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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第八章 聖ミリアルド女学園編
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犯人


 アレイナと共に昼食を食べ終えた後、教室に戻り、午後の授業を受けた。

 クラスメイト達も積極的にアレイナと関わる中で、彼女もクラスメイトのみんなに勉強を教えたりして、楽しそうにしている。


「…ふーん、リングベルトさんの事、随分気にしてるのね?」


 茶化す様な笑みをスズカが向けてくる。だが、笑みの奥に何か黒いモノを感じたが…。


「気にしてるって言うか…。まあ、まだアイツは変わって真もないからな。少しは様子を見てやらないと何が起こるかわからない」


「そうやって、何人の女の子を支柱に収めてるの?」


「ハァ? 何だよ、支柱にって? ってか、言い方!」


 意味はよくわからないが何か誤解される様な言い方というのはわかる。


「そうだ、アルト君…実はリングベルトさんが《スライムソルジャー》になる時…何者かが彼女に向けて、スライムを投げた者がいたみたいなの」


「何だって…⁉︎」


 アレイナを《スライムソルジャー》に変えた奴がいる…⁉︎

 まさか、その犯人は…!


「…恐らく、行方不明事件の犯人の可能性があるわ」


「そうなれば、犯人はモンスターを操るこ事の出来るモンスターテイマー…? 嫌、〈モンスタードラッグ〉で変化した人間という線も考えられる…」


「怖い薬よね…。口にした人間をモンスターに変えるなんて…。多分、薬の中にモンスターの細胞が練りこまれているのね」


 薬によって、入っているモンスターの細胞が違う…。魔虎牙(まこうが)軍はどれだけのモンスターの細胞を採取しているんだ…?


「兎に角、わかっている事は犯人が本格的に動き出した…って事だな」


「その件で今日の放課後、学園長達と話があるわ。私も麻生君の正体を知っていると話したら、協力を要求されたの」


 流石に手が早いな。

 だが、これで表立って、スズカのてが借りられると言う事だな。


「そうだ…スズカ。聞きたい事があるんだが…」


「何?」


「お前はこの世界に来て、どうしてこの学園に通っているんだ?」


 俺が問いかけると彼女は顔を逸らしながらも口を開いた。


「…この世界に転移した私はノエルと一緒に寝泊まりする場所とか探したの。…そして、偶然にこの学園を見つけて、ある事件に巻き込まれたの」


「ある事件?」


「学園を襲うテロリストよ。奴等に目をつけられて、戦う事になってしまったのよ」


 あぁ…彼女も巻き込まれ体質なんだな。


「そう言えば、お前は転移特典、何もらったんだ?」


「…太刀よ」


 は…? 異世界なのに太刀…?


「嫌、世界観ぶっ壊れるだろ」


「え? この世界、太刀も普通に売ってるわよ?」


「…マジで?」


 そう言えば、クレアの店でも売っていたかも…。

 まあ、サムライって言う人物もいたから、おかしくはない…のか?


「それで…テロリストを撃退した後、学園長に学園に通わないかと誘われたのよ。行くあてもなくて、悩んでいたからちょうど良かったけどね」


 案外、スズカもお人好しなんだな…。

 そうだ…あの事を聞いておかないとな…。


「スズカ…お前は何か特別な技能(スキル)を持っていたりしないか?」


 それを聞いた彼女は一瞬、驚いた顔をするが、すぐに答える。


「よくわかったわね。…私は倒したモンスターの技能(スキル)を借りる事が出来る。技能拝借(スキルブローウィング)よ」


 …また似た様な技能(スキル)だな…。


 倒したモンスターの技能(スキル)をコピーする俺の技能複写(スキルコピー)、倒したモンスターを喰らい技能(スキル)を得るキリヤの技能捕食(スキルプリディシャン)、そして…倒したモンスターの技能(スキル)を借りるスズカの技能拝借(スキルブローウィング)、か…。


「俺にも倒したモンスターの技能(スキル)をコピーする事が出来る技能複写(スキルコピー)ってのがあるんだ」


「そうなんだ…。って事はアルト君も謎の声からその力をもらったの?」


 謎の声…⁉︎ じゃあ、俺もスズカも同じ人物からその技能(スキル)を貰ったと言う事か…⁉︎


 にしても…。


「なあ? 倒したモンスターから技能(スキル)を借りるって…いつ返すんだ?」


「…いつかは返すわよ」


 あ、これ一生返さないやつだ。


 話をしていると次の授業の担当教師が来たので、俺達は席に戻った…。








 ー放課後、俺はスズカとアレイナを連れて、学園長室に訪れた。


「来たな、三人共」


 学園長室には既にヴェイグとアイム、それからヴィーシャ先生とガストン先生もいた。


 俺達も椅子に座り、話し合いが始まった。


「それで…リングベルト。スライムに呑みこまれた時、何か感じたりはしなかったか?」


 学園長の問いにアレイナは思い出すかの様に話し出す。


「アルトに負けそうになった時、声が聞こえました」


「声…?」


 首を傾げるヴェイグに頷きを入れるアレイナ。


「その声は男性が女性かはわかりませんでしたが、私に力が欲しいかと尋ねてきて…私はそれを受け入れたんです」


「そして、あなたは《スライムソルジャー》になった」


 問題はその声の主が何者なのか…だな。


「その声の主と行方不明事件の犯人は同一人物なのでしょうか?」


「…情報が少なすぎますね…。簡単に同一人物と決め込む事も出来ません」


「それに加えて、同一人物じゃないとしても協力関係にある可能性もありますからね」


 ヴィーシャ先生、ガストン先生、ヴェイグも考えを話す。

 クソッ…情報がないから、動こうにも動けねえ…!


「やはり、まずは行方不明事件の犯人に会う事が専決だな」


「ですが、今まで私達も会えなかったんですよ?」


「…闇雲に探した所で犯人の狙いもわからなければ、突き止めようがないしな…」


 八方塞がりもいい所だな、全く…。


「唯一共通しているのは同じ場所で被害を受けている事だけ…」


 あの場所に一体何があるというんだ…?


「こうなれば、その現場をくまなく調べるしかないな」


「そうですね。今から行ってきます」


 俺達は学園長を残し、学園長室を後にした。

 そして現場に着いた俺達は手分けして調査を開始する。


「何か痕跡を残してくれていればいいのだけど…」


「…犯人が間抜けだったら、残してくれていると思うが…ッ⁉︎」


 スズカと共に捜索していた俺はそんな会話をする中、何かの殺気と視線を感じた。

 視線がする方向を見て、睨み付ける。


「アルト君? どうかしたの…?」


「見られている…あっちか!」


「ちょっと、アルト君⁉︎」


 視線のする方向へ走り出す俺を追いかける様にスズカも後を追う。

 学園を出て、林に入った俺達は辺りを見渡す。


「何処にいるの…⁉︎」


「まだ視線を感じる…」


 まさか、誘導されたか…?


『狙い通り、追ってきたな』


 声が聞こえ、振り返るとそこには《スライムソルジャー》がいた。アレイナが変化したのと同じ奴だ。


「お前が行方不明事件の犯人か!」


『いかにも…そして、アレイナ・リングベルトを変化させたのも私だ』


 コイツ…!


「わざわざ犯人の方から出てきてくれるなんてね!」


『勘違いするな。今日私はお前達を見にきただけだ。戦うつもりも捕まるつもりもない』


 挑発に来たって事かよ…!


「そう聞いて、大人しくするワケないでしょ!」


「待て! スズカ!」


 太刀を引き抜き、俺の制止も聞かずにスズカは《スライムソルジャー》に接近する。

 だが、彼女と《スライムソルジャー》の間の足下にスライムが集まり、一体の人型スライムとなった。


「ッ…⁉︎ 人型スライム…⁉︎」


 アレは…《スライムソードマン》か…!

 《スライムソードマン》は剣を引き抜き、接近していたスズカを斬り裂こうとした。


「しまっ…⁉︎」


 勢い良く走った為、避ける事が出来ないスズカ…。だが、俺が《クイックジャンプ》で彼女の目の前まで接近し、《スライムソードマン》の剣を受け止め、ブレッターで脳天を撃ち抜いた…。


 頭を失った《スライムソードマン》はドロドロに溶け、消滅した…。


「あ、ありがとう、アルト君…」


「ああ。…だが…」


 《スライムソルジャー》の方を向くとそこにはもう誰もいなかった。先程の隙を突いて逃げたのか…。


「逃げられた…!」


「深追いは危険だ。兎に角、この事をみんなに伝えよう」


 俺の提案にスズカは頷き、俺達はみんなの下へ戻る事にした…。





 木の上から俺達の様子を伺う《スライムソルジャー》の事にも気が付かずに…。


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