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1.出会い
あの出会いを、今でもはっきりと覚えている。
あれは、なんだか甘くて、どこか品のある香りが鼻を擽る季節だった。
山を登った先にあるお屋敷には、白い花を咲かせた大きな木があった。
初めて見た筈の木の花だが、どこか既視感を覚えて、無性に香りが鼻についた。
「おかえりなさい先生」
何処からか声が聞こえてきた。
白い花の木の方から聞こえてきたからまるで木が話しかけてきたみたいだが、そんな筈はない。
前にいる男が「ただいま」と微笑む先に、木のそばには少年が立っていた。
少年は目を引くとても綺麗な髪色をしていた。
空で光る陽のような色で、陽の光をうけてより輝いている。
その髪はとても眩しくて、
──とてもきれい⋯⋯。
金の髪は、風に乗り、まるで舞っているようで、その強く眩い光から目が離せなかった。
俺は絶対に忘れない。
君の輝く髪も、君から感じるあの甘い花の香りも。
ただそばにいられるだけで。
ただ君を感じられるだけで良かったんだ。




