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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第二章 技能複写編
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能力確認


 《サイクロプス》を倒し、喜びの声を上げていると、硬く閉ざされていた扉が開いた。


 ようやく出られる、と息を吐き、立ち上がろうとしたその時だった。


「アルトさん!」


 妖精から人間の姿に戻っていたメリルが目元に涙を浮かべながら、部屋に入って来た。そして、勢い良く、駆け出し…。


「おあっ⁉︎」


 俺にダイブして、抱きついてきた。その勢いに俺は地面に倒され、頭をゴツン、と打った。


 俺を押し倒したメリルは何度も俺の名前を連呼する。…あの扉の向こうで俺を心配してくれていたみたいだな…。


「あ〜、心配かけて悪かったな、メリル。俺はもう大丈夫だ」


 未だに泣く事をやめないメリルの頭を撫でながら、彼女を宥める。その後、彼女を落ち着かせた俺はこの部屋で起こった事を全て話した。


 《サイクロプス》の事…。

 新たな力、技能複写(スキルコピー)を手に入れた事など、全てだ。


技能複写(スキルコピー)…? その様な技能(スキル)は聞いた事ありませんが…」


「変な声が聞こえてきて、俺の力を与えたんだよ」


 変な声…、とメリルは考えだす。しかし、考えが纏まらず、俺に視線を戻した。


技能複写(スキルコピー)とはどの様な技能(スキル)なのですか?」


「その名の通り、相手や物の技能(スキル)複写コピー出来るんだ」


 物は試し…と。

 俺は近くにあった岩を見つけ、手を翳して、技能複写(スキルコピー)を発動する。


 岩から複数の光が出現、毒沼の時と同様、その光は俺の中にへと入り、頭の中に文字が刻まれた。



特殊技能(スペシャルスキル)《石化無効》 《石化》を獲得〉


技能(スキル)《ロックブラスト》 《ロックスラッシュ》 《ストーンウォール》《ストーンドーム》を獲得〉


 …ん?

 特殊技能(スペシャルスキル)に矛盾が生じているぞ。石化無効なのに石化とはどういう事だ?


 試しに《石化》を発動すると、俺は石化する。

 うん…息もできるし、苦しくもない。


「っと、まあ…これが技能複写(スキルコピー)だ」


 石化を解除する。すると、目の前のメリルは何故か目をキラキラ、と輝かせる。


「す…凄いです! 格好いいです! 私にも試してみてください!」


 そういえば、生き物に対しては試してなかったな。


 技能複写(スキルコピー)を発動し、メリルの技能(スキル)複写コピーしようとした…。

 だが…。


「ん? あれ…?」


 文字が浮かび上がって来ない…?

 その後も何度か試したが、新たに技能(スキル)を獲得する事はなかった。


「ダメだ…」


「使用回数があるのでしょうか?」


 使用回数か…。

 取り敢えず、俺達はこの部屋から出る…と。マングースの様なモンスターが襲い掛かってきた。


「《サンダーマングース》か!」


 モンスターに対してはどうだ…?

 《サンダーマングース》に対して、技能複写(スキルコピー)を発動したが、またもや文字は頭の中に浮かんで来なかった。


 やはり、メリルの言葉通り、使用回数があるのか…?

 そんな事を考えていると、《サンダーマングース》は電撃を浴びせてくる。


 俺は石化で電撃を防ぎ、リボルバーガンを構え、最後の一発の弾丸を発射した。


 勿論、技能(スキル)《ロックブラスト》を発動してだ。

 銃弾は鉄の塊となり、《サンダーマングース》に着弾、そのまま《サンダーマングース》は絶命する。


 経験値を得た俺はもう一度、技能複写(スキルコピー)を発動する。すると、頭に文字が刻まれた。




特殊技能(スペシャルスキル)《電撃付与》 《麻痺無効化》を獲得〉


技能(スキル)《サンダーナックル》 《サンダースラッシュ》 《サンダーブラスト》《サンダーボルト》を獲得〉




 …獲得できた…?


「今度は獲得できたぞ」


「ど、どう言う事なのでしょうか…?」


「わからない。兎に角、先に進むぞ」


 俺達は階層を突き進む。勿論、モンスターはゾロゾロ、と現れ襲いかかって来るが、メリルの援護も受け、倒していく。



 そして、第50層にまで到達する。


 ここまで技能複写(スキルコピー)を検証してみて分かった事は…。

・生きているモノには使用できない。

・恐らく、使用制限はない。

・同じ様な技能(スキル)を持つモノからは、得る事はない。

 …これぐらいだ。


 この第50層にまで到達して、得られた技能(スキル)は《ヒール》《バリア》《俊足》《クイックジャンプ》だ。


 《俊足》は素早さが上昇し、《クイックジャンプ》は一気に相手へ詰め寄る事のできる技能(スキル)だ。


 第51層へ繋がる階段…その目の前にカウボーイの帽子を深々と被ったモンスターがいた。


 《マグナムキラー》…。

 二丁のマグナムで狙った獲物を必ず殺すガンマンのモンスターだ。


 腕をクロスさせ、《マグナムキラー》は俺達を睨み…その二丁のマグナムを連射してきた。


 《バリア》を発動し、連弾を防ぐ。

 俺の背後にいたメリルは跳躍し、俺を飛び越えると《ファイアボール》で《マグナムキラー》に攻撃を仕掛ける。


 だが、その《ファイアボール》を避けながらも、奴はマグナムの連射をやめない。


 撃ちながら避ける…器用な奴だな。

 …だったら…!


 俺は手を翳すと頭上に雷雲を形成する。後は準備を…。


 だがそこで《マグナムキラー》が新たな動きを見せる。


 次々に分身して、俺とメリルを取り囲んだ。そして、複数の《マグナムキラー》は一斉に連射した。


 その一斉発射にバリアでは防げないと思い、俺は《ストーンドーム》を発動し、岩のドームが俺とメリルを覆った。


 岩のドームが一斉発射による攻撃を防いでいく。


「アルトさん…これからどうするのですか?」


「安心しろ。もう準備出来ているからよ」


 フフ、と得意げに笑った俺は静かに呟く。


「《サンダーボルト》!」


 ドームの音で落雷が落ちる音が聞こえ、辺りに地響きが起こった。


「え、えっ⁉︎ 何が起こったんですか⁉︎」


 突然の地響きに大いに戸惑うメリルだが、それに俺はニカッと笑う。

 何が起こったのかを見せるために、ドームを解除すると周りにいたはずの《マグナムキラー》の分身は消え去り、本体は感電し、絶命していた。


「《サンダーボルト》…。強力な技能(スキル)だな」


 《サンダーボルト》の強力さを見にしめながら、俺は《マグナムキラー》に技能複写(スキルコピー)を発動し、頭の中に文字が刻まれた。




特殊技能(スペシャルスキル)《狙撃》 《銃弾無制限》《分身》を獲得〉


技能(スキル)《ディメンションバレット》 《ツインバレット》 《バレットミサイル》を獲得〉


 《狙撃》に《分身》…それから、《銃弾無制限》、か…。

ん…?


「《銃弾無制限》⁉︎」


 おいおい…どんなチートだよ…⁉︎

 驚く俺をメリルがジト目で睨んでくる。


「な、何だよ?」


「チートは嫌いです」


「女神のお前が何言ってやがる⁉︎」


 俺のツッコミがダンジョン内に響き渡る…。

 俺とメリルは言い合いを続けながら、次の階層への階段を進んだ…。


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[気になる点] 毒沼の白骨遺体のスキルが気になります。
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