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ジョブ無し転移者の技能複写  作者: カイト・レイン
第一章 異世界転移編
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ジョブ無し冒険者


 フィーリン森林からの一件から翌日…。

 俺とメリルは冒険者支援施設に来ていた。


 セイラ・グルントの一件で忘れていたが、俺達はあの時、冒険者になる為に試験中だった。


 俺が気を失った後、メリルが無事にユルさんへ銅のリンゴを渡してくれていた様でクエストの内容は無事、クリアできた様だ。



 俺達が来た事を知り、ルルさんはニカッ、と笑う。


「アルトさん! メリルさん! おはようございます!」


「おはよう、ルルさん」


 施設内に入った時にわかった事だが、他の冒険者達の目線が以前のモノと変わっている。


 恐らく、セイラ・グルントを討伐した事が広まったのだろう。


「ルルさん、試験の結果はどうだった?」


「勿論、合格です! というより、銅のリンゴを持ち帰らずとも、お二人の成果ならば、間違いなく合格になります!」


 実際、まだ冒険者にもなってない俺達がお尋ね者を討伐したからな。


「早速、冒険者登録を行いますので、お二人のコンディションブレスをお貸しください」


 ルルさんに言われた通り、俺とメリルはコンディションブレスを手渡し、ルルさんは俺達のコンディションブレスを操作し、登録を終了する。


「登録完了しました!」


 そう言い、俺達にコンディションブレスを返す。受け取った俺達は早速、冒険者プレートを開く。


 そこには俺達の名前と冒険者ランクが書かれている。

 ランクD…これが冒険者になりたての頃のランクだ。


 冒険者ランクはD→C→B→A→Sと上がっていく。

よって、冒険者のレベルは関係なく、いかにクエストや依頼をこなしていくかでランクは上がっていく。


「それと…」


 突然、小さく呟いたルルさんは手招きをして、俺は耳をルルさんの口元に持っていく。


「私の連絡先も入れておいたのでお願いしますね」


 微笑みまじりに小さく、そう呟いてきた。

 マジかよ…。抜け目ないなこの人は…。


 そう、コンディションブレスはメッセージも送れ、電話の役割も担っている。


 ルルさんの言葉に軽く戸惑った俺を見て、彼女はクスクス、と笑い、横のメリルは何故か頬を膨らませていた。


 そして、俺の手を強引に掴み、出口へ向かおうとする。


「ほら、用も済んだので行きますよ! アルトさん!」


「ちょっ⁉︎ 引っ張るなよ! じゃ、じゃあ、ルルさん!また来るよ!」


「はい、お待ちしております」


 あくまでも冷静にニコリ、と笑ったルルさんを見届けた後、俺達は冒険者支援施設を後にした。


 外に出た俺達だが、一向にメリルが手を離そうとしない。メリルの後ろ姿はどこか怒っている様にも見える。


「おい…おい、メリル! 何怒ってんだよ?」


「怒ってません!」


 いや、どう見ても怒っているでしょうが。兎に角、俺はメリルの手を強引に離す。


「相変わらず仲がいいわね」


 そんな俺達にガルナが話しかけて来た。


「ガ、ガルナ…」


 昨日のガルナのキスを思い出して、俺はたじろぐ。俺のたじろぎにまたもやメリルはジト目で俺を睨んでくるが、顔をフイ、と背ける。


 そのメリルの表情に気づいたのか、ガルナはフフ、と笑う。


「冒険者デビューおめでとう、二人共」


「ありがとな」


「そうだ! 連絡先を交換しておきましょう」


 断る必要はなく、俺とメリルはガルナと連絡先を交換する。


「それで、二人はこれからどうするの?」


「今日はレベル上げをしようと思ってる。ガルナは?」


「情報収集にでも行くわ。また、いい情報が手に入ったら、教えて上げるわ! まあ、お金は取るけどね」


「流石は情報屋。そこはしっかりしているんだな」


 ウインクしてくるガルナの情報屋精神は流石だと思わず感心してしまった。


「まあ、これからもよろしくな、ガルナ」


 こちらこそ、と俺達は握手をした。その後、ガルナはメリルとも握手をして、俺達は別れた。


 イズルリの街の外に出た俺達は早速レベル上げの為に動き出そうとするが、不意にメリルが立ち止まる。


「どうした、メリル?」


「成り行きで冒険者になってしまいましたが、これからどうするのですか?」


 確かに…。

 特にやる事もないので冒険者になってしまったが、イネスからはラインバルクでして欲しい事とか何も聞いていないな。


「…何をすればいいのかわからない。だが…俺達はこの世界で生きてるのは確かだ。だから…今はなる様に生きる。冒険者としてな!」


 俺の答えを聞いて、メリルはニコリ、と笑い頷いた。


「私は駆け出し女神です! アルトさんを導く為…何処までもついて行きます!」


 メリルの笑顔に俺もクスリ、と笑う。


「じゃあ、まずはレベル上げだ! 行くぞ、メリル!」


「はい!」


 目の前にモンスターが現れる。

 そのモンスターを倒す為、俺達は動き出した…。






 ーーある暗闇の空間…。


 そこで一人の男が流れる水の水面を見ていた。その水面には俺とメリルがモンスターと戦う光景が映っている。


「成る程…。あの男がイネスの送り込んだ転移者か。それにあの女…」


 水面は俺を大きく映し出した後、メリルを映し出す。


「君の知り合いもあの世界にいる様だ。…君も早く転移者を見つけて行くといいよ」


 男の前にメリルと同い年ぐらいの少女が立っていた。


「…候補は見つけています」


 少女がモニターを映し出すとそこには俺と同い年の少年が映し出されている。そのモニターに映っている少年を見た男は不敵な笑みを浮かべる。


「ほう、これはなかなか…。説得、期待しているよ」


「おうせのままに」


 頭を下げた少女は暗闇にへと消える。そして、男は再び、水面に映る俺達を見た。


「イネス…君に邪魔はさせないよ。…何としてでも、ね」


 男の不敵な笑いが暗闇の空間に響き渡った…。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 騎士団の時もそうでしたが第三者視点で書かれているのに、主人公が"俺が~"と、まるでそこにいるように話が進んでいますが、主人公は千里眼かサードアイのようなスキルで全てを見聞きしているので…
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