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003


「ハッ!」


ダンジョンに突入して俺とノブナガは悲鳴が聞こえた奥の方を目指して走っていた。


もちろんダンジョンなので道中には沢山のmobが沸いていた。


難なく倒すことができているが、ここから先の最深部は油断できないと本能が言っていた。


奥まで走り抜けると、広いドーム状の空間があり、悲鳴の主と思われるプレイヤーはそこに倒れていた。


周りには沢山のクモのようなmobが数体うろついている。


「おい!大丈夫か?」


俺は剣を鞘から抜き、mobを牽制しながら倒れているプレイヤーに近づいた。


ryuuとアバターネームが表示されている横に表示されているHPバーを見ると赤く点滅している。つまり、残りのHPが1割を切っているという事だ。


クソッ!さっき手持ちのポーションを使ってしまったためこの女性プレイヤーを回復させるためのポーションがないっ!しかし、このプレイヤーを一刻も早く治療しなければ、HPが全損し、ゲームオーバーになる、すなわち、現実世界で命を落とすことになってしまう。


そんな事絶対にさせてたまるか!


俺は倒れている女性を抱えると、バックステップでうろついてこちらを威嚇しているmobから距離を取った。


「ノブナガ!この人を連れてダンジョンの外に!急げ!HPが1割切ってる!」


と、女性の身をノブナガに預けた。


「わ、分かった!それより、シオンは?」


と、女性を抱えながらノブナガが聞いてくる。


俺は再び剣を抜き、答えた。


「俺はこのmobを片付けておく、それに、気になったことがある。その女性のその肩の怪我は、おそらくここ(ダンジョン)で負ったものじゃない、それにその女性は()()()()()()()()()()()()()()気がする。とにかく、その人を頼む!」


「あぁ、分かった。シオン、死ぬなよ!」


と言って、ノブナガはダンジョンの出口を目指して走り出した。


さてと、一対五か、さっき初めてmobとの戦闘を体験した俺には圧倒的に不利な状況…だがッ!いずれ俺は()()()()()()()()()()()()()()()()男ッ!いちいちmobごときにびびってられない!


あのクモのmob…[ソードスパイダー]の武器はおそらくあの剣のように尖がった前脚だろう。


「ハァァッ!」


俺は[ソードスパイダー]めがけて切り掛かっていった。もちろん、無闇に切りかかっていったわけではない。


俺は一度剣をわざと空振りして、敵に攻撃するそぶりを見せた。


すると、[ソードスパイダー]は、こちらに敵意があると判断し、その尖った前脚で俺の身体をめがけて斬りかかってきた。


しかし、これが狙いだ!


俺は剣でその脚を受けた。


キィィンと、金属音が鳴った。


「フッ!」


俺は脚を受けた勢いと反動を利用し、素早く剣を返した。


ザシュッ!と、俺の剣は見事に[ソードスパイダー]の首を切断することができた。


[ソードスパイダー]は光に包まれて消滅した。


他の4体も同じ方法を用いて倒すことができた。


同じmobの種類には、基本的に同じ戦闘パターンがプログラミングされている。なので、基本的に同じ種類のmobの群れに囲まれても、あまり苦労しなくていいだろう。


俺は剣を鞘に収めると、ダンジョンを後にした。


あのプレイヤーは無事だろうか?


そう考えながら走っていると、ノブナガからメールが届いた。


「始まりの街の宿にいる。あのプレイヤーはポーションを使ってHPを回復させた。お前も戻ってきてくれ」


と、書かれていた。


俺は、「了解、今から戻る」と返信して始まりの街へと急いだ


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「た、助けていただいて本当にありがとうございました!」


宿の部屋に入ると、先ほどの女性プレイヤーにお礼を言われた。


「いや、礼を言う必要はない。あと、タメでいいぞ」


「そ、そう。じゃあそうするわ。…あと、あなたは男なの?」


と、女性が聞いてきた。


「ああ。正真正銘の男だ。あと勘違いしないでほしい、これは俺の趣味とかそういうのではない」


と、俺は女性プレイヤーにアバターカードを見せながらこのアバターの容姿になった経緯を説明した。


女性プレイヤーは驚きながらも、納得してくれた。


「私はリュウよ、まずは助けてくれて本当にありがとう。シオン、ノブナガ」


「あぁ、それでリュウ、お前はなぜダンジョンで倒れていたんだ?」


と、俺が聞くとリュウは唇をキュッと結んで拳を握ってうつむきながら言った


「私…いや、私達はプレイヤー集団に襲われたの…」


「「なんだとっ!?」


俺とノブナガは驚きのあまり声を上げた。


「あ、すまない、続けてくれ」


「それで…」


リュウから告げられた衝撃の事実は、想像を絶するものであり、この世界の 問題点がまた一つ増えるかもしれない、そんな内容だった

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