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邪神像の呪い発動、捨てても手元に戻ってきます。

「魔物使いという職業もそうですが、その変った武器。そして今もお顔を隠し、お名前もお隠しになる所も・・ひょっとして、どこかで諜報のお仕事をしていらっしゃったのでは?」


「黙秘する、次いでに言えばこの武器も成り行きで使っているだけだ」

剣でも斧でも使わないと戦えないなら、使うだけだ。


「私が先程の貴方の戦いを彼等に言わなかった事、不審に思いますか?」

「べつに・・あんなのは誉められるような戦いじゃないからな、どう言われようと気にしない」


 閉じられた空間で女2人に男一人、せめて窓があればと思うのだが。

『弓で狙われては困りますので』と閉められてしまっていた。


「私ばかり質問していますよね?ご質問があれば言っていただけませんか?」

 かと言って答えが正しいとも、答えるとも言っていないのだろう?


(それに、下手な質問は・・泥沼に足を突っ込むような気がするな)


「特にない」が正解だろう。

「フフフッ、慎重なんですね。それに口も堅い、寡黙は美徳ですわよ?」

 そうなんですかね?じゃあ[お嬢様]の質問は美徳を失ってもすべき・・情報の収集だな。


『雄弁は銀となり・沈黙は金の価値がある』だっけか?だがそれ以上に『正しく正確な情報は金より価値がある』って聞いた事がある、誰かは忘れたが。


 カネを使ってでも正し情報を、より早く・誰より早く手に入れた者が商売を成功させる。

(ああそうか、道具屋のオヤジの言葉だったか・・気が付かない内に色々教えてくれていたのか・・見かけは恐いジジイだったけど、良い人だったんだな・・ああすれば・・こうしていれば・・か)


 過去は取り戻せない、だからこそ、次ぎは間違えないようにしないと。


(・・・でもこの女からは・・善人の気配はしないんだよなぁ)

 見かけだけで判断するのは良くない、そう自分に言い聞かせる。


「それで、今はどこに向かっているんだ?オレの仕事は護衛でいいんだよな?」

んぇ?「ええ、そうですね。本来は魔物が作ったと噂される遺跡に用が・・いえ本当はその中に隠された秘物の探索と入手が目的でしたが・・」


 馬車に乗る事で、ようやく戦いの空気が薄れて緊張が溶けたのか目を瞑り、護衛の女に肩に体を預けていたお嬢様が、眠そうな目を薄く開き考えるように言葉を選ぶ。


「強行して得られるか・・と考えますと・・可能生は・・難しいでしょう。そもそも目的の物があるかどうかも難しい所ですね・・先ずは遺跡の場所を確認し・・現地の状態を見てから・・と言う事で・・」


 その先は仕事の結果次第で、と。今度こそ本当に船を漕ぎ始めた。


 頭を使いすぎると頭が熱を持ち眠くなる、このお嬢様は頭を使って他人と渡り合うのだろう。

緊張が融けると眠気に襲われたのだろうか。


(他人を信用しない奴は、人を裏切る事も当たり前と思う。その逆に他人を信用する人間はそう簡単に人を裏切らない・・か、少なくとも契約の範囲内では、お互い裏切らない程度の信用はしていいのか?)解らない。


 その無防備な寝顔に今は問う事は出来ないが、出来れば彼女の言う『民の為・国の為』ってのが誠である事を信じるしかないのだろう。


 一度探索した遺跡に戻る事になろうとは、ああ多分アレだな、邪神像の呪いってヤツか?捨てても捨てても戻って来る呪いの人形か?


「オレ達が先に行く」冒険者達は、お嬢様の護衛を一人残し魔物の遺跡に入って行くのが見える。

「彼等は何が目的なんだ?」多分アレだろうがな、一応聞いてみることにした。


「魔物達が遺跡深くに隠し守る秘物、邪神像です。その形大きさは知られてませんが、人が見れば直ぐに解るそうです」


 そんな物、何に使うんだ?とは聞ける感じはしない。金持ち・権力者の考える事は詮索しないほうが長生きできる、関わらないのが一番いい。


 で「・・なぁ、オレ達も行かなきゃいけませんかね」

 ニッコリ、オレの言葉に笑顔だけで答えてきた。それは『期待しています』か『早く行け』のどちらかだろうなぁ。


(はぁ・・「詮索するな、行け」か、危険を冒してまでアレを手に入れて、あんな物を何に使うんだ?全く・・・)


 しばらくして遺跡の入り口から悲鳴が聞こえ、遺跡の罠に誰かが嵌まったんだとわかる。

(あいつら・・罠に関してなにも対策無しで突っ込んだのか?馬鹿なのか?)


「p、罠を外す必要は無い、オレたちは、ゆっくりと慎重に行くぞ」

 一度攻略した事がバレると厄介だ、(深読みすれば、あの女・・オレ達が遺跡を知っている・侵入した事も計算の内だったりしないだろうな?)


 だとすれば、バケモノだ。オレ達の姿を見た瞬間にそこまで読み取れるのか?

そこまで計算して『魔物使い』と言ったのか?

 オレ達がこの遺跡の辺りをうろうろしていたから?・・・


 そんな数%の可能生すら計算に入れて、オレ達を雇ったのか?

 ・・背筋に寒気が走る、そんな・・馬鹿な事は・・無いよな・・


チラッ、背後を見れば笑顔を作り、手を振っている。

(笑顔は武器であり・防具である・・か)表情を読ませない為の笑顔、貴族や社交界ではソレを武器にして偉いヤツらは戦っているらしいが・・(だとすると、あのお嬢様のアレは、正しく妖刀だな)


 [女の笑顔は恐い]勇者は新たな知識を憶えた。


 人間不信のレベルが上がったような気がする。背中に妖刀の気配を感じつつ、遺跡の中に踏み入れその影に入ってようやく一息が付けた。


「なんで魔物のいる遺跡の方が安心するんだよ、おかしいだろ?」


「・・ジョンさん、オレにはジョンさんが、なんでそんなに怖がっているのか理解できませんが・・あの人間はそんなに強いんですか?」

 ああ良いよな魔物は、強さだけが基準で。

じゃ

「人間は、殺す殺される以外にも色々あるんだよ。腕力で殺せるからと言って、オレより下とはならないんだ」


「そんなもんですかね」首を傾げるpを先頭に遺跡を進む、ああ向こうで馬鹿が槍に引っかかっています。鎧と体勢で即死はまのがれていますが・・・助けてあげますか。

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[気になる点] んぇ?「ええ、そうですね。本来は魔物が作ったと噂される遺跡に用が・・いえ本当はその中に隠された秘物の探索と入手が目的でしたが・・」
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