只今絶賛逃走中
ボック村の少年シルバーデビル君は、満十五歳になる年に《祝福の儀》にて授かる〔神の祝福〕により不老不死の能力を授かりました。
それから、月日が百年程過ぎたゴルゴル王国の城内にて物語の始まり始まり。
◇
どうしてこうなった!?
突然だが自己紹介させて貰おう! 俺の名前はシルバーデビル。今年で十五歳になるボック村の住人だ。
確か俺は街の聖堂での《祝福の儀》にて、〔神の祝福〕を授かった―――――――と思ったら兵隊に襲われてしまっていた!
何を言っているのか分からないって? 安心しろ! 俺が一番よく分かってねーんだよ!!
「死ね! シルバー!!」
接近して来た兵隊が短剣を振りかざす!
「死んでたまるか!」
ブオン!
兵隊に短剣を空振りさせた俺は、奴の顔面に渾身の蹴りをお見舞いしてやったのだ!
ドガッ!
「ぶへっ」
「ざまぁみやがれ! クソったれい!」
そのまま走り続け、何とか危機的状況を脱した俺は、やっとこさ一息つく事が出来たのだった。
「やれやれ大変な目に遭ったぜ……しかし俺の身には何が起こっているんだ? 《祝福の儀》を受けたと思ったらいきなり襲われるとは………それに街の様子がおかしかったんだよな……聖堂に入る前はあんな感じではなかったんだが変わりすぎじゃなかったか?」
シルバーデビル少年の疑問はその通りであった。何せ《祝福の儀》から百年も経過しているのだから変わらない方がおかしいのである。
「とにかく分からない事だらけの現状を何とかしなければな……しょうがない魔女氏に会いに行ってみるか……」