第64話 ナーリッツパーティー始動
予備校での初日が終わり、俺達は宿で嬢達に魔法をかけた後に4人で風呂に浸かっていた。
「初日から注目の的だね。あんなに目立ってよかったの?」
「私とアキは若干空気だったけど、メアリーとナツは凄い質問攻めされていたね」
俺とメアリーに質問が集中していたためにマンシュタインと話していた2人がそう言う。
聞かれた質問は出身地だったり他に倒した魔物が居たら見せて欲しいだとか魔法はどれぐらい使えるのかなんかで凄いがっついていた。
あとはメアリー達の関係で幼馴染兼恋人って伝えると、男達から嫉妬の感情を向けられたが……。
「それだけナツが男として優れているってことさ」
メアリーがフォローしてくれる。
教官にあれだけ言われたので、明日からはおかしな格好をしてくる人も居なくなるだろう。
これで仮装パーティーみたいな感じとはおさらばである。
「現状4人でパーティー組んでいるけど、追加で人は入れるの?」
シュネが質問してくる。
メアリーが
「僕達は卒業したらクランを作ろうとしているんだから構成員はなるべく多くいた方が良いからね。パーティー人数最大の8人を目指していこうと思うよ」
「8人はクラスメイトから選ぶの?」
「うーん、僕的にはクラスメイトから選びたい。だって魔法使いや実力がある人が揃っているし、将来貴族を目指すってなった時に支えてくれそうな人材の方が良いでしょ」
「それは確かに」
俺もメアリーの言葉に同調しておく。
俺達の目標は貴族になること。
それでメアリー、アキ、シュネの3人と結婚するのが最初のゴールになるだろう。
特待生の人達に逆に自己紹介を求めると、殆どが辺境伯家の家臣の息子か娘。
立場的に一番偉かったのはマンシュタインの奴だったし。
「話している限りマンシュタインはパーティーに誘いたいんだけどな。色々コネ持ってそうだし」
「確かにね。本人に参加する意思があるならパーティーに入ってもらおうか」
とりあえずマンシュタインにパーティーに入らないかと誘うことにするのだった。
翌日、予備校に向かうと、早朝から勉強している女の子が2人居た。
他の生徒達はまだ来ていないようだ。
「朝早いな……えっと」
「私はスター・レイマン。こっちはマリー・プレプス。昨日は皆に声かけられていたから遠慮したの。同じクラスだし、名前だけでも覚えてくれると嬉しいわ」
「よろしくね!」
「ならこっちも自己紹介を。ナーリッツ・アドラー……ナツで良いよ」
俺に続けてメアリー、シュネ、アキの3人もスターとマリーの2人に自己紹介をする。
「2人も辺境伯家の家臣の娘さん?」
「そう、私は辺境伯家のお雇い魔法使いを輩出している家系出身、マリーは辺境伯軍の家柄よ」
「女だから軍には入れなくってね」
「ん? 軍って女性入れないのか?」
俺はマリーに質問してみると、軍は基本男所帯。
女性を軍に組み込んでいる貴族軍もいるらしいが、男女関係でトラブルが起こりやすくなる傾向が強いらしい。
なので辺境伯軍では伝統的に軍は男性のみが所属することになっているらしい。
あとついでに辺境伯家の魔法使い事情を聞くと、とても優秀な元冒険者の男性魔法使いを辺境伯家筆頭魔法使いとし、その下に家臣筋や冒険者を引退した優秀な魔法使いを数十名囲っているらしい。
ただ一時的に枠の数を増やすことはあっても家臣達に支払う予算の都合上、そう簡単になれるという訳でも無いらしい。
スターの兄や姉もその下の魔法使い達の従者……実質弟子になって辺境伯家の家臣もしくは陪臣になれたらしいが、兄弟姉妹が多かったので魔法使いの家柄だとそんなに能力が突出していないスターは冒険者になって身を立てた方が良いと家族や自身が判断して冒険者予備校に通うことにしたらしい。
「色々あるんだな……」
「だから私は魔法使いとしての技は一通り使えるし、マリーは体外に魔力を放出できない体質だけど、身体強化や自己治癒、武芸に優れているの」
「お、売り込んできたな」
「ホーンタイガーを狩れるような強者のパーティーにそりゃ入りたいわよ。実入りも全然違うだろうし」
「ただ私達魔物との戦闘経験が無いから、どこまでできるか分からないから、経験者に付いていきたいって思いもあるの」
「うーん、どうする?」
俺は横で聞いていたメアリー達に聞く。
メアリー達は
「別に良いんじゃない? 数回試験してみて、僕達と合わなかったらパーティーを組まなければ良いだけだし」
……と言ってくる。
俺達が農民出身であると聞いて嫌な顔をされる事も無かったので、差別意識も無さそうだし、最初は誰でも一緒か。
その後俺達歴史や地理の知識が殆ど無いから教えて欲しいと伝えるとスターとマリーは勿論と色々教えてくれた。
そうこうしているとマンシュタインが入ってきて、マンシュタインにもパーティーを組まないかと誘うと
「願ったり叶ったりだよ。こちらも誘おうと思って……おや? スターとマリーを誘ったのかい?」
「ああ、朝一緒になってな」
「彼女達は腕が良いから悪くない選択だと思うよ。どうする? この7人で一旦パーティー登録でもするかい?」
仮のパーティー登録であるが、予備校ではパーティー登録をして休みの日に狩りをすることが許されるのである。
単独で狩りに出ると死傷率が上がるので、予備校に入れるような生徒を死なせたくない予備校側の配慮である。
仮なのは予備校生は色々な可能性を模索してほしいとパーティーの解散登録をしやすくするためである。
冒険者になってからパーティーの解散をすると、パーティーの共同口座の解約だったり、解散の理由が記録として残るのである。
理由が悪質だったりすると冒険者ギルドのブラックリスト入りしたり、新しくパーティーを組みづらくなったりとデメリットが色々ある。
なので予備校時代に色々な組み合わせを模索しておきましょうと言うことなのであろう。
仮登録なのでアルフレッドさんの銀の翼みたいなパーティー名は名付けられなくて、リーダーの名前プラス後ろにパーティーと付いたのが名前代わりになる。
俺達の場合は俺がリーダーやることになったのでナーリッツパーティーという名前になる。
〇〇と愉快な仲間達みたいでちょっと面白いな。
教官が入ってきて、授業が開始するが、今日の授業が早速パーティーについてだったのでパーティーを組むメリット、デメリットを知ることができた。
昼休みにジェイシェット教官にパーティー登録をしたいので登録用紙をくださいと言うと、何故か納得された顔をして用紙をくれた。
放課後に俺達パーティーメンバーと共に職員室に登録用紙を提出に行くと……
「なんだ、幼馴染の4人でてっきりパーティーを組むものだと思っていたが」
「人数増えた方が狩りが安定すると思いまして。あと俺やメアリー、シュネー、アキーニャは町に慣れてませんし」
「ふーむ、マンシュタイン、スター、マリーの3人も納得の上なんだな?」
「「「はい」」」
「ならばよし。パーティーの登録を許可する。それと狩りに行くんだったらどこに行くか先に狩場を報告してくれ。ホーンタイガーを狩れるお前らだからある程度の場所は許可するが」
「お勧めの狩場とかありますか?」
「そうだな……明日の授業は近場の狩場について教えよう。聞いてから考えるでいいだろう」
「わかりました。じゃあパーティー登録の件よろしくお願いします」
「おう、任された」
こうして俺達7人はナーリッツパーティーとして始動することになるのだった。




