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転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】配慮版  作者: 星野林
冒険者予備校生

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第76話 才色兼備のちょっと残念なお姉さんのクリス

「どうぞ」


「ありがとうございます」


 アキがお茶を淹れて、クリスというシスター見習いの少女に渡す。


 本当に何をしに来たんだろうか? 


「私が何をしに来たか見当がついていないようですね」


「実際ついてませんし」


「教会ではお布施に対して必ず対価を支払わなくてはならないと教えられています。それが教義ですから」


 クリス曰く、俺達が渡した白金貨4枚というのは一般市民から貰うには過剰すぎる金額らしく、そこで教会側は俺達に治癒師としての教師としてクリスを派遣することを決定したらしい。


「勿論教師というのは建前で、皆さんに派遣された召使い程度に思ってください。賃金に関しては1年分は教会から支払われているので気にしなくていいですよ」


「ミクさん! ミクさん解説お願いします!」


 あまりに突拍子がないので、俺はミクさんを呼んだが、ミクさんもこんな経験は無いとのこと。


 誰かこの状況を解説できる人は居ないかと思うと、マンシュタインなら知っているんじゃないかとシュネが言い、俺はマンシュタインを彼の家から連れてきて、説明を求めた。


「ああ、教会の人材派遣制度だね。うちも利用しているよ」


 教会は孤児を育てたりするが、教会内でもポストの数は決められている。


 孤児達を引き上げてシスターや神父へと育成し、地方の教会に派遣したりもしているが、それでも孤児の数が多い場合が殆ど。


 一定の年齢……10歳を超えた教会で育った少年少女達は教会から指定された場所へ奉公……働きに出ることがあり、通常は商会や貴族の下で働かされることがあるらしい。


 その時も教会に多額のお布施を行うことで将来の従業員だったり、信用できるメイドを雇うというのに繋がるらしい。


 まあ貴族の中には、身分差を盾に、この方法で少年少女に手を出す輩もいるらしいが。


 クリスを見た感じ、透き通るような水色の長い髪をポニーテールにし、黒い瞳、シミ一つ無い綺麗な艷やかな肌をしていた。


 幼いながらに可憐という言葉が似合う少女である。


「もしかして貴族に買われる寸前だったとか?」


「はい、評判のよろしくない貴族様が私を買おうと大金の準備をしているという噂が出ていまして、教会の上層部も治癒師としての腕がある私をそんな貴族に回して使い潰されるのは損失が大きいと判断したのでしょう。その時にちょうどナーリッツ様達が大金をお布施しましたので、これ幸いと私を避難させるためにもナーリッツ様達の下に派遣された……という経緯でございます」


「全部言うんだな」


「少しでも信用を勝ち取りたいですし、私も脂ぎった中年男性に抱かれる趣味はございませんので……勿論メイドとしてやるべきことは色々やらせてもらいますが」


「……皆どうする?」


 俺的には別に置いてもいい。


 教会との繋がりもできるし、何より本人が治癒師としての腕は同年代でも高いと売り込んでいる。


 冒険者パーティーも1枠空いているので教官に申請すればパーティーメンバーとして活動することも可能だろう。


 クリスは俺達とは違って12歳らしいので、冒険者登録できる年齢だし、口座を作ることもできる。


 出会いは押しかけであるが、断ればクリスは中年親父に売られてしまうことを考えると、良心的にも断りづらい。


「まあ良いんじゃない? メイドと言っても殆どやることは無いと思うけど」


「僕達が日中授業を受けている間に買い出ししてもらったりくらいかな?」


「私は別にいいけど」


 アキ、メアリー、シュネの3人も特に異論は無いようだ。


 スターやマリー、マンシュタインも別にパーティーに加えてもリーダーが決めた事には文句は言わないし、パーティーに参加させてくれって煩い同級生達を断る口実にもなるから良いと言われた。


「とりあえず仮で1年契約するよ。冒険者登録はしておいてくれるかい?」


「おや? 一緒に着いてきてはくれないのですか? ご主人様」


「……せっかくだし冒険者ギルドの中に入ってみるか」


 冒険者ギルドの買取の所にはよく入るが、依頼を出している場所だったり冒険者がたむろしているような場所はあんまり出入りしたことが無かった。


 用事が無かったので、別に行く必要が無かったとも言えるが。


「今週の休みの日はクリスの冒険者登録だな」


 ミクさんにクリスも泊めて良いかと聞くと、お金払ってくれるなら問題なし! と親指を立てたグーサインをしてくれた。


 部屋はスターやマリーの許可を取って同じ部屋で寝ることに。


「私物は持ってきているのか?」


「ええ、このバックに入っているので全てです」


 クリスは孤児だったから教会で私物を持っておく必要が無かったらしい。


 なので手提げかばん1つで収まっていた。


「メイドっていうけど、クリスは何ができるの?」


「そうですねぇ……」


 クリス曰く教会での炊き出しをしたり、教会で働いている人や孤児の仲間達に料理を作ったり、長く服を使う必要があったり、教会のバザーで売るために裁縫を身につけ、あとは傷薬のポーションを作ったり、教会が書物の写本をシタリもしていたので、字が綺麗だったから写本の手伝いもしていたらしい。


 想像以上に才女だな……クリスは。


「本来ならこの才能を商会とか普通の貴族のメイドとして生かしたかったのですがね」


 そりゃそうだ。


 ちゃちゃっと私物を部屋に運び込み、私服に着替えるが……残念な所見つけた。


 私服のセンスがダサい。


 いや、美少女なのである程度何を着ても様になるのであるが、ネタTシャツを公衆の面々の前で着るのはどうよ……。


 ちなみにTシャツには宗教弾圧反対というとても物騒な言葉が書かれていた。


 近くに居た嬢達があまりの服のセンスにドン引きしているし、俺達も若干引いている。


 ちなみに他の服も


『1日6時間労働』


『魔法革命』


『食う、寝る、酒』


 というなんとも言えないTシャツが複数枚出てきた。


「バザーでこの手のTシャツがよく売れるんですよね。売れるということは普通の人は着ているのでしょ?」


「部屋着に決まってるだろ!」


 俺はたまらず突っ込みを入れる。


 こうして俺達のパーティーに愉快なお姉さんのクリスが加入することになるのだった。


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