いたずら依頼
今日はどうしようか。
なんかいいいたずらは思いつかないだろうか?
こんなときに限ってシュウはいない。
もしかして今日は一人でいたずらをしろと?
「いや、じゃあいたずらするなよ・・・」
「ん?」
イケメンが公園のベンチに寝転がっている俺を見下ろしている。
「イケメンが・・・去れ」
「酷いな・・・」
イケメンが俺のそばに居ると俺の不細工さが目立つんだよ。
ただでさえ普通と言われれば良い方な俺の容姿が不細工に見えすぎるんだよ。
こいつは俺の・・・親友だ。
悪友とは違う。
こいつは一応信頼は出来るからな。
あいつと違って・・・
「ハハハ。別にコウ君は不細工じゃないと思うよ。
アキと一緒に居なければ・・・」
「やっぱ不細工なんじゃ・・・?」
この美少女はこのイケメン・・・アキの彼女だ。
まあ、別に嫉妬とかは無い。
というかどうでもいい。
なんかこのハッチャけたテンションが俺は苦手なだけだが・・・
だからこの親友と居るのはめんどいんだ。
「聞いたぞ、またやらかしたんだってな・・・
少しは自重しろよ・・・」
「ん?別にいいじゃん。面白いし」
「そんな理由で今月四件もいたずらやらかしたのか・・・」
「それ以外の理由であんまりいたずらはしないぜ?」
俺の動力源は面白さや好奇心だからな。
「とりあえず・・・依頼だ」
「ふむ?まあ、聞こうじゃないかアキ君・・・」
例外は依頼。
まあ、金でやってほしいいたずらをする。
ただそれだけである。
でも俺の好奇心やそのときのテンションでやるかやらないか決まる。
金の量も同じく。
「俺の学校でいじめが起きていてな・・・」
「いじめているやつらをやっちまえと?」
ちなみにこいつらは俺とは違う学校だ。
「違う」
「ん?何?」
違うのか?
すでにそいつらを辱める方法がいくつか思いついたのだが・・・
「じゃあ、どうするんだ?」
「いや、いじめは俺が終わらせたんだが・・・
そいつの担任が見てみないふりをしていたからそいつを・・・」
「自殺させろと?」
「いやいやいやいやいや!!!!????
なんでそうなるのさ・・・!!??
ちょっとこらしめてほしいんだ」
「ふ~ん・・・」
ん~
めんどいが・・・
「お前も手伝えよ?」
「もちろん、俺に迷惑がかからない程度なら」
「OK~。それじゃあ、学校の二階の窓の鍵を開けておいてくれ」
「そんなんでいいのか?」
「ああ」
まあ、まずは学校に侵入することからだな。
「あとそいつの情報」
「滝谷 衛。
二年一組の担任。
教科は数学。
眼鏡のクールで賢そうな奴だ。
プライドは高いが、気弱。
このぐらいかな・・・」
「三千円で引き受ける。
自殺させたいレベルなら一万円」
「いや、三千円で・・・
そんなことしなくていいから・・・」
「ん。
分かった。
じゃあな、デート楽しめよ?」
「「もちろん」」
息はピッタシだ。
「もちろんその後も楽しむよ。
ちゃんと夜のほうを、ね☆」
俺はこいつのこういうところが嫌いなんだよな・・・
さて、侵入は成功した。
ちなみに今日は月曜日。
土曜日に依頼を受けたので日曜に考えて用意をし・・・
決行である。
さて、職員室だ・・・
とりあえず・・・
女子更衣室の鍵を・・・
いや、勘違いするなよ?
別にくんかくんかしに行くわけじゃないぞ?
こいつの机の上に忘れていっていた携帯電話を置きにいくだけだ。
ちゃんとアラームモードで授業中になるようにしてな・・・
あと教員用教科書を普通の教科書(持ってくるのを忘れた生徒用)と変えておいて・・・
いや、あとパソコンは置いてあるし・・・
や、やっちまった・・・
ちゃんと手袋してるし指紋はついていないが・・・
掴まらなきゃ良いけどな、この教師・・・
朝のひと時。
マイマザーとマイファザーは朝の四時ごろには出て行った。
あれから二日たった。
そんなときニュースを見ていると・・・
《月原学校の教師が学校用のパソコンのデスクトップを卑猥なものにしていたと、
教育委員会で話題になりました。》
「ブッ!!!!!」
飲みかけていたコーヒーを吹いてしまった。
《教師の名前は滝谷 衛。
他にも女子更衣室に携帯電話を置いていたり、
デスクトップだけでなく卑猥な動画や画像をダウンロードしていたり、
生徒の教育上よくない雑誌を持っていたりと、
次々と問題が出ました。
滝谷氏は『知らない』といっている模様です》
・・・・・・・・・・・ん?
最後のは知らないぞ?
たぶん、俺がやらなくても近いうちにこうなっていたかもな・・・
prrrrrr prrrrrr
ピッ
「はい?」
電話がなりソレに出る。
『お、お前いまニュース!!!!!!
お前!!!!!!!!!!』
「まあ、落ち着け。
エロ本以外は俺だ。」
『・・・・・・・・・まじで?』
「ああ」
『あれもお前じゃないのか?』
「違う」
『・・・・・・・・・・どうせ、こうなっていたかもな』
「同意見だ」
『まあ、ありがとう。
ただ、やりすぎだ!!』
「さすがに俺もやりすぎたと思う。
だが、反省も後悔もしていない!!!!!!!!」
『反省はしろ』
「本当に知らないんです。
信じてください・・・」
「残念だが信じれないな。
出来れば辞職してくれれば助かるんだが」
眼鏡でクールそうな大人が泣いた。