表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第六章 レンドベル闘技大会編
69/174

レンドベル闘技大会Bブロック


『Aブロックで盛り上がって来た所でいよいよ、Bブロックを開始します!』


実況者も力が入ってるな〜。

まあ、夕暮の力を見れば、誰だって驚くか。

それも無名だったアイツが強豪を打ち負かし、決勝に進出したんだからな。






客席では…。


「夕暮の武器は二丁拳銃だったのかよ⁉︎」


「そうよ。知らなかった様ね」


知るワケない…、とアイムはアナトスを軽く睨む。


「…ふう、やっと来れた…」


そこへカイリが現れた。


「カイリさん!」


「何処に行っていたのですか?」


「お姉ちゃんから、連絡があってね…。もう、話し出すと長いんだから…」


ブツブツ、と愚痴を言いながら、ルルの隣に座る。

そんな彼女にメリル達は苦笑した。


「Aブロックの勝者は夕暮 キリヤって人でしょ?アルトは何ブロックなの?」


「アルトさんはCブロックです!」


「そう。それなら間に合ったわね」


良かった、と胸を撫で下ろし、カイリの視線はモニターに向く。

そして、そのモニターにはグレンとスノウが映し出された。


「グレンお兄ちゃん、いたんだ」


「おっ!スノウもいるぜ!」


「これは凄い戦いになりそうね。ソロ冒険者のスノウ・クローゼルと紅蓮烈火のリーダー、グレン・アビスが同じブロックなんて。…所で、貴女達は二人と知り合いなの?」


スノウとグレンと知り合いなのかと、隣に座るルルに問いかけるとルルは答える。


「はい!お二人共、アルトさんのご友人なのです!」


「そうなんだ…」


それだけ聞き、納得したカイリは再び、モニターを見た…。





『Bブロックも強者揃いだ!まずはソロ冒険者で名を馳せている閃光の連撃、スノウ・クローゼル…。そして…ギルド"紅蓮烈火"のリーダー、灼熱の猛剣、グレン・アビスだっ‼︎』


えっと…前回もそうだったが、あの実況者、変な二つ名をつけるなぁ…。

俺も変な名で呼ばれかねないな…。


そして、その後も次々と選手達の名を叫び…Bブロックの戦いが開始された。


「よっしゃあ!行くぜぇっ!」


グレンの叫び声がモニターを通じて響く。

豪快に走り出したグレンに対し、スノウは落ち着き、ゆっくりと歩き出した。


必ずとは言わないが、グレンとスノウがぶつかり合う時は必ず来るだろう。


もしこの戦いで撃退数が同率の場合は同率同士が戦う事となる仕組みになっている。

この二人なら、そうなりかねないな。


剣に炎を纏わせ、相手の選手達を呑み込むグレン。

その豪快さに客達も大盛り上がりだ。

普通に受けたら、大火傷レベルの炎が相手の選手達を包み込み、体力がゼロとなっていく。


相手の選手達が消滅した事を確認した後、再びグレンは駆け出した…。





一方、スノウも多くの相手と相対していた。


グレンの豪快さとは裏腹に、素早くそして、鋭い彼の攻撃に相手は次々と体力をゼロにさせられ、消滅していく。


レイピアは素早く相手に突き出す俊敏力が大事だ。

…スノウはその俊敏力に長けている。


だからこそ、豪快な攻撃を得意とするグレンと俊敏力に長けたスノウの勝負は気になる所だった。





スノウとグレンの戦いをモニター越しで交互に見る俺にディムガルトは話しかけて来た。


「兄ちゃん、お前はあの二人が戦えば、どっちが勝つと思うんだ?」


グレンとスノウのどっちが勝つか、か…。

正直わからない。


「わからないな。…どっちも実力は本物だ。対称的だからこそ、どっちが勝つか何て、わからないんだ」





三十分後…結局、グレンとスノウが相対する事はなかった。

どちらも向かってくる相手を倒していた為、撃退数は確実に高い。


撃退数が表示されると…グレンもスノウも撃退数は五十と表示されていた。

まさかの同率…思っていた事が現実になった。


『何と!撃退数が同率!これにより、スノウ・クローゼル選手とグレン・アビス選手の決定戦を行います!』


実況者の宣言に客達のテンションもMAXとなっている。

まあ、制限時間がない分、これは物凄い戦いとなる事間違い無いだろう…。





用意されたフィールドにグレンとスノウは転送される。


二人共、楽しさを待ちきれない様な表情をしている。


「まさか、同率で戦う事となるとはね、グレン」


「そうか?俺はこうなるって思っていたぜ?」


笑い合う二人はまるで大親友が今から競い合う…その様な感じがした。

だが、彼等が出会うのは恐らく、今日が初めてだ。


だからこそ、お互いの手の内がわからないだろう。


「済まないが君に勝って、僕は決勝戦へいかせてもらうよ」


「いいや、決勝に上がるのは俺だ」


勝負開始のカウントダウンが始まり、二人はそれぞれの武器に手をかける。


3…。

2…。

1…。


観客達もこの戦いを早く見たいのか、カウントダウンを口にしていく。


…0。


カウントダウン終了と共に二人は一斉に地面を蹴り、突っ込んだ。

そして、剣とレイピアをぶつけ合った。


何度かぶつけ合った後、グレンの炎を纏わせた剣による振りがスノウを襲うが、彼はバックステップで回避。


さらにステップによる踏み込みを活かして、グレンに接近し、レイピアによる連撃突きを浴びせる。


素早い突きを何とか、いなしつつ、グレンは反撃の時期を伺おうとする。

しかし、グレンの攻撃をいなすスピードをスノウの連撃突きが上回り、数撃の突きを受けてしまい、グレンは急いで後方へ飛ぶ。


後方へ飛んだグレンが地面に着地すると同時に、《火柱》を発動…スノウの足元から火の柱が出現するが、スノウはこれはを回避…。


「何つースピードの攻撃しやがるんだよ、お前は…!」


体力が残っていることを確認し、息を吐いたグレンは流れてくる汗を拭う。


「君こそ…その力強さは気を緩めば、一気に体力を持っていかれそうだよ」


…素早さがある分、スノウの方が少し有利みたいだな…。


「じゃあ、俺も合わせるとするか…。《炎速》!」


グレンの両足に炎が纏われたのと同時に彼はスノウに接近する。

あまりの速さにスノウも捉える事が出来ず、炎の一振りを受けてしまう。


「グッ…⁉︎」


「次ぃっ!」


「これ以上はさせない!」


グレンのスピードに追いつく様にスノウもスピードを上げ、二人の攻撃が速度を上げ、ぶつけ合う。


あまりの速さに観客達の目で捉えられているのだろうか…?

だが、グレンまでスピードを上げる特殊技能(スペシャルスキル)を持っていたなんてな…。


二人は暫く武器をぶつけ合った後、距離を取った。

よく見れば、二人の体力は既に底をつきそうになっていた。


「ハァ…ハァ…!グレン、お互いの体力ももう限界の様だね」


「そうだな…。それなら、次で決めるとしようぜ!…《炎纏》!」


「望む所だ!《フラッシュチャージ》!」


グレンは炎を、スノウは光を身体に纏わせ、大技の体制に入った。


グレンは剣を上に翳すと、剣身に炎が纏われていき、巨大な炎の剣を形成させる。

対するスノウはレイピアを持つ腕を後ろに引くとレイピアの剣身部分に巨大な光のドリルを形成させる。


「《大・灼熱剣》!」


「《グングニル》!」


グレンは炎の剣を振り下ろし、スノウは光のドリルを突き出した。


炎の剣と光のドリルは衝突し、エネルギー同士の激突に、爆風と爆煙が起きる。

暫くして、爆煙が晴れると、そこに立っていたのは…。


「ハァ…ハァ…な、何とか勝った様だね…!」


スノウだった…。

その場にグレンがいないつまりは…。


『しょ、勝者!スノウ・クローゼル選手!』


あまりの戦いに実況者も戸惑っていたが、すぐに我を取り戻し、勝者宣言をした。

それにより、観客達からも声が上がった…。





数分後、控室にグレンとスノウが戻って来た…。


「クッソォ〜!負けちまった!」


負けた事を叫ぶグレンだが、表情は全く悔しそうではなかった。

全てを出しきれた…だからこそ、彼は悔しそうな顔をしていないのだろう。


そんな彼にスノウは手を差し出した。


「良い勝負ができて、良かったよ。グレン」


差し出された手を見て、グレンもへっ!、と笑い、彼と握手をした。


「次やったら、負けねえからな!」


グレンの言う通り、本当に次戦ったら、どっちが勝つかなんてわからないな。

握手をする二人に俺は歩み寄り、話しかけた。


「お疲れ様、二人共。良い勝負だったぜ!」


「へへっ!ありがとな、アルト!」


「次は君の番だよ、アルト」


そうだな。

此処まで来たら、情け無い姿は見せられないな!


『Cブロックの選手の皆様はお集まりください!』


係員の案内に従い、俺は控え室を後にした…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ