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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第六章 レンドベル闘技大会編
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友としてやれる事


《ブラックナイト》を追いかける為にスタジアムから出た俺とキリヤ…。


そんな俺達に向かって斧が振り下ろされた。

後方へ飛び、それを回避する。


「何だ…⁉︎」


斧を振り下ろして来た者を見上げるとそこには《サイクロプス》に擬似していたモンスターがいた。


「《ギガス》…!」


サイクロプスに並ぶ巨人モンスターか…!


「邪魔するってか?」


「みたいだな…!」


俺はエンゼッターとブレッター、キリヤは両銃を構える。

此処で時間を食うワケにはいかないが仕方ない…!


しかし、《ギガス》に向けて、風の刃と赤き雷が放たれた。

その二つは《ギガス》に着弾し、軽い爆発を起こした。


攻撃を放った方を振り返るとそこにはメリル、アイム、マギウス、ルル…そして、アナトスの姿があった。


「お前等…!」


仲間達に駆け寄るとメリルが俺の目を見て、口を開く。


「アルトさん!此処は任せてください!」


「お前はスノウの所に行け!」


「スノウお兄ちゃんを助けて上げて…!」


メリル…アイム…マギウス…。


「街の人達の避難は任せてください!」


ルル…。


「…キリヤ、とっとと終わらせて来なさい」


「ヘッ!テメェに言われるまでもねえよ!」


「みんな…任せた!」


この場をメリル達に任せ、俺とキリヤは《ブラックナイト》の後を追った…。



《ギガス》を見上げるメリル達はそれぞれ戦闘態勢を取る。


「ちょっと待てよ!」


更にそこに現れたのはグレン、ウィーズ、ルーク隊長。

そして…大会に参加した選手達だった。


「遅れてすまない!」


「我々もやるぞ!」


「あのムカつく野郎は麻生の兄ちゃん達が倒してくれるんだろ?」


「ヒヒヒ、死神に目をつけられた事を後悔させてやるよ…!」


「街や人々を傷つける悪は…この私が許さない!」


ウィーズ、ルーク隊長、ディムガルト、モルター、マスクド・ジェッターの順で話し、メリル達の隣に立った。


「皆さん…!」


「ルルの姐さん! 俺のギルドの奴等も連れて行ってくれ! 一足先にカイリの姐さんも向かってる!」


「ありがとうございます! グレンさん!皆さん、ついて来てください!」


ルルは紅蓮烈火のメンバーと共に街へ向かった…。



それを見送ったメリル達は再び、《ギガス》を睨む。


『グガアアアアッ‼︎』


《ギガス》は雄叫びを上げながら、斧を振り下ろす。

その動きを読んでいたメリルは《ビッグバリア》を展開し、斧による攻撃を防ぐ。


「ルーク様!」


ルーク隊長の名を叫ぶと、彼は彼女の考えを悟り、《ギガス》に挑もうとするみんなに声を上げる。


「全員…突撃‼︎」


ルーク隊長の指揮の下、メリル達の戦いが始まった…。


先陣を切り、ウィーズとグレンが斧で攻撃し続けている《ギガス》の両足を斬り裂き、態勢を崩した。


音を立てて、倒れる《ギガス》。

しかし、すぐに立ち上がるが、そこへディムガルトとモルター、マスクド・ジェッターが攻撃を加え、更には他の冒険者達も攻撃に参加する。


そこへマギウスとアイムも乱入し、《ギガス》にダメージを与えていく…。


「…一時休戦よ、メリル」


「分かっています…!」


頷き合ったメリルとアナトスの《ファイアボール》が攻撃を受け続けていた《ギガス》に直撃した…。






《ブラックナイト》の下へと向かう俺とキリヤ…。

しかし、またもや横槍が入る。


「ククク…この先は行かせないぜ…」


…ノームか。


「あの黒騎士にはもっと多くの人間を殺してもらわねばならないんでな。…足止めをさせてもらうぜ」


「チッ…。仕方ねえ。おい、麻生。…クローゼルの下へはテメェ一人で行け」


キリヤの提案に俺は驚き、彼を見る。


「何言ってんだよ⁉︎ アイツの力は…!」


影を操る以上、一人で戦うのは危険だと、告げるが、それを否定してくる。


「バカかテメェは? 言ったはずだ。クローゼルを止められるのはテメェしかいないってな。…それなら、俺があの影使いとやりあうしかないだろうがよ」


…キリヤの覚悟は本物だ…。

この覚悟を無駄には出来ない…!


「…わかった。死ぬなよ」


「…誰に言ってんだテメェは」


この場をキリヤに任せ、俺は走り出す。

しかし、それを阻む様にノームが動き出した。


「させると思って…!」


「俺の台詞だ」


影を操ろうとしていたノームに向けて、キリヤは銃弾を発砲する。

銃弾を避けたノームは俺を逃してしまう。


「貴様…!」


「さてと…胸糞悪さはテメェで晴らすとするか」


「良いだろう…。貴様を下し、麻生 アルトの後を追うとしよう」


「簡単に言ってくれるねェ…。だが、これだけは忠告してやる。…あんまり、人を舐めるなよォ…!」


両銃からビームソードを出し、キリヤはノームに突っ込んだ。

ノームもナイフを構え、キリヤの攻撃を防ぐ。


「ハッ! お得意の影使いはどうしたよォ?」


「貴様に影による攻撃が必要か否か…。試すのみ!」


「なら…その余裕を後悔と共に崩してやるよォ!」


ニヤリ、と笑みを浮かべたキリヤはビームソードをノームのナイフとぶつけ合った…。






スノウが《ブラックナイト》となってしまった事で空は雲に覆われ、陽が刺さなくなってしまっている。

影に包まれた街中…そこでスノウが変化した《ブラックナイト》が街の人々を守る為に立ち塞がった聖凰騎士の兵士達と衝突していた。


しかし、一振り…たった一振りで数人いた兵士達は斬り裂かれ、血を吹き出しながらその場に倒れた。

そう…兵士残り一人を残して…


「ヒッ…⁉︎ バ、化物がッ…!」


仲間をやられ、恐怖に怯えている兵士は身体を震わせながらも街の人々をを守る為に手に剣を握っている。


『グオオオオオオッ‼︎』


雄叫びを上げた《ブラックナイト》は手に持つレイピアを兵士に向けて、突き出した。

突き刺される…!そう思った、兵士は目をギュッと、閉じてしまう。


……しかし、いつまで経ってもレイピアによる衝撃が来ない事に疑問に思い、ゆっくりと目を開けるとレイピアは横から突き出された剣の剣身によって防がれていた。


その剣を持つ者…俺、麻生 アルトを見て、兵士は驚いた。


「あ、貴方は…!」


「…今まで、コイツを食い止めてくれてありがとな。…後は俺に任せて、アンタは街の人達を避難させてくれ」


「わ、わかりました!」


エンゼッターでレイピアを弾くのと同時に兵士はこの場を後にした…。

エンゼッターの剣先を《ブラックナイト》に向けながら、俺は奴に語りかけた。


「よう、待たせたな。…スノウ」


返答するワケなく、奴は唸り声を上げるだけだった。

それでも俺は話を続ける。


「…すまなかったな。俺は一度…お前から目を背けようとした。苦しんでいるお前から…」


友人として…。俺が今できる事はただ一つだけだ…!


「お前をその苦しみから解放してやる。…痛みが来るとは思うが、我慢してくれ…。俺は、お前を救い出せないという不可能を打開して…可能に変える…!例え、どの様な結果だとしてもな!」


『グオオオオオオッ‼︎』


俺の叫び声に呼応したかの様に《ブラックナイト》は雄叫びを上げ、レイピアを突き立て、俺に突っ込んできた。


「ウオオオオオッ‼︎」


そして、俺も雄叫びに近い声を上げ、《ブラックナイト》を迎え撃ち…武器をぶつけ合った…。


俺の雄叫び…それは迷いを持つ自分を紛らわす為にだと俺は思う。

…この先の結果がどの様なモノになったとしても、俺はもう…受け入れるしかない…!


その覚悟は…とうに出来ているのだから…!


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