番外編ex3「トリックオアトリート!」
投稿するとか言っておいてギリギリで申し訳ありません。でも、滑り込みでセーフと言うことで許してください!
さて、ハロウィンと言うことでお遊びなハロウィンなお話です。楽しんで頂ければ幸いでございます。
番外編ex3「トリックオアトリート!」
はぁ~、どこもかしこも浮かれてんなぁ~。
俺は商店通りを歩きながら、そんなことを思いながら素材を買い集めていく。
今日は商店通りでハロウィンのイベントが行われていた。そのため、商店通りを歩く人たちは様々な仮装衣装に身を包んでいた。
魔女やゾンビにドラキュラ、ナースにあれは童話に出てくる赤ずきんか? それに東洋に伝わるキョンシーと言うお化けか?
それに商店通りはいつも以上の賑わいを見せていて、ごった返すほどの人々で溢れかえっていた。
それに商店通りではパレードが行われたり、今日しか発売しない商品など、お祭り騒ぎのことをするらしい。
ルナも連れてきてあげたら喜ぶだろうか? うん。きっとルナのことだから、目を輝かせて喜びそうだな。それに俺もそんなルナの姿が見たいし。
俺は心の中である一つの考えを決心する。
そうと決まれば善は急げだな。
俺は足早に自分の家であるアトリエへと急ぐのだった。
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「ルナ!」
俺はアトリエの扉を蹴破る勢いで開けると、ルナのことを呼んだ。
すると、ルナは奥の方にいたのか不思議そうに顔をのぞかせ、俺の姿を見るとすぐさま俺のところに来てくれる。そして、俺は俺でルナの姿を見て固まっていた。
何故なら、ルナがさっきか商店通りでよく見かけていた魔女の格好をしていたからだった。
「うぇ⁉」
驚きすぎて俺の口からは妙な声がもれていた。
俺が固まっていると、俺の隣から「ふふふ」と笑い声が聞こえてくる。俺が驚いて横を向くと、そこには猫の仮装をしたルルネの姿があった。
「るっルルネ! おっお前いつからそこに⁉」
「あんたがルナちゃんに見惚れてる時からいたわ。それより、ルナちゃんが仮装してるんだから、何か言ってあげなさいよ」
ルルネのその言葉に、俺はやっと我に返った。
「ルナ、とっても似合っていて可愛いよ」
「えへへ、ありがとうございます、あなた。あっ、あなた、トリックオアトリート! です!」
「えっ?」
トリックオアトリートって確か、お菓子をくれなきゃイタズラするぞって言う、ハロウィン特有のあいさつだったよな。
まずいな、俺は今、お菓子を一つも持ってないぞ。
「ごめんな、ルナ。俺は今、お菓子を持っていないんだ。だからさ、その代わりとしてさ、これからさ、ルナが良かったらだけど、一緒にハロウィンの祭りを回らないか?」
もともと誘うつもりではいたのだ。これはこれでちょうど良い機会だったのかもしれないな。
そして、俺の言葉にルナはルナで花が咲いたような笑顔を浮かべていた。
「はい! 喜んで! わたしもあなたと一緒にお祭りに行きたいなって思ってたんです!」
「そっか。なら良かった。それじゃあ早速行こうか」
俺は荷物を手早く片付けると、ルナと一緒に出掛ける準備を進めていく。
「あら、あんたにしてはなかなか良い提案をしたわね」
途中でルルネの横やりが入るが、それは全て無視である。今は取り合えず、ルナを楽しませることが最優先なのだから。
無事に支度を終えた俺たち三人は商店通りを歩いて行く。
「しっかし、本当にハロウィンイベントって盛大だな。昔はここまで騒がれてなかった気がするけど」
「何でもここまで賑やかになったのはつい最近のことみたいよ。本当に三年か四年ぐらいの間で、ここまで盛んなったらしいわ」
ルルネのその説明に、俺は「へぇ~」と何とも言えない間抜けな声を漏らすことしか出来なかった。
それもそうだよな。ルナが俺のところに来るまで、こういったイベント事とかには、まったく興味を示さすに、時間があればずっとアトリエの中に閉じこもっていたんだから。ルナがいなきゃこの景色だってずっと知らずに生きていたんだよな。
本当にルナには感謝しかないな。
俺が改めてルナに対して感謝の念を抱いている頃、ルナはルナで何やら難しい顔をしていた。
「ルナ? どうかしたのか」
俺がそうルナに聞くと、ルナは「いえ」と答えた後、申し訳なさそうに口を開いた。
「何だか色々な屋台があって、どれも美味しそうで目移りしちゃって。それに一人だとたくさんは食べれなそうですし」
ルナの言葉に俺は「ああ」と納得する。
「なるほど、そう言うことか。それなら三人で分けながら食べて、食べ歩こうか。そうすれば色々食べられるだろうし」
「あっ、それ名案ね。あたしも色々食べてみたかったし。もちろん、リアムのおごりでね」
「ああ、もちろんそのつもりだったよ。さて、それじゃあ食べ歩こうか」
俺のその言葉にルナとルルネは同時に「おー」と声を上げた。
そして、いざ食べ歩きをスタートしようと思っていたら、ルナの前に仮装をした二人の少女が立っていた。そして、
「トリックオアトリート!」
「ふふ、可愛い仮装だね。ハッピーハロウィン!」
ルナは優しく笑いかけると、持ってきていた袋からお菓子を取り出すと二人に渡した。
二人の少女は「ありがとう!」と笑顔でお礼を言うと駆けていく。
このイベントでは、参加者同士でのお菓子のやり取りが認められているので、今みたいに参加している人にトリックオアトリート! と言ってお菓子をもらうことが出来るのだ。
「ふふ、可愛いです」
「そうだな。本当にそう思うよ」
俺とルナは顔を見合わせて笑ってしまう。
「あんたたち、本当に息をするかのようにいちゃつくわよね」
そんな二人の様子をルルネはどこか呆れたように見ているのだった。
それから気を取り直して、俺たちは屋台を回っていく。やはり、ハロウィンと言うことなので、ジャック・オー・ランタンにちなんで、カボチャを使った料理が多く売られていた。
「へぇ~、カボチャ一つでここまでいろいろな料理が出来るんだな」
「はい。カボチャって栄養価も高くて体にもいいですから。それに疲労回復にも降雨化がありますし。あっ、今度カボチャを使って何か色々作ってみましょうか。疲労回復に効果があるなら、あなたにもちょうどいいと思いますし」
「そうだな。俺もルナが作ったカボチャ料理は食べてみたいな」
「はい! 腕によりをかけて作っちゃいますよ!」
「ああ、楽しみにしてるよ」
本当にこの二人はどうにかならないかしらとルルネが呆れていると、目の前から三人には見知った顔が歩いてきた。
「おーい、グレン!」
俺が声をかけると、グレンはこちらに気が付くと笑顔で駆け寄ってきた。
「やあ、リアム。まさか、君がこのイベントに参加しているなんて驚きだよ」
「ああ、俺も驚いてるよ。昔の自分だったらまず考えられないことだったからな」
「本当にリアムは変わったね」
「そう言うグレンこそ変わっただろ。さっきからルルネのこと見てるのバレバレだぜ」
俺のその言葉に、グレンは恥ずかしそうに顔をうつむけてしまっている。どうやら図星だったようだ。
本当にグレンも変わったよな。昔はこんなに隙があるやつでもなかったのに。
俺がそう思っていると、後ろから「あっ!」と声が聞こえてくる。
どうやら、カボチャを使ったスイーツに目を奪われていたルルネが、グレンの存在に気が付いたようだ。
「グレンさん! お仕事終わったんですか?」
「ああ、いや。まだそれは終わってないんだ。見ての通り人がいつも以上に多いからね。いつも以上に見回りを強化しないといけないんだ」
グレンの顔には少なからずの苦労の色が浮かんでいた。
「大変なんですね」
ルルネはグレンのその言葉に、少なからずショックを受けている様子だった。
そのルルネの様子に気が付いたグレンは、そんなルルネに一つの提案を出した。
「ルルネ、仕事が落ち着いたら迎えに来るから、それまではリアムたちとハロウィンを回っていてくれないか?」
それはグレンが出来る中での、精いっぱいの提案だった。そして、そのことにもルルネはちゃんと気が付いていた。
「はい! 待ってます!」
そう笑顔で答えたルルネの姿を見て、グレンも柔らかい笑みをこぼした。
「ありがとう、ルルネ。ああ、そうだ。その仮装の衣装、ルルネに似合っていてとっても可愛いと僕は思うよ」
グレンのその真っすぐな言葉に恥ずかしそうに頬を染めたルルネではあったが、やがてルルネの口からは「ありがとうございます」と言葉が漏れていた。
「さてと、僕はもう行くよ。素敵なハロウィンを」
「ああ、ハッピーハロウィン」
「「ハッピーハロウィン!」」
グレンが仕事に戻っていく姿を見ながら、俺たちも歩みを再開させていく。
「さてと、今日はとことんハロウィンを楽しもう!」
ルルネの言葉に俺とルナは賛同するのだった。
ハロウィンは始まったばかりなのだから。
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