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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第二章 技能複写編
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連合チームVSモンスター軍


 俺達がダンジョン攻略中の頃にまで話を戻そう。


 俺達が《トリケラタックル》討伐クエストの途中で音信不通となってしまったのを心配し、ルルさんはガルナにその事を伝えた。


「本当に…彼等、何処にいるのよ…?ヴェイグさん達にも捜索を依頼したけど…」


 俺達が《トリケラタックル》と戦ったカインの森でガルナはモンスターを倒しつつ、俺達を探していた。


 暫く歩いていると、ガルナはあるダンジョンの入口を発見する。


「これは…ダンジョンの入口…?」


 この様なダンジョンがあると言う情報を知らなかったガルナは興味を隠す事が出来ず、中に入ろうとしたが…。


「ガルナ・シリング殿ですね?」


 不意に騎士の鎧を着た男に話しかけられ、ガルナは振り返る。


「そうだけど…騎士が私に何の用なの?」


「ヴェイグ隊長が貴方にお話があると、お呼びに参りました」


 ヴェイグさんが…? と少し考えたガルナは相手の騎士の男に従い、共にイズルリの街へ戻り、冒険者支援施設に入った。


 すると、中では複数の騎士団と冒険者が険しい表情を浮かべていた。


 ただ事ではないと、ガルナも気を引き締めながら、集団の中心にいたヴェイグに話しかけた。


「ヴェイグさん、何かあったの?」


「あぁ、ガルナさん。よく来てくれたね。…実は今、隣町のシーリン町にモンスターの軍勢が向かっているんだ」


 それを聞いて、ガルナは驚きを隠す事ができず、表情を険しくさせる。


「モンスターの数は⁉︎」


「調査隊の話では多くて五百ちょっとの様だ」


 多すぎると、口にし、今現在のこちらの戦力を聞くと、こちらは騎士団と冒険者を合わせても数十人だと話された。


 戦力差では、敵わないと策を考えようとする。


「町の人達の避難は?」


「既に完了している」


「…だったら、町の前で迎え撃たずに町中で戦った方がいいわね」


 町の前で戦ったとしても抜けられる、とガルナは考え、ヴェイグもその提案に頷く。


「すまない。君達、冒険者にも手を貸してもらう事になるとは…」


「何言っているのよ。私達は同じ人間でしょう? 軍が頼りにならないんじゃ、私達が戦わないとダメでしょう?」


「そうだそうだ!」


「それに此処で騎士様を助けていれば、報酬が手に入る!」


 ガルナが微笑みながら、言うと他の冒険者達も声を上げる。

 冒険者達の答えを聞き、ヴェイグはフッ、と笑う。


「…感謝する。勇敢な冒険者達よ…行こう!」


 こうして、騎士団と冒険者の連合チームはシーリンの町へ向かった…。

 その途中の馬車でヴェイグはある事をガルナに問う。


「ガルナさん、アルト達の行方は?」


「…わからないわ。…もう一週間になるのに…何処行ったのよ…」


俯くガルナ…。

そんな彼女の肩にヴェイグは手を置き、励まそうと口を開いた。


「大丈夫だよ! 彼は相当タフな男だ。必ず…無事に帰ってくるさ」


 笑顔で話すヴェイグの顔を見て、ガルナもクスリ、と笑い頷いた。



 その後、連合チームはシーリンの町に着き、戦闘態勢を整える。

 既に夜明け前で、緊迫の空気が町中を包んだ。


 そして、陽が昇ったのと同時に…モンスターの軍勢が見えた。


「来たぞ!」


 騎士大隊長のルーク・ヴォルンドさんの叫びでその場にいる全員は武器を握り締める。次の瞬間、モンスターの軍勢は雄叫びを上げながら、町へ向けて一斉に突っ込んで来た。


 町に入ったのを確認し、ルーク・ヴォルンドさんは声を上げる。


「迎え撃て!」


 数十人の連合チーム対五百体程のモンスターの軍勢。明らかに戦力差があり過ぎる絶望的な戦いが始まった。


 ヴェイグ、ガルナ、ルーク・ヴォルンドさんは先陣を切り、モンスター達をなぎ倒して行く。

 それに続き、他の冒険者や騎士達も奮闘する。


 だが、徐々に連合軍が押され始めていく。


「陣形を崩すな! 此処が正念場だぞ!」


 ルーク・ヴォルンドさんが皆の士気を保とうと叫ぶ。


「でも、このままでは…!」


 長期戦になれば、確実に負けるとヴェイグは歯を食いしばる。


「諦めない…! こんな時アルト君なら、絶対に諦めないわ!」


 大型ランスを構え、モンスター達を倒していく。


 しかし、ゴリラのモンスター《ストロングコング》に攻撃を受け止められ、殴り飛ばされてしまう。


「ぐうっ!」


 吹き飛ばされたガルナは地面に叩きつけられる。


「ガルナさん!」


 ダメージを受けたガルナを守る様に立ち塞がるヴェイグ。


 しかし、そんな彼等に複数のモンスターがジリジリと迫る。


「どうすれば…!」


 今のこの状況をどう切り抜けるか、そう考えていると…上空から何かが落下した。


 立ち込める土煙の中、新たな敵襲かとヴェイグ達は警戒する。


 しかし、土煙が晴れ、現れた人物の姿を見て、驚愕の表情を浮かべる。


「待たせたな! …此処からは俺達も手を貸すぜ!」


 俺…麻生 アルトはエンゼッターをモンスター達に向けた…。


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