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ロボットにも魂はやどるのか?

霧の中に一軒の家が見える、もれ出す明かりはだれかが住んでいる証拠。

家の扉を叩き、ニッコリと笑顔を作る。


・・・返事が無い、家屋の中からはゴソゴソと人間の動きと、足音が聞こえる。

(予想通りか・・さて、中はどうなっているんだ?)


・・「なんだお前は?新聞はいらんぞ?薬の押し売りか?それとも何かの行商か?返れ帰れ!

ワシは忙しいんだ!」

 髪の薄い男がバタバタと走り、怒鳴りながら部屋の奥に走って行く。

・・・ふむ、同じか。


 博士のあとを追い、人形がぶら下がる部屋に行く。


「なんだシツコイ!金は研究が終わってからだと決めていただろう!成果が遅いからといって邪魔しに来るんじゃ無い!」

 博士は振り向かず背中を向たまま、忙しい忙しいとせわしなく歩き続けている。


「最近の金貸しは、お前みたいな男も雇うのか・・はぁ・・若い男の仕事が、金の取り立てなど・・」ブツクサ言いながらも手を動かし、ネジ・ゼンマイ・ボルトをガチャガチャやっては

紙を覗く。


「金の取り立てじゃない、博士に見せたい物があるから来たんだ」


「コレに見覚えは無いか?あんたに必要な物だと思って持って来たんだが?」


「こっこれは!コレをどこで!・・出自はこの際どうでもいい、コレをワシに譲ってくれ!

礼はする!必ずあとでする!くれ!そうだ、殴るのだろう?殴らせてやるからコレをくれ!」


 博士はオレの手の平から鉱石を奪うと、どこかへ走り去り・金属の箱を持って戻って来ると、

バタバタとガラクタに押し込んでゴチャゴチャやり始めた。


「すまん!今は本当に忙しいんだ!用はあとにしてくれ!そうだ、ワシの部屋を使っていい、

そこで休んでくれて構わん。とにかく今は手が離せないんだ!」


 埃っぽいベットと部屋の床に積もった埃、同じ・・か?

(少し寝る)埃を払い、ベットの上に寝転がると眠気が襲ってきた。

 

 ガタガタと壁の向こうで作業が続く音が聞こえる、ゴソゴソと走る何かとバサバサと

紙がこすれる音。

 まばたきの間に闇と光が繰り返し、本能的な感がオレを覚醒させた。


「?起きて来たのかね?どうだいキミの持って来てくれた魔鉱石のお陰で、ついに動き出したぞ!

この姿こそ私の夢の第一歩だ!」


 天井からぶら下がる人形は、自ら足を動かし手をばたつかせて動きを見せていた。

「まだ自分で歩く事は出来ないが、それも改良していけば人の様に自分で歩きだすぞ」


 がちゃ・がちゃ・がちゃ・

 クインッと足を滑らせ、ヒモに絡むように引っ掛り、転び浮かぶ。

「・・やはり、バランスが・・クソッ、いくら歩かせても直ぐに・・おかしい、私のロボが

、こんな所でつまずいたら駄目なんだ・・」


 頭が大きく、足が細い。人間に近くしたせいで、重心が上にあがり過ぎたロボは

何度も転びヒモに絡んでしまう。

「・・四つ足」だったよな?たしか。


「?・・今、なんて?」

 思わず口にした言葉に博士が食いつく、オレが知っているのは4つ足のロボだろ?


「!・・そうか・・四つ足か・・!なるほど!!確かにそうだ!最初は4つ足、次ぎに二本足、

最後の3つ足・・・ロボだから老いはしないから3つ足にはならないが・・・

確かに今の段階で二本足にこだわる必要は無いんだ!」


 飛び上がり、掛け来る博士が勇者の手を掴み、痛いほど強く握ると、

ブンブンと音が出るほど強く上下させる。


「直ぐに取りかかる、先ずは設計から見直しだ!そんな物は直ぐに出来る、

私以外には出来ないだろうが、私はこのロボの設計に何年かけたと思っているのだ!」


 自らを奮い立てるように声を上げ、机に向かい筆を走らせる。

「すまない!今は頭にある形を!設計を書き出すのに精一杯なんだ!感謝と礼はあとで

必ずするからな!待っていてくれ!」


・・・・・まぁ・・いいか・・眠気がひどい、頭に霧がかかる、なんだ・・か・・


 遠くで何かの声がする、鼠のように床近くからゴソゴソ這い回るような足音。

 

『上手くいったな   もっと強く   設計図は   改造   観察   』

 不快な声がする・・なん・・だ・・


 声が頭にこびりつき眠れない、起き上がり頭を振ってこめかみを押さえる。

(チッ、クソ城下のヤツらから聞こえてきた陰口と同じだ。

 誰かを小馬鹿にするヤツがする、口元を上げて横目でオレを見てたヤツらと同じ

話かたしやがって・・)


 壁を打つガツン!ガツン!明らかにロボを改造する金属音では無い音で意識が覚醒した。

(おれも壁を打ちまくったけどな、コレはうるさ過ぎるだろ)


・・・四本足のロボが壁にぶつかり、激突すると反転し壁にぶつかるまで歩いて激突している。

・・なんだ?これは?


「ああ・・もう・・駄目だ・・確かに動かす事も出来た、歩く事も。だが制御が出来ないのだ。

なぜ思った通りに動かないんだ・・・」


・・・この男・・ガワだけ作って、動くと思っていたのか?実は馬鹿なのか?

「人間もガワだけじゃ、動かないだろうに・・」


・・?・・?・・!「そうか!魂か?魂が足らないのか?この子の中には魂が入ってないから

ワシの思いに答えてくれないのだな?」


 ハハハッ・・「魂か!ならば私には解らなかった訳だ!ならこの子に魂をそそげば」

「・・人の魂を入れようって事なら、今オレが止める。当然魔物の魂でも同じだ」


「魔物の魂だと?そんな物が私の子に相応しいはずが無い!私の子には・・私の子には・・・」

「・・ヘぇ?じゃあ、あの神ってヤツの魂でも入れたらどうだ?あちこちに有るらしいし」


『神はどこにでも存在し、どこからでも全ての人々を見守っています』って言ってやがったぞ?

多分嘘だろうが。


「お前も神の信仰者か?ヤツらはワシを、ワシの技術や発明を異端と見なし裁判にかけようとする。全く・・・人の可能生を信じないヤツらが!忌々しい!」


・・・「?・・神・・の魂だと?・・そうか!そうだな!神の魂だ!『万物に宿る』

と言われる神の魂なら!取り出してロボに入れても、いやロボにも魂が・・」


 少し考えさせてくれ、ボソッと博士は呟き棚の本を開き何かを探し始めた。


長い、終わらない、このエピソードは長すぎる。

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