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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第二章 技能複写編
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隠し部屋での絶望


 ダンジョンに入った俺達は攻略を進めていた。襲い掛かってくるモンスターも問題なく相手に出来ていた。


 だが、そこで俺は一つ、疑問に思ってしまう事がある。


 …敵が弱すぎる…。

 このダンジョンはまだ誰にも発見されていない。だが、この様な簡易なダンジョン、発見されていてもおかしくはない。


「アルトさん、どうかしましたか…?」


 考え事をしていた俺が気になったのか、メリルが顔を覗かせる。


「…いや、何でもない」


 疑問は消えないが、奥に進む以外…確かめる方法はない。

 進むとするか…。


 少し奥に進むと、俺達を待ち構えていたのはトラップだった。だが、それを俺達は難なく、クリアしていく。


 途中、メリルが引っかかりそうになった事は余談だ。



 暫くした後、俺達は軽く休憩を取る事にした。モンスターが現れない事を確認し、一息つこうとするとメリルがある提案を持ちかけてきた。


「アルトさん。私はそこまで疲れていないので、妖精の姿で奥を探索して来ます!」


「分かった。危険だと思ったら、戻って来いよ」


「はい!」


 返事をしたメリルは妖精の姿へとなり、奥の方へとヒラヒラ、と飛んで行った…。

 それを見送った俺はその場に座り込もうとした…その時だった。


 背後の岩壁に違和感を感じ、岩壁に触れる。

 すると、一つの岩がスイッチの様に押し込まれ、岩壁の中心に縦線の様なモノが現れ、左右に開かれた。


「隠し扉って事か…?」


 岩壁が左右に開かれて、目の前には扉があった。

 こんな分かりにくい隠し扉が本当にあるとはな…。


 この時の俺は好奇心に駆られていたのかも知れない。

この扉の奥には何があるのか…。本来ならば、メリルの帰りを待つ所だが…。


 俺は扉に手をかけ、開けてしまった。ギギギ、と音を立て、扉は開き、奥には暗闇が広がる。


 俺は息を呑み、扉の中へと入る。中に入ると周りの明かりが点灯し、部屋は明るくなる。


 部屋の中心まで足を進めた俺は部屋を見渡す。


 宝箱は…なし。これと言っての罠もない…。

 ただあるのは…。


 大きな毒の沼だけだ。しかし、部屋の端に見つけてはいけないモノを俺は見つけてしまった。


 それは骸骨…それもモンスターではなく、人の形を留めている。


 白骨化した遺体…⁉︎


「な、何なんだここは…⁉︎」


 毒でダメージを受けたのか…?

 いや、流石にこの様な分かりやすい大きな毒の沼に落ちる奴はいない。

 では、何故…?


 俺の頭に何かの危険信号のサイレンが鳴り響き、すぐさま、この部屋から出ようとしたが…。

 扉の方へ視線を送るとズシン!、と大きな音を立て、扉が閉まってしまう。


「しまった…!」


 俺はすぐさま扉に駆け寄り、開けようとするが開かなかった。閉じ込められてしまい、他の脱出口を探そうと背後を振り返った…。


「ッ…⁉︎」


 目の前には先程まで存在してなかった巨大な何かがあった。


 その巨大な何かは大きな一つ目で俺の事を凝視してくる。

 まるで獲物を見つけた獣の目の様に…。


 相手の存在に息を呑んだ俺はゆっくりと口を開き、目の前の存在の名を口にした…。


「《サイクロプス》…⁉︎」


 巨大な一つ目をギロリと、動かしたモンスター《サイクロプス》は雄叫びを上げる。その雄叫びだけで、俺は軽く吹き飛ばされそうになる。


 相手が動く前に無限鞄(インフィニティバッグ)からあるモノを取り出す。


 ステータスコープ…。

 モンスターのレベルや属性、相性などが見られるアイテムだ。


 俺はステータスコープを掲げ、目の前の《サイクロプス》に合わせる。すると、モニターが現れ、《サイクロプス》のステータス画面が表示された…。


 そのステータス画面を見た俺は言葉を失った。


 レベル96…⁉︎

 どうしてそんな上級モンスターがこのダンジョンに…⁉︎


 戸惑う俺に構わず、《サイクロプス》は拳を振り下ろしてきた。


 それを横に回避する俺だが…地面を削る程の拳の衝撃に俺は吹き飛ばされたが地面を転がり、何度か立ち上がる。


 衝撃だけで、この威力かよ…!


 すぐさま、メリルに連絡する為にコンディションブレスを起動するが、圏外となっている。


 ガルナからは聞いていたが、本当に連絡が取れないとは…!


 こうなったら…!


 今度は指輪の様なモノを取り出す。

 エスケープリング…。

 これを掲げ、「エスケープ」と叫ぶと、ダンジョンの外へワープできるアイテムだ。


「エスケープ!」


 …本当ならば、ここでワープする…。だが、ワープは起こらなかった。


「なっ…⁉︎エスケープも出来ない…⁉︎」


 エスケープ無効化の部屋なのか、ここは⁉︎

 そしてここに来て俺はある事に気がつく。


 白骨化した遺体、マップに記載されていたなかったダンジョン…。

 その全てが一本の線に繋がった。


「そうか…。このダンジョンは発見されなかったんじゃない…! 発見されても、この部屋で脱出できなくなった多くの冒険者は《サイクロプス》に襲われ、アイツの餌食になったのか…!」


 流れる汗が止まらず、俺は今、恐怖に襲われている。この部屋から出る為には(サイクロプス)を倒さなければならない…。


 だが、アイツのレベルは96…。80以上も差がつき、セイラ・グルントの時とは格が違う…。


 どうすればいい、と俺は思考をめぐらせていくが、答えが出ずにいる。


 そんな俺に構いなしと、《サイクロプス》は攻撃を仕掛けてきた…。


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