紅の両眼。
色んな人の目線です。
長くなりました><;
「大丈夫。誰かが来る。それまでの辛抱だ。」
彼女は言った。
そして、私の手を強く握った。
無意識だったのだろう。
だって、いつも迷惑そうに私を見る彼女が意識してそんなことするわけない。
そう思うと私は嬉しくて・・・・・・
彼女が居ることで安心した。
★ ★ ★ ★ ★
「・・・・ぁ。」
気づいた時は遅かった。
ドゴォオンッ!!
大きな音を立てて如月さんは体育倉庫に吹き飛ばされていた。
・・・・そんな・・・・・
また、恐怖が私を支配する。
「きゃぁぁぁあああぁぁぁあああぁぁ!!」
叫ぶしか無かった。
そんな私を見てソレは二ヤリッと笑う。
怖い怖い怖い怖い怖い。
ソレは一歩ずつゆっくりと近づいてくる。
とても楽しそうに・・・・・
「ぁあ・・・・ぁ・・・・・」
私も一歩ずつ後ろに下がる。
暫くすると・・・・・トンッと背中に何かが当った。
横目でそれを確認すると木だった。
_______追い詰められた。
私は前にいるソレが怖くて・・・・・
木に寄りかかるように崩れ落ちた。
「・・・・けて・・・・・た・・すけて・・・・。」
声にならない私の声。
怖くて、怖くて。
ソレが手を上げる。
鋭く光る爪と牙。
私は唯一のその人の名を呼ぶ。
「助けて・・・如月さん!」
悲鳴に近い声。
手が振り下ろされる。
私は・・・・目をぎゅっと瞑った。
★ ★ ★ ★ ★
その日はいつも通り書類の整理をしていた。
「ねぇーまーくーんー暇ぁ~。」
「その呼び方やめろ。暇なら仕事しろ。茶入れて仕事するのも可。」
「それ結局仕事するんじゃーん。」
「当たり前だ。馬鹿者。」
はぁ、と俺は溜息を吐く。
「マー君の意地悪ぅ。」
俺は文句を言おうと口を開いたが・・・・
「まぁまぁ、お二人さん。ハイ。お茶。」
そんな言葉に続くはずだった言葉を呑みこんだ。
「わーい。ありがとー。」
「あぁ、すまない。」
「・・・・・俺のは??」
「ありますよ。会長。そんな不機嫌そうな顔しないでください。」
「生まれつきだ。」
「そうですか。」
こんな感じで一息ついていた俺達の耳に嫌な音が響いた。
「グォォオおおオオオぉぉオオオ!!」
俺たちはその声を聞いた途端厳しい顔つきになり立ち上がる。
「特質の暴走か・・・・・面倒だな・・・・・。」
「そんなこと言ってる場合じゃない。・・・・・急いだ方が良いだろう。
ちさ。分かるか?」
「体育倉庫の辺りだよ。」
俺たちは急いでそこへ向かった。
★ ★ ★ ★ ★
ドゴォオンっ
「きゃぁぁぁああぁぁああああああああ!!」
嫌な予感。
「あっちだ!!」
俺たちは急ぐ。
俺たちが目にしたのは狼男と一人の女子生徒。
俺は急いで特質を解く。
_______間に合わない。
直感した。
糞っ!
そう思った。
ガァアンっ!
大きな音が響いて狼男は女子生徒から離れた位置へ移動・・・・・
いや、飛ばされていた。
襲われそうになっていた女子生徒の前に別の女子生徒が居た。
体中がボロボロの印象を受けた。
腕が青く晴れている。
足からは血が流れている。
その女子生徒は鉄パイプを片手に持っていた。
「躾のなってない犬っころだ。躾し直してやる。」
凛とした声。真っ直ぐ狼男を見据える少女。
その両眼は目に焼きつくほど美しい・・・・・・
____________ 紅だった
初めは神恵さん目線。
次は生徒会書記君の目線です。
生徒会はこれから絡みますので!!