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009


発動(アクティベート)完璧(パーフェクト)戦術(タクティクス)】」


アリアさんは静かにそう言い、直後、光の様な速さで黒ローブの集団に向かっていった


パーフェクト・タクティクス。そのスキルは現在このゲームのプレイヤーが習得している中で間違いなく最強のスキル。


戦闘時における全ステータスが二倍に上昇する。


アリアさんは元からステータスが高いため、その数値がさらに二倍にも上昇するとそれはもはや敵が何人いようが関係ない


「オラァァッ!」


黒ローブの男達が一気にアリアさんに武器を振り下ろす


「あれ?」


しかし、男達が武器を振り下ろした場所にはアリアさんはいなかった


「私はここ、だよ」


アリアさんは男達の反対側に移動していた



早すぎる…全く見えなかった…


しかし男は15人、アリアさんの後ろにいた男が剣を振り下ろしてきた


アリアさんはそれを軽くよけ、素早く背後に回ると剣を男の胸に突き刺した


男は光と共に消滅した。


その直後、


「ウォォ!怯むな!かかれぇ!」


10人ほどが一気にアリアさんに攻め込んできた


アリアさんは顔色ひとつ変えずに素早い剣さばきで丁寧に男1人1人を仕留めた。



「くっ…撤退だ!」


その場に残された4人は洞窟を後にした


「ふぅ…」


アリアさんが剣を鞘にしまい、一息ついた


俺はアリアさんの頭上に表示されているHPバーを見た


すると驚くことに15人を一人で相手したのにもかかわらず全くHPが減っていなかった



俺は思わず息を飲む


これがβテスター最強、アリアさん


俺も早くこの人のように…


そう思った


「シオン、ナズナのとこ、戻ろ」


「はい」


俺たちは洞窟を出てナズナ屋敷を目指して歩いていた


道中、白ローブを着た男が倒れていたのを見つけ駆け寄る


「おい!どうした?!」


男は半目を開けて俺を見て言った


「あなたは…シオン様…げ…現在プレダー軍が…襲撃してきています…」


そう言いかけた所で男は光と共に消滅してしまった。


「アリアさん。行きましょう!」


「うん、行こう」


俺とアリアさんは走り出した


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ウォォッ!」


「セリャァッ!」


ナズナ屋敷の近くの草原ではすでに両軍が激しい戦いを繰り広げていた。


その集団の中には鎧を身にまとって交戦するナズナの姿があった


「フッ!」


俺は助走をつけて加速し、その集団に割って入った


加速からの突き技で一気に3人を倒し、ナズナに声を掛けた


「おい!どうなってんだ?」


「先程プレダー軍が突然襲撃してきました!やはりシオンさんの言ったとうり内通者がいるとみて間違いないでしょう、シオンさん、早くあのダンジョンへ!結界の強化を!」


ナズナは黒ローブの男から振り下ろされた剣を受けながらそう言った


俺はその男を斬って返事をした


「分かった、結界の方は任せろ」


俺はテンペスト・ドラゴンの眠るダンジョンへと急いだ


ダンジョンが見えてきたところに白ローブを着た男が立っていた


「ダンジョンはこちらです!お願いします!」


「あぁ、わかった。ありが…」


俺は感謝を述べながら通り過ぎようとした



キィィン


しかし、俺は立ち止まり剣を抜いていた


背中にささろうとしていた剣をかろうじて受け、振り向いた


するとそこには白ローブの男が背中をめがけて剣を振っていた


男の剣をかろうじて受ける事が出来た俺は大きくバックステップをして男と距離を取った


「お前が内通者か」


俺がそう聞くと男は剣を下げて言った


「あちゃー、バレてたか…そうだよ俺がプレダー軍のスパイっすよ」


そして男は再び剣を俺に向かって構えた


しかし、俺は剣を構えなかった


「どうした?なぜ構えない?死にたいのかぁ?」


「悪いがお前に構っている暇はない。おそらくお前らのボスのプレダーはもうダンジョンの中にいるんだろ?」


「ッ!」


どうやら図星のようだ


俺はダンジョンの方を向き歩き出そうとした


「待てぇよぉっ!」


男は剣を振りかぶって俺に襲いかかろうとした


しかし、男は反対に振り返り突如振り下ろされた赤い大型剣をかろうじて受けた


「待たせたな、シオン」


大型剣を振り下ろした男、ノブナガはそう言った


「すまない、ここは任せる」


「ああ!まかせとけ!」


ノブナガの返事を聞き俺はダンジョンへと急いだ



「ハッ!」


「グァァッ!」


ダンジョン内には数人のプレダー軍がいたが、悠長に戦っている時間はない


アクセラレーション・タクティクスを使い強引に乗り切った


ダンジョンの最深部に着くとそこにそれはいた


で…デカすぎる


俺は恐怖のあまり一歩引いてしまった


大きな結界に覆われている銀色のドラゴン、その麓に黒ローブを羽織った男がいた


「さぁ、テンペスト・ドラゴン今こそ復活の時だ」


「まて!」


プレダーは結界の中心に向かって剣を突き刺そうとしていた


俺はメニューウィンドウを開き『グラビティ・リング』を取り出して結界に向かって投げた


だが、遅かった


プレダーの剣は結界を貫き、その直後


「グォォォォォォォォッ!!!」


ドラゴンの怒号が、轟いた


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