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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第六章 レンドベル闘技大会編
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レンドベル闘技大会Cブロック(後編)


レンドベル闘技大会Cブロック…。

そのブロックで俺は強敵であるラースさんと激闘を繰り広げていた…。


俺は《分身》と《冷気》で彼の隙を作る事に成功し、一撃を浴びせる事が出来た。

だが、その衝撃で彼の被っていた紫ローブが外れてしまう。


そこからあらわとなった素顔は聖凰騎士団所属の五代騎士隊長を纏める騎士大隊長であり、俺とは何度も会っているルーク・ヴォルンド隊長だった。


「ルーク隊長…。どうして変装なんてしていたんですか?」


「ルーク隊長…?誰の事を言っているのだ、アルト君?」


……は?

何言っているんだよ、この人…?


「此処にいるのはラース…。謎の紫ローブ冒険者だ!」


嫌、外したローブを見せつけられてもな…。

この人、あくまでラーフさんとしてやる気なのかよ…。


今頃、ヴィーズの奴も呆れているだろうよ。


「…真面目な話をします。どうして、ラースなんて、偽名を使ったんですか?」


「…かったんだよ」


「え?」


「出たかったんだよ!この大会に!」


出たかったって…。

そして、顔が近い。


「それなら、普通にエントリーすれば良いじゃないですか」


「私は騎士大隊長の立場だぞ⁉︎大会に出たいです!、と言っても簡単には出させてくれないんだぞ⁉︎」


「いや、気持ちはわかりますが…」


や、やっぱり騎士にならなくて良かった〜。

そう、心の中で安心していると、ルーク隊長に肩を掴まれた。


「毎日毎日、書類の山!剣を振る時間も一時間程度!私だって、リフレッシュしたいんだ!」


「く、苦労してますね…」


今のルーク隊長には大隊長の威厳もへったくれもないな。

ただの駄々を捏ねている子供と変わりない。


「だから、アルト君!今回だけは私と戦ってくれ!聖凰騎士団、騎士大隊長のルーク・ヴォルンドとしてではなく、謎の紫ローブ冒険者のラースとして!」


手を合わせながら、頭を下げてくるルーク隊長…。

だから、その謎のも解明出来たし、ローブも取れているんだって…。


…仕方ないなぁ…。

大会も途中だし、ゴタゴタに巻き込まれるのも面倒だ。


「…時間も残り少ないです。ケリ、つけましょうよ?」


俺のその言葉を聞き、ルーク隊長はパァッと表情を明るくさせる。


「感謝するぞ、アルト君!」


俺から距離を取り、バスターソードを構えたのを見て、俺もエンゼッターを構えた。


「その代わり…エンゼッターだけの剣での勝負は受け付けませんよ!」


「勿論だ!君のもてる力を全てぶつけてこい!」


お互いにエンゼッターとバスターソードを強く握り、睨み合った…。


数秒の間、沈黙が場を包んだが、その沈黙を突き破る様に俺は駆け出した。


あのバスターソードの威力は把握済みだ!

だったら…強力な技を叩き込まれる前にケリをつける!


剣身に電撃を纏わせ、《サンダースラッシュ》でルーク隊長に斬りかかった。


彼は避ける様子もなく…バスターソードで《サンダースラッシュ》を受け止めた。

だが、その防御も把握済み!


《サンダースラッシュ》を受け止められたと同時に俺はブレッターを取り出し、複数のエネルギー弾を発射する。


ゼロ距離…これは貰った…!

そう思ったその時だった…。


「《鉄壁》!」


ルーク隊長は身体を鋼鉄化させ、放たれたエネルギー弾を全て弾いた。


「なっ…⁉︎」


これには俺も驚き、すぐさま体制を整えようとしたが…。


「遅い!」


体制を整える前に彼の蹴りが俺の腹に減り込んだ。

そのまま後方に飛ばされ、地面を引きずりながら倒れる。


その隙にルーク隊長は次の動きを見せた。


「《限界突破(リミットブレイク)!》」


身体強化の技能(スキル)か…⁉︎


バスターソードを構え、突っ込んできたのを捉え、俺はエンゼッターとブレッターで攻撃を防ぐ様に構える。


案の定、先程とは比べ物にならない威力の攻撃が襲ってきた。

猛烈な攻撃を防ぎつつ、俺は自身の体力を確認すると、徐々に減っている事に気づく。


…防いでいても減らされるのかよ…!


このまま受けていても意味がないと俺は再び、ブレッターを発砲しようとしたが…。


「ハアッ!」


バスターソードでブレッターを弾かれ、ブレッターは空高く、弾き飛ばされた…。

遠距離武器を失った俺にルーク隊長は更なる追い討ちをかける為に、バスターソードを後方に振りかぶり、エネルギーを蓄積させる。


「《バスターストライク》!」


エネルギーの蓄積が完了し、勢い良くバスターソードを振り抜いてきた。


「ッ…!《バリア》!」


《バリア》を展開し、ルーク隊長の《バスターストライク》を防ぐ。

バスターソードと《バリア》の衝突でスパークが起こり、俺は何とか防ぎ続ける。


「ならば…!《バスタークラッシャー》!」


何と、《バスターストライク》を何発も《バリア》にぶつけてきた。


マズイ…!

《バリア》が保たない…!


歯を食いしばりながら、何とか連撃を防ぎ切ろうとするが、《バリア》にヒビが入り始めた。


「これで終わりだ、アルト君!…《バスターブレイク》!」


大根斬りの様にバスターソードを縦に振り、ヒビの入った《バリア》を粉々に砕いた…。

《バリア》が砕かれた衝撃で俺は体制を崩して、そのまま…。


腹に剣を突き刺された…。


「ガフッ…⁉︎」


口から血は出ないが、何かを吹き出す様な感覚に陥り、俺は動きを停止してしまう。


決着は着いたに見えた…。

しかし、ルーク隊長は警戒を弱めない。


何故なら、今の状態は先程の時と全く同じだからだ。


「…同じ手は二度と食わんぞ。それも《分身》によって、作り出された偽物なのだろう?」


そう悟った様に呟きながら、ルーク隊長は辺りを見渡す。

しかし、俺に突き刺したはずのバスターソードの剣身を掴まれる感触を感じた彼は再び、俺を見る。


そして、彼が見たモノは…。


「同じ手を二度も使うと思いますか?」


ニヤリ、と、してやったと言わんばかりの笑みを浮かべた俺がいた。

ルーク隊長の驚愕の表情を眺めた後、剣身を握る手を強める。


「深読みが足りませんでしたね…ルーク隊長」


俺は右手を掲げる。

すると、上空から縦にクルクル、と回転しながらブレッターが落下してきた。


それを掴んだ俺は《フォトン・ウイング》を発動し、光のエネルギーを翼から放出させ、ブレッターの銃口をルーク隊長に向け、トリガーに手をかけた。


「ッ…⁉︎」


マズイ…!、とバスターソードから手を離し、後方へ退避しようとしたが、既に遅い。


銃口には光のエネルギーの蓄積が完了され、俺はトリガーを引いた。


「《フォトンブラスター》!」


銃口から放たれる高出力の光の光線…それは退避しようとしたルーク隊長を大きく呑み込んだ。


それでも尚、放たれ続ける光の光線。

それを受け続けていたルーク隊長は光の中でクスリ、と笑い呟いた。


「見事だ…」


そのままルーク隊長の身体は光の中で消滅した…。


ルーク隊長の消滅から数秒後に光の光線が止み、ブレッターを下ろすと俺は息を吐く。


それと同時にCブロック終了アナウンスが流れた。


『波いる強敵を打ち倒し、決勝への駒を進めたのは…麻生 アルト選手だぁぁぁっ‼︎』


それを聞いた俺は心の中でガッツポーズを決め、それと同時に俺の身体は転送された…。


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