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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第八章 聖ミリアルド女学園編
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キノコ探し


 俺とスズカはみんなと合流した後、《スライムソルジャー》の事を話した。


「《スライムソルジャー》に襲われた⁉︎」


「ああ。どうやら、アレイナを《スライムソルジャー》に変えた犯人と一連の行方不明者事件の犯人は同一人物の様だ」


 コレで少しでも何か、犯人の事がわかればいいが…。


「それよりもシャーネルさん、隙を突かれそうになったんでしょ⁉︎ 怪我はない⁉︎」


「心配してくれてありがとう、リングベルトさん。私は大丈夫よ」


 スズカが無事と知り、胸を撫で下ろすアレイナ。

 本当に誰かを大切に思う様になったんだな。


「ごめんね、アルト君…。足を引っ張って…」


「気にしてないから大丈夫だ」


 心配するな、と俺が慰めているとヴィーシャ先生が何か思い出したかの様に口を開く。


「無事で良かったわ、シャーネルさん。最速太刀使いって言われているからって無茶はしないでね?」


「ちょっ…! 先生! それは言わない約束だったじゃないですか!」


 最速太刀使い…?


「何なんですか、それ?」


「アルト君が知らなくていいの!」


 すごい剣幕で怒られたんだが…。


「この学園をテロリストから守った時につけられたシャーネルさんの名前よ。凄まじい速さで太刀を振るうから最速太刀使いよ」


 へえ…。


「最速太刀使いね…」


 俺は小馬鹿にする様な笑みを浮かべ、スズカを見る。

 すると、彼女は太刀を鞘から引き抜き、表情を無に変え、剣身を俺の首元に当てた。


「バカにするくらいなら受けてみる…? どれだけ速いかその身で知れるわよ?」


「え、遠慮しておきます…」


 ヤバイ…スズカの奴…本気で殺す気満々だ。


「わかればよろしい」


 息を吐きつつ、太刀を鞘へ戻した。


「よし、今日はもう解散にしましょう。皆さんも明日の準備がありますしね」


 ヴェイグの言葉にみんなは頷き、ヴェイグ達教師陣は職員室へ、アイムはクラスメイトと遊びに行くと戻っていった。


 俺はというと…。


「ねえ、アルト。ちょっと付き合ってもらいたい所があるんだけど」


「ん? 別に構わないが…」


 突然、アレイナについてきて欲しいと言われ、断る必要もなく俺は肯定する。


「じゃあ、お邪魔じゃなかったら私も行っていいかしら?」


「良いわよ、シャーネルさん」


 俺、アレイナ、スズカの三人は学園から出て、森の中に入った。


「それで…リングベルトさん? 来たかったのはこの森なの?」


「そうよ。この森に生えてる〈エネルギッシュマッシュルーム〉がどうしても欲しいの」


 〈エネルギッシュマッシュルーム〉…?


「一つ食べればたちまち元気になるあのキノコね」


「年月が経つ程旨味が凝縮されていく高級食材よ」


 カイリが聞くと飛びつきそうなキノコだな。


「そのキノコで鍋を作りたくて…勿論、お礼はするわ!」


「了解だ。じゃあ、あるだけキノコを持って帰るとするか」


 俺達は手分けして〈エネルギッシュマッシュルーム〉の捜索を開始した…。


 〈エネルギッシュマッシュルーム〉を見た事がない俺はコンディションブレスに写してもらった写真を頼りに探していた。

 キノコには似た様な種類があって、中には毒キノコも存在するから気を付けて探さないといけない。


「お? あった」


 木の足下に二つキノコが生えていたのでそれを手に取ってコンディションブレスを翳す。

 すると、コンディションブレスからモニターが出現し、目の前のキノコが本物の《エネルギッシュマッシュルーム》だとわかった。


「こうなるとコンディションブレスって、本当に便利だな…」


 そう思いながらも《エネルギッシュマッシュルーム》を探し続ける。

 草木も分けながらキノコを取り続ける俺…。


 数十分が経ち、そろそろアレイナ達と合流しようかと考えていた時だった。


「な、何だ⁉︎」


 突然、ドゴォン!、という大きな音が鳴り、周りの木々が激しく揺れる。

 コレは…何かあったな絶対…!


 激しい音がした場所に向かうと既にアレイナとスズカが鎌と太刀を構えていた。


「アレイナ! スズカ! 何があった⁉︎」


 彼女達の隣に立つと見てしまう…目の前を覆う様な巨大な何かを…。

 嫌…こんなやつがいるのか…?


「お、おい…何の冗談だコレは…?」


 目の前にいる巨大な存在に俺は絶句してしまう。

 何故ならその巨大な存在というのは…。


「なんつーデカイキノコだよ⁉︎」


『ダァァァァゲェェェェェェッ‼︎』


「そして、今、鳴き声を発したよな⁉︎」


 え⁉︎ このキノコ生きているのか⁉︎


「なあ、二人とも⁉︎ このキノコ生き物なのか⁉︎」


「何を言っているの、アルト君?」


「アレは《ダケダケ》…。れっきとしたキノコのモンスターよ」


 《ダケダケ》って…可愛い名前だな。


「そして、《ダケダケ》は相手の身体にキノコを生やす胞子を発するのよ」


「いや、そういう危険な事は先に言えよ⁉︎」


 すると、スズカの言葉通り、《ダケダケ》は金色の胞子を放ってくる。

 俺達は跳躍で、胞子を避けた後、《ダケダケ》を倒す為に突っ込んだ。


 《ダケダケ》は辺りから複数のツルを出現させて、突っ込む俺達に向けて鞭の様に殴りつけてきた。


「《ファイアスラッシュ》!」


 向かってくるツルを《ファイアスラッシュ》で斬り裂いていく。

 スズカとアレイナもそれぞれ鞭を斬り落としていく。


「アルト君!」


「ああ! 牽制は任せろ! 《ファイアボール》!」


 《ダケダケ》の隙を突く為、《ファイアボール》を放ち、直撃させる。攻撃を受けた《ダケダケ》の攻撃が止んだ。


「今だ…! 《俊足》!」


 《俊足》を発動し、奴の懐にまで移動した俺はエンゼッターの剣身に電撃を纏わせ、《サンダースラッシュ》で《ダケダケ》を大きく斬り裂いた…。


『ダケェェェェェッ‼︎』


 苦痛の雄叫びをあげながら、《サンダースラッシュ》の電撃で感電した《ダケダケ》はそのまま絶命した…。


「ふう…」


 絶命した《ダケダケ》を確認し、息を吐いた俺の下にアレイナとスズカが歩み寄ってきた。


「アルト君、お疲れ様」


「流石は無職(ジョブ無し)冒険者ね」


「アレイナ、皮肉にしか聞こえないぞ」


 いい加減その名前は解明して欲しい所だぜ…。


「所で二人の方はキノコ集めどうなったんだ?」


「私は結構の数を集めたわ」


「私もよ!」


 袋いっぱいに入っている《エネルギッシュマッシュルーム》を見て、目的を達成したと思った。


「じゃあ帰るか。…っと、その前に…」


 技能複写(スキルコピー)を使っとかないとな。


「スズカ、俺は技能複写(スキルコピー)を使うが…お前はどうする?」


「うーん…やるわ。相手の身体にキノコを生やす事のできる技能(スキル)が手に入るかも知れないしね」


 怖い事言うなよ…。


「じゃあ、レディファーストとしてお前から…」


 先に技能拝借(スキルブローウィング)を使ってもらおうと《ダケダケ》の方へ振り返った所で言葉を止めてしまう。


 何故なら…何処かから小さなカプセルが投げ飛ばされ、絶命している《ダケダケ》の口の中にへと入った…。


「今のは…まさか、〈モンスタードラッグ〉か…⁉︎」


 《ダケダケ》の口の中に入ったのが〈モンスタードラッグ〉に見えた俺は思わず、驚きの声をあげてしまう。

 この場に…魔虎牙(まこうが)軍が…⁉︎


 すると、《ダケダケ》の死体に異変が起きた。二度と開かれるはずのない目が勢い良く開かれ、キノコの傘部分にいくつもの木の枝が生えだしたのだ…。


「嘘っ…⁉︎」


「こんな事って…!」


 死んだはずのモンスターが復活したなんて…こんな事が…!

 コレも…〈モンスタードラッグ〉の力なのか…⁉︎


『グガアアアアッ‼︎』


 〈モンスタードラッグ〉の影響で強化された《ダケダケ》は怒りで俺達に向けて、衝撃波並みの威力のある雄叫びを上げたのだった…。


「最悪の展開かもな…コレは…!」


 頬に汗を流しながら、エンゼッターを再び握り締めた…。


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