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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第七章 コルドブーム編
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始まる強硬


 ブルース達に勝った俺達は彼等だけ先に事の真実を話した…。


「ガラン殿やアリシア殿が反逆を目論み…お前達やアイリ様を利用しているだと…⁉︎」


 話を聞いたブルースを筆頭に他の兵士達も驚愕の表情を浮かべている。


「アリシアの目的はアイリを嫁としてもらう事、そしてガランはこの国を乗っ取るつもりだ」


「…だから、アイリ様は…」


「ええ…アルト達に助けを求めたの」


 気まずそうに俯いたブルースにアイリも俯く。


「…ならば、早くこの事をオルレスト様へ伝えなければ…!」


「ブルースさん、その心配はありません」


「私達、神眼(しんがん)教団のカーイン様に会ったの。…もうそろそろ始まる…」


 すると、空にモニターが現れ、そこにカーイン様が映し出された。


『コルドブーム並びにガイールに住む多くの民達に告げます。今回起こった化け猫騒動並びにコルドブーム第一皇女アイリ・ブーム殿誘拐事件の真相をお話しします』


 …始まったか…。

 恐らくこの映像はコルドブームやガイールの至る所に映し出されているだろう。


『この二つの騒動…引き起こしたのは麻生 アルト率いる可能の星(ポッシブルスター)だと言われているはずです。…ですが、それは偽り…彼は濡れ衣を着せられた被害者なのです』


 カーイン様の言葉に恐らくこのモニターを見ている者は驚いているだろう…。真犯人は別にいる…それを聞いてしまえば特に…。


『確かに彼等の仲間にはエルスカーネ殿という猫の亜人がおり、その者が化け猫の正体なのは事実です。…ですが、彼女は本来心優しく、誰かを思いやる少女です。…その少女を操り、心を傷つけた者がいるのです』


 エルスカーネを見ると少し笑みを浮かべていた…。


『アイリ殿誘拐の件も、彼女を守る為…彼等は国から追われるのも承知で実行した事です』







「な、何だと…⁉︎」


 この放送を見ているオルレスト様は驚きの真実に思わず王座から立ってしまう。

 愛娘のアイリを俺達が誘拐したとばかり思っていた彼はまったく違う情報に戸惑っている…。






『この一連の事件…それは全て、二人の人物とその配下の仕業です。彼等はアルト殿達に濡れ衣を着せ、ガイールとコルドブームの戦争を加速させ、隙を突いてアイリ様とコルドブームを手に収める計画を立てています。…その者達とは…コルドブームの貴族であるアリシア・オネットとガラン・リーガルが首謀者です』


 …事件の首謀者がわかった…これで奴等の居場所も無くなり、捕らえられるのも時間の問題だろう。


 繰り返されるカーイン様の放送を見つつ、後はどうガランが動くか…それを考え出す。


「麻生 アルト…すまなかった…」


 ブルースを中心に彼の部下である兵士達は頭を下げ、謝罪の言葉を口にした。


「…気にするな! お前達はわからなかっただけだ。…その代わり、ガラン達を捕らえるのを手伝ってくれ。オルコット」


「ああ…!」


 笑い合った俺とオルコットは硬い握手をした…。


 敵対国同士でもわかり合う事が出来る…。ガラン達の計画を止め、それを証明してやる…!

 そう思っていた俺達だったが…そんな俺達に複数の火球が襲う。


「ッ…⁉︎ 《ビッグバリア》!」


 メリルがいち早く動き、《ピッグバリア》を展開させ、火球からみんなを守った…。


「火球…? 誰だ⁉︎」


 火球が放たれたその先には…複数の男達が俺達の下へ歩み寄って来ていた…。


 すると、カーイン様が映し出されていたモニターに砂嵐が起き、ガランが映し出された映像に切り替わった。


「ガラン…⁉︎」


「これは…電波ジャック⁉︎」


 奴等…そんな事まで出来るのかよ…!


『コルドブームの皆さん。初めまして、私はガラン・リーガル…。この国の新たな王となる者です』


 やはり、アイツはこの国を乗っ取るつもりだったのか…!


『先程のカーイン様が告げられた真実…それは本当の事です。私達は自らの野望の為に麻生 アルト達に濡れ衣を着せました…。ですが、その作戦も失敗に終わった今…強硬手段を取らせていただきます』


 まさか、奴は…!


『我が同胞と部下達に告げます…。コルドブームの民達や邪魔者を消し去り、この国を乗っ取るのです!』


 ガランの叫びに俺達の前にいた男達は雄叫びに近い声を上げ、走り出して来た。


「来るぞ!」


「…アルト、恐らく彼等も囮だ!」


 アルネの言葉に頷く。…彼等を囮に使い、ガラン自身はオルレスト様のいる城に直接向かうはずだ…!

 一刻も早く城に行かないと…!


「麻生 アルト! 彼等は自分達に任せろ!」


「君達はオルレスト様達を頼むよ!」


 アルネとオルコットが先頭に立ち、兵士達も背後に並んだ…。


「頼む…この国の未来を…オルレスト様を…!」


 悔しそうに俺達へ願うオルコットに頷いた俺達は城下町へと入っていった…。





「アルネ殿…貴方はこの国の騎士ではない。…此処は自分達に任せて…」


「悪いけどそれは出来ない相談だね…。例え敵対国だとしても見過ごす事など出来ない」


 真っ直ぐ否定の言葉を告げられ、オルコットはクスリ、と笑う。


「では…背中はお任せします!」


「勿論だよ!」


 ガイールとコルドブームの騎士である二人が剣を抜刀し、襲い来る男達との戦闘を開始した…。






 城下町に入った俺達…。


「メリルとルルは街の人達を避難させてくれ! マギウスもその護衛を頼む!」


「わかりました!」


「みなさん、お気をつけて!」


「必ず勝てよ!」


 メリルとルル、マギウスは俺の指示に従い、街の人達の避難を開始した…。






 城の目の前まで来た俺達だったが、そこへ奴隷の館の店主がいた。


「よぉ、此処から先へは行かせないぜ?」


 よく見ると店主の隣にフードを被った者がいる…彼は一体…?


「お前に構っている時間はねえ! そこを退け!」


「…悪いがそうはいかねえ…。さて、お前の力を見せろ…ケイル」


「えっ…⁉︎」


 店主の手にはエルスカーネを操った時にガランが持っていた物と同じネックレスがある。

 それにケイルって…⁉︎


「ウオオオオオオッ!」


 突然、店主の隣に立っていた者の身体が変貌し出した。着ていた服を突き破り、ベージュ色の姿の化け猫となってしまった…。


 その姿こそ…俺達やウィーズ達を襲った化け猫だと確信してしまう。

 そして…。


「や、やっぱり…! やっぱりなんだね…!」


 戸惑いを隠せない様に驚愕するエルスカーネ…。その理由は…。


「ケイル君…!」


 その化け猫の正体こそがエルスカーネの幼馴染であるケットシー…ケイルだったからだ…。


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