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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第四章 赤雷の鬼編
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封印の祠


俺とアイム、マギウスの三人は村に戻って来た。

家などは倒壊していない…。


それよりもエルは…⁉︎


「アイムお姉ちゃん!」


焦った声を上げるアイムの声を聞き、俺とマギウスはエル達の家に入るとそこにはベッドで横になり、傷だらけのメリルの姿があった。


「メリル!」


傷だらけのメリルに駆け寄る俺とアイム。

彼女は気を失っていた。


マギウスが家中を見渡すが、エルの姿はない。


「おい!エルは…⁉︎」


「…連れて…いかれました…!」


大粒の涙の流しながら、エルの母親が訴える。

遅かったか…!


「メリルさんは…エルを守る為に軍の人達や絶対終焉(ぜったいしゅうえん)の人達と戦ってくれたんです…!」


メリル…!

俺は傷つく彼女に《ヒール》をかけると彼女の傷はみるみる治癒していき、ゆっくりと目を開いた。


「ア、アルト…さん…?私は…ッ!エルさん!」


カバッ!、と音を立てて起き上がるメリル。

そんな彼女を落ち着かせるアイム。


「お、落ち着いて!メリルお姉ちゃん!」


「落ち着いてなどいられません!エルさんが…!」


エルを連れていかれた事が悔しかったんだな…。


「…軍とは魔虎牙(まこうが)軍の事か?まさか、それと暗殺ギルドが手を組んでいたとはな…。ふざけやがって!」


歯をギリリ、と鳴らしたマギウスは勢いのあまり、外へ出て行ってしまう。


「お、おい!マギウス!」


俺が制止しようとしたが、既に走り去ってしまった。


「くそッ!あのバカ…!」


兎に角、早くマギウスを追いかけないとな…!


「アルトさん…」


家を出て、マギウスを追いかけようとしていた俺をアイムが呼び止めた。


振り返った俺は見てしまう…。

悔し涙を流していたメリルの姿を…。


「私は…エルさんを守れなかった…!悔しいです…!私は…やはり、無能なんです…!」


苦痛の表情を浮かべながら、叫ぶメリル。

敵に敗れ、守りたい人を目の前で連れて行かれた彼女の悔しさは俺にもわかる。


「アルトさん…絶対終焉(ぜったいしゅうえん)のリーダーは依頼してきたあの男の人です…」


…やはり、あの男には裏があったか…!

見抜けなかった俺の失態だ!


「…すまなかった、メリル。俺の失態でお前を傷つけてしまった…」


メリルの手を握った俺は彼女に謝る。


「そ、そんな…!アルトさんが謝る事では…!」


「いいや!今回は俺が奴の口車に乗せられたからだ。…だから、ケジメをつけてくる」


握る手を離した俺は彼女の頭を撫でた。


「アルトさん…」


「そんでお前の仇も取ってくる…。俺の大切な存在を傷つけたアイツだけは許さない!」


メリルを安心させた俺はアイムに視線を移す。


「アイム、メリルを頼んだぞ」


「任せて」


アイムの頭も撫で、俺はマギウスの後を追いかける。

家を出た俺はコンディションブレスで祠の場所を確認し、足を進める。


森に入った所で俺は《ファングウルフ》の大軍に囲まれてしまう。


「チッ…!邪魔すんな!」


リボルバーガンを発砲し、奴等を撃ち抜いていくが、一向に数が減らない。

早くマギウスを追いかけねえとならないのに…!


すると、俺の背後から銃撃が放たれ、目の前にいた数体の《ファングウルフ》達は着弾する。


何事かと背後を振り返ると白銀の髪に黒い瞳の男がいた。

見たところ、俺と同じ年齢だが…。


銃を構え続けている男はゆっくりと俺達の下へ歩み寄る。


俺や《ファングウルフ》達は警戒するが、男はニヤリ、と笑い、俺に話しかけて来た。


「おい。この犬どもは俺に任せて、お前は祠って場所に行け」


何と、変わりに戦ってくれると言い出した。

だが、不審に思っている。


「何故、俺が祠へ向かっている事を知っている?お前、何者だ?」


問いただしていると男は呆れた様に深い溜息を吐く。


「…俺の事なんて、どうだっていいだろうが…。早く行かねえと取り返しのつかない事になるぞ」


…確かに。

このままではマギウスやエル達の生命も危ない…。

頼るしか、ないか…。


「…わかった。誰だか知らないが、頼んだぞ」


この場を男に任せ、俺は走り去った。

森の中へと消えていく俺を確認した男…夕暮 キリヤは視線を《ファングウルフ》達に戻す。


戦闘態勢に入った様に《ファングウルフ》達は唸り声を上げる。


「おーおー。一丁前に唸るじゃねえか…。だが、耳障りなんだよ…その声がな!」


ニヤリ、と笑いながら叫んだキリヤの背に黒き翼が出現し、真っ暗な闇が《ファングウルフ》達を包み、闇が消えるとそこにいたはずの《ファングウルフ》達の姿が跡形もなくなっていた。


「チッ…やはり、犬っころじゃ腹の足しにもならねえな…」


鼻で笑いながら、愚痴を漏らすキリヤは俺が立ち去った方向を見る。


「さて…とっととあの小言女神の所に戻らねえとまた説教されちまうな…」


そう呟き、キリヤはその場を飛び去った…。







マギウスは一人、祠の場所まで到達する。

そこで彼が見たモノは祠の前に十字架で拘束され、気を失っているエルの姿だった。


「エル!」


マギウスが彼女を助けようと走り出したが、そこへシャルルと軍の兵士達が彼の進行を阻む様に現れる。


「テメェがエルやメリルを…!」


全ての元凶であるシャルルをマギウスは睨みつける。

鉄の手袋を身に付け、拳を握る。


「よう、鬼族の生き残り…。そっちから来てくれて助かったぜ。漸く邪魔者を消せるからな!行け、お前等!」


シャルルの命で軍の兵士達は一斉にマギウスに襲いかかる。


「テメェ等の相手してる暇はねえんだよ!」


そう叫びながら、拳に赤雷を纏わせ、電撃を起こし、兵士達を吹き飛ばした。

それでも尚、後方に控えていた兵士達はマギウスに攻撃を仕掛けるが、マギウスはそれを薙ぎ払っていく。


吹き飛んでいく兵士達を見て、シャルルは溜息を吐いた。


「所詮、軍と言えど雑魚は雑魚か…。仕方ない」


懐から〈モンスタードラッグ〉を飲み込み、《トカゲファイター》に変化した。


『本当の拳ってのを…教えてやるよ!』


勢い良く踏み込み、マギウスに接近すると、強力な左ストレートを撃ち込まれる。

咄嗟の事で避ける事ができず、マギウスは何とか攻撃を受け止めた。


だが、すぐに右フックで頬を殴られ、顔面を蹴られる。


軽く吹き飛び、地面を転がったマギウスはバックステップで《トカゲファイター》から距離を取る。


『この程度かよ?赤雷の拳ってのはよ!』


「銚子にのんじゃねえ!《エレキスマッシュ》!」


赤雷の光弾を放ったマギウスに対し、《トカゲファイター》も光弾を放ち、二つの光弾は激突し、爆煙が立ち込める。


グッと、視界を阻む煙を見続けていると煙の中から《トカゲファイター》が飛び出して来て、飛び蹴りを浴びせられ、マギウスは後方へ大きく吹き飛ばされる。


地面に叩きつけられ、マギウスは《トカゲファイター》を睨みつける。


『村を襲った偽りの汚名を背負ったまま死ね!』


飛び上がり、マギウスにトドメの一撃を与えようとした《トカゲファイター》…。

それに対し、マギウスは身構えるが、そんな彼等の間に何者かが現れ、《トカゲファイター》を吹き飛ばした。


地面に激突した《トカゲファイター》を見つつ、奴を吹き飛ばした者を見るマギウス。


「何とか間に合った様だな…」


そう、俺…麻生 アルトだ!


「アルト!」


「待たせたな!此処から俺も加えてもらうぜ!」


駆けつけた俺は《トカゲファイター》を睨みつけた…。


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