱いや、格好いい言葉の使い方は無かった。わかるだろ?

 つまり、オレのせいでは無く。教育が悪いのだ。


「もし・・彼女が『本当のレベルアップ』で倍のレベルになって戻って来たらどうすんです?死にますよ?」

 ?レベルアップの話か?・・嫌な事を言う、そうだなぁ・・


「土下座して仲間にならせてもらう!荷物持ちでもマネージャーでもマッサージ師でもやって連れて行ってもらう!そして世界を救う彼女が『本物の勇者です!』って世界中で言って回る事にするぞ!」どうだ?


・・ん?なんだよその渋い顔は、駄目か?

「そうなると・・私達は・・勇者の従者の従者という事になるのでしょうか?」

 そうだな、いいじゃないか?[勇者の従者の従者]って。

 う~~~んって顔とスラヲの????って顔だな。


「勇さんって本当に、人間の中では変な方では無いんですよね?」

 失礼な!本当に普通だ、普通の・どこにでもいる性別・男・成人だ・・よ?おかしいか?


「その・・振り幅が・・格好いい所と・・変な所と・・よく解らない所が・・・

 それに・・女性の服をハサミで切りさいて胸元を見るとかも・・」

 

 スラヲに乗りながら、申しわけ無さそうに見上げて何を言うかと思えば・・・

「ぴょょょょ・・」スラヲも困ったヤツを見るような目で見上げやがって!


「言い方!それ言い方が悪い!名詞とか形容詞の表現が!誰かに聞かれたら駄目なやつ!」

字面とか、受ける印象が悪くなるだろ!誤解を受けるだろ!


「いいかね、2人共。アレは知らなかったんだ、事故、情報の共有不足によるお互い非のあるアクシデントなんだ!」ノーカン!ノーカン!ノーカン!


 「ククク・・」「ピピピ・・」スラヲが飛び跳ね・・ピョートルは肩を振るわせている?笑ってるのか?

「・・お前ら、からかったな!」

 全く、灰色の思春期を送った男の純情を馬鹿にしやがって!

 女性免疫が無くて悪かったな!


 オレの知ってる会話した女なんか、あの女神官と・育ての母親と・・・あの女悪魔ゴモリーと・・その体の持ち主だけなんだよ!


 白い女の人は・・美人だったけど・・笑われただけだし!しょうがないじゃないか!


と、いう感じでまとめてみました。どうでしたか?まだ続くんですが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ