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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第八章 聖ミリアルド女学園編
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ダンジョン攻略


 アイム達とスパイク・ボールを楽しんでいた俺達の前にグレンとカイリが現れた。


 どうしてこの二人が…?


「何で、お前等がここに?」


「それはこっちの台詞だぜ。俺とカイリは此処の近くのダンジョンに挑もうと思って来たんだ。俺はレベル上げ、カイリは報酬目当てで」


「ちっがうわよ! 情報目当て、よ!」


 いや、カイリなら報酬目当てだろうな…。


「カイリ、お前…」


「違うって、言っているでしょ⁉︎」


 ムキになった図星と見られてもおかしくないぞ、カイリ。


「グレンお兄ちゃん、カイリお姉ちゃん久しぶり!」


「おう、アイム!」


「元気そうね!」


 トコトコ、とグレン達の下に駆け寄ったアイムは二人に挨拶をする。

 そんなアイムの頭をカイリが優しく撫でる。それが心地良かったのか、アイムは和んでいる。


 何故、ガルナから逃げて、カイリには懐くんだ…? あぁ、ガルナは積極的過ぎて人見知りのアイムは苦手としていたんだったな。

 だがそこで俺は忘れてしまっていた…俺達の正体を知るスズカやアレイナは兎も角、事情を知らないシャッティ達が困惑していた事に…。


「…所で、他のギル…「だあああああっ⁉︎」…な、何だ何だ⁉︎」


 いきなりぶっ込みやがったよ⁉︎ 言われたくなかった事いきなり言ってきやがったよ⁉︎

 グレンが言葉にする前に彼とカイリを連れ、シャッティ達に聞こえない所まで移動し、事の事情を話した。


「…つまり、騎士団の依頼で行方不明事件の犯人を捕らえる為に聖ミリアルド女学園の生徒として潜入しているって事か」


「任務とはいえ、女の子の花園に行く事になるなんて災難ね」


「…何とでも言いやがれ」


 花園とか言われると変な目で見られるから、本当にやめてくれ。


「何人かには正体を知られている状態だが、まだ知らない子達がいるから出来るだけ伏せてくれ」


「わかった。じゃあ適当に幼馴染って事にしておくか」


「そうね」


 話が終わり、俺達はアイム達の元へ戻る。


「悪いな、少し大事な話があったんだ」


「あの…お兄さん? この人達は…?」


「あぁ、コイツ等は幼馴染の…」


 シャッティにグレン達の事を質問されたので紹介しようとすると、まずはカイリが名乗り出した。


「私はカイリ・シリング。情報屋をしているわ。アルトとは幼馴染よ」


「俺はグレン…「グレン・アビスさんですよね⁉︎ ギルド、紅蓮烈火のギルドリーダーの!」…おっ、おう⁉︎」


 カイリの次にグレンが名乗り出そうとしたが、何故か、テンションが上がったマリルがグレンに詰め寄る。


「マ、マリル…?」


 あまりのテンションの高さに俺達は驚くが、そんな事も構わずマリルは続ける。


「私、マリル・クラウスと言います! 私、グレンさんの大ファンなんです!」


 グレンの…大ファンだと…⁉︎

 物好きな奴もいたモノだ…。


「お、俺のファン⁉︎ そ、そうか! マリル…だったな? ありがとな!」


 グレンに握手をしてもらって、マリルは顔を真っ赤にしている。


「そういえばマリルがグレンさんのファンだと言う事、忘れていたわ」


「マリっち、可愛い〜」


 グレンと握手をした後、マリルは俺の肩を力強く掴み、揺らしてきた。


「アルト君! どうしてグレンさんと知り合いって事言わなかったの! 言ってくれれば沢山話を聞けたのに!」


「い、いや、知らなかったし…! 会えるとも思っていなかったから仕方ないだろ⁉︎」


 何で俺が悪者みたいになるんだよ…!

 掴んでくるマリルの手を離し、俺は息を吐く。


「と、所でグレンさん達はダンジョンに向かうのですよね⁉︎」


「そ、そうだが…?」


 …嫌な予感がする…。


「お願いします! 勉強の為に私も同行させてください!」


 嫌な予感が当たっちまったよ!


「それはダメだ! 危険過ぎる!」


「お願いします!」


 流石に危険だと判断し、グレンは止めようとしたが、聞く耳を持たない。


「マリルが行くなら私も!」


「お願い〜!」


 カナリアとフェルトも行くと言い出した…。コレは面倒な状態だな…。


「アイムさん…」


「その…」


「…シャッティ達も行きたいの?」


 トドメを刺すようにシャッティ、ノーウェル、エアルも行きたいと言い出した。

 アイムは助けを求めるような視線をこちらに向けてくる。


「…あのな、お前等…。グレン達の行くダンジョンが安全なモノとは限らないんだぞ?」


「…だからです! 私達はいずれ、危険な事件やダンジョンに関わる事になります! だから、此処で学んでおきたいんです!」


 マリル…。


「お願いします! お邪魔は絶対にしません! だから…!」


「…ハァ。わかったよ」


 グレン…⁉︎


「グレンお前…!」


「…お前の言いたい事もわかるぜ、アルト。…でも、彼女の覚悟は本物だ。他の奴等もな。約束する、俺が必ず彼女達を守るからよ」


 グレンの真剣な眼差しに俺は少し、推され息を吐いた。


「…ったく、そこまで言われたら、断る事なんてできねえじゃねえか。その代わり、俺とアイム、スズカとアレイナも行くからな。それから、危険な事があったら、逃げる…いいな?」


「…うん!」


 パァっと、笑顔になったマリルは頷く。


「じゃあ、早速行きましょう」


 カイリの案内で俺達はその目的のダンジョンに辿り着いた。


「此処か…。よし、みんな! 張り切って行こうぜ!」


「おー!」


 グレンと一緒にダンジョン攻略を出来て嬉しそうだな、マリルのやつ。

 ダンジョンの中へと入った俺達は奥にへと進み始める。


「来たぞ!」


 進み始めたと同時に複数のカエルのモンスター…《ウィップケロッグ》が襲いかかってくるが俺とグレン、カイリがその相手をする。


 一応、アレイナとスズカ、アイムにはマリル達を守りながら戦ってもらっている。

 まあ、マリルはずっとグレンの戦う姿を見て、喜びの声を上げているが…。


 《ウィップケロッグ》を全て倒し終えた俺達は息を吐く。


「ふぅ…」


「案外歯応えがねえな」


「あら? ずいぶん格好つけるのね? ファンの子がいるからかしら?」


「な、何言ってんだよ⁉︎」


 揶揄うように呟くカイリに顔を赤くしてグレンは怒鳴る。

 図星かよ、グレン。


「おいおい…グレンも可愛い所あるじゃねえかよ!」


「アルト、テメェな!」


 ダンジョン内でこの様なやり取りをしている為、アレイナ達はポカン、としている。


「ア、アルト君って…前回の時もそうだったけど、強いんだね」


「そうだね〜!」


「お兄さん…格好いい!」


 …あれ? なんか俺の事も言われてる?


「あらあら? アルトの方も結構なファンがいるのね?」


「ファンというか、クラスメイトと後輩だ」


 揶揄いに乗るほど俺は甘くねえぞ、カイリ。

 そんなこんなあり、俺達は最深部に着いた…。



「此処が最深部か…。ん? あれは…?」


 岩に生えている花を見つけ、駆け寄った俺はコンディションブレスを翳すと名前が出てきた。


「《ヒールフラワー》…。高値の治癒ポーションを作成できる花だな」


「見た所、ボスもいないみたいだし、《ヒールフラワー》だけ取って帰るか!」


 頷き合った俺とグレンは《ヒールフラワー》を全て取り、最深部から出ようとしたその時だった…。


『キエエエエエッ‼︎』


 化物の雄叫びが聞こえたと同時に小さな蜥蜴の様なモンスターがグレンに飛びかかっていた。


「グレン!」


 アイツは寄生型モンスターの《ゲリア》…⁉︎マズイ、グレンが…!


 ブレッターを構え、グレンに接近する《ゲリア》に銃口を向けるが、間に合わない…!


 だが…。

 何かが空気を切る様に《ゲリア》に向かって放たれた。

 あれは…矢…⁉︎ 俺は驚きつつも矢を放った者を見ると目を見開いてしまう。


「マリル…⁉︎」


 そこには弓を構えていたマリルの姿があった。彼女の放った矢はグレンに襲いかかった《ゲリア》を貫き、そのまま奴は消滅した…。


「グレンさん、ご無事ですか⁉︎」


 マリルがグレンに駆け寄るとグレンも驚いた顔でマリルを見る。


「マリル…今のはお前が…?」


「は、はい…。恥ずかしながら、弓の扱いには自信があったのです…」


 それを聞いて、グレンはマリルの肩を掴み、彼女はひゃあっ⁉︎、と声を上げた。


「ありがとな、マリル! ホントに助かったぜ!」


「あ、あの…えっと…!」


 グレンの顔が近い事にマリルは顔を真っ赤にしていた。そんな二人を見て、笑い合いながらも俺達はダンジョンから出た。


「それにしてもマリル、ファインプレーだったね!」


「弓使いをやってる分、索敵が得意だから…」


 へえ…マリルは冒険者や騎士になっても十分にやっていけそうだな。


「なあ、マリル?」


「何でしょう?」


「学園を卒業したらよ…。良ければウチのギルドに入らないか?」


 まさかの勧誘かよ…⁉︎


「も、勿論嫌なら構わないけどよ!」


「どうして私を…?」


 本当ならば大好きなグレンに誘われた事で喜びあうはずの彼女だが、今は冷静に勧誘理由を尋ねていた。


「一番は生命の恩人…って理由があるけど…。何よりお前の弓の腕に惹かれたんだよ。恥ずかしながら、俺達のギルドは文字通り猪突猛進で遠距離に回れる奴がいないんだ」


「そうですか…」


 グレンから理由を聞いて、マリルは俯いた。そして、顔を上げると彼女はニコリ、と笑みを浮かべた。


「こちらこそ…よろしくお願いします!」


 嬉しそうな笑みを浮かべたマリルとグレンは手を握った。

 コレでいずれ紅蓮烈火ももっと強いギルドになりそうだな…。


「アルトー!」


 ん…? ヴェイグが走って来た…?


「ヴェ…クルス先生! どうかしたんですか?」


「それよりもどうして此処に?」


 危ねえ…ヴェイグって呼びそうになった。


 アイムがこの場にヴェイグがいる事を尋ねるとヴェイグの視線はグレンとカイリに向く。


「やあ、グレンとカイリさん! ちょうど良かったよ! …実は大事な話があるんだ」


 大事な話…俺たちの事を知らないマリル達には待ってもらい、俺達はヴェイグの話を聞く事にした。


「話って何ですか?」


「…我々が学園にいる理由は知っているね?」


「行方不明事件の犯人を捕まえる為だろ?」


 まさか、ヴェイグ…。

 グレン達を…!


「そうだ。そして、君達二人に頼みたい。…アルトと共に学園の生徒として、通って欲しいんだ」


 …やっぱりな。


「え…?」


「「は…はああぁぁぁっ⁉︎」」


 驚いて当然のグレンとカイリの叫びが辺りに響いたのだった…。


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