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006


「……嘘、だろ…」


デスゲーム開始から一週間が経過した。


昨日までですでに183人のプレイヤーがゲームオーバーになったという情報が入った


つまり、その183人は現実世界でも死んだのだ…


アイの言っていたことは本当だった。


『クラウンステーション』のシステムにも侵入して、高出力の電磁波を発生させる。


すると脳は焼き切られ、すなわち死ぬ


「……」


俺は頭を抱えた


1人も死者を出さずにゲームをクリア出来なかった…


そう悩んでいると、誰かに肩を叩かれた。


顔を上げてみると、そこにはアリアさんが立っていた


「残念だけど、受け入れるしか、ないね。私たちに出来ることは、強くなって、弱い人達を守ることだから」


俺は頷いて立ち上がる


「そうですね、アリアさん…よし、続きやりましょう」


三日間、俺はひたすらアリアさんと共に特訓をしていた


二度と、あんな悔しい思いをしないために


リュウが村を取り返し、お礼にと村に滞在させてくれることになったので、遠慮なく滞在させて貰っている。


「いいよ、じゃ、いくよ」


アリアさんは特訓用の木剣を構える、俺も木剣を構えた。


「ハッ!」


「ッ!」


お互いから振り下ろされた剣は交わり、ガァン!と鈍い音が鳴る。


ギリギリ…‥と間合いが近くなり、鍔迫り合いになった。


速いっ!


【カウンターブレイク】を発動する前に間合いが近くなってしまった。


一度間合いを取ろうと一歩引いた瞬間、


「フッ!」


肩付近を突かれた


「ダメだよ、自分から引くのは、攻撃は最大の防御って、いうでしょ」


「確かに、そうですね」


「あと、シオンの戦い方なら、AGIをもっと生かした方が、いいよ」


「AGIを生かす、か…動き回って相手を誘うってことですか?」


「うん、【カウンターブレイク】を確実に使えるようにすれば、強くなれるよ」


俺はメニューウィンドウを開き、アバターカードをタップする


AGIの欄を見ると132と表示されていた


「こ、これは……」


AGIのステータスがずば抜けて上がっている


STRの値は82、つまり50も差がある


「ね、AGI高い、でしょ?」


アリアさんが顔を近づけて言ってくる。


「アリアさん、ちょっと試したい事があるんですけど」


「うん、もっかい、やろっか」


お互いに木剣を構えて、ジリジリと攻め合う、


「ハッ!」


俺は足に力を込め、アリアさんに向かって行った


アリアさんは俺の攻撃を返そうと木剣を構えて、身構える


まもなく接触する、というところで俺はわざと剣を振りかぶるそぶりを見せる


それを見たアリアさんは木剣で受けようとした。


今だっ!


俺は上に地面を強く蹴ってとび、アリアさんの後ろ側を取り、首元に軽く剣を当てた


緊迫した空気が流れ、そのあとに俺は一歩下がって木剣を下げた


「ふぅ、どうですか?今のは」


俺は緊張から解放され、地べたに腰を下ろし、アリアさんに聞いた。


「うん、今のは、いいね。他の人との戦闘だったら全然いけるよ」


他の人、か。まぁそうだろうな。


間違いなく現時点でこの世界最強のプレイヤーのアリアさんなら、俺が後ろを取ろうとしても回し蹴りをしてそれを阻止できたはずだ。


つまり、まだ実力の3分の1も出してないと言うことだろう。


俺はアリアさんに強い憧れを抱いた


いつか、必ずこの人とゲームクリアを…‥そんなことを考えた。


俺はアリアさんの方を見た。


すると、その顔には先程までの笑顔はなく何やら険しい表情で遠くを見つめていた。


「アリアさん?どうかしました?」


「…戦闘の気配、それも、プレイヤー同士」


「えっ!?」


「行こう、シオン」


アリアさんはメニューウィンドウを開いて木剣をしまい、代わりに二本剣を出した


一本を鞘に収め、もう一本を俺の方に差し出してくる。


俺はそれを受け取り、二人で走り出した


リュウの村を抜けて、少し進んだ木々が生い茂る森の奥に行くと、3人の黒色のローブを着ているプレイヤーが白色のローブを着た女性を囲んでいた。


「させるかッ!」


俺が行こうとするとアリアさんに腕を掴まれた


「待って、シオン。あれ、プレイヤーじゃ、ない」


アリアさんにそう言われ、俺は男達をみた。


すると確かに4人の頭上にはNPCと言う表示があった。


俺は状況が理解出来なかった。


NPC同士の戦闘とは、どういう事なのだろうか


しかし、考えてる暇はなかった


「アリアさん、俺行きます!」


「あ…」


「ハァッ!」


俺は走って行き、強引に割り込んだ。


剣を構え、戦闘の意思を見せると


黒のローブを着たNPC3人は逃げていった



「あの、大丈夫ですか?」


俺は白のローブを着たNPCに手を差し伸べた


「はい、助けて頂きありがとうございました」


NPCは俺の手を取って立ち上がった


「私はナズナと言います、お二方、助けて頂いた後で大変失礼なのは分かっていますが…」


ナズナと名乗ったNPCは一歩下がって頭を下げて言った


「私達の軍に加勢してください!」


ナズナがそう言った直後、ナズナの頭上にクエストマークが出現した


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― 新着の感想 ―
[良い点] 前までの話より素人目線から見ても全然良くなってると思います! [気になる点] ・「AGIを生かすか、動き回って相手を誘うってことですか?」→「AGIを生かす、か....動き回って〜」がいい…
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