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転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】配慮版  作者: 星野林
冒険者予備校生

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第50話 ワイバーンの交渉

「ワイバーン倒してきました」


 俺が地上に降りて、ワイバーンの体を地面に置いてから、皆の元に駆け寄ると、アキ、メアリー、シュネはナイス〜と言ってハイタッチしたが、他の人達は啞然としていた。


「どうかしましたか?」


「お、おま……いや、ナツ君だったか……空を飛んでワイバーンを一刀両断とはマジか……」


 アルフレッドさんが驚愕した表情で俺に話しかける。


「ワイバーン程度なら俺以外にもアキ、シュネ、メアリー全員倒せますよ。冒険者なら倒せる魔物ではなくて?」


「なわけあるか! ワイバーン倒せる冒険者なんてプラチナ級の冒険者パーティーでやっとだぞ! それか王宮魔導士達の幹部クラスでやっとな筈だ! それを単独で倒すなんて……」


「あれ〜……冒険者がどれぐらいの強さか分からなかったので鍛えまくったらこんな感じに……」


「……まぁ常識を覚えた方が良いな。とりあえず……あれをどうするかだ」


 アルフレッドさんはワイバーンの亡骸を指差す。


「解体してしまいましょう。ワイバーンの肉って凄く美味しいのでね」


 とりあえず全員で解体をすることになるのだった。






 ジャラジャラジャラ


 俺達がいつもの様に魔法を使って鱗を剥がしていくのを見て、クムさんが


「納得がいきました。君達がやはり動物を狩って毛皮を鞣していたのですね」


「ええ、まぁ……村でわかってしまうと村の利益のために拘束されてしまうんじゃないかって思って黙っていましたが……」


 俺がクムさんにそう答えると、クムさんは頷きながら


「それが正しいでしょう。協力していたエルウィン殿(シュネの父親)もそれが分かっていたから一芝居をしていたのですね。となるとあの蜂蜜やジャムも作っていたのは君達ですか」


「はい、森の奥に蜂蜜が採取できる場所があってそこで蜂蜜や木苺を収穫していました」


「森の奥って魔物の領域じゃねえのか?」


 会話にジャズさんが入ってくる。


 銀の翼の他のメンバーも俺の話を聞いている。


「ええ、俺達は日中は森の奥……、魔物の領域で魔法の練習を繰り返していました。黙っていてほしいんですけど……俺空間魔法が使えるので……」


 グニョンと空間が歪むと、その中から最初に狩った白いホーンタイガーの頭を取り出す。


「ほ、ホワイトホーンタイガー……すげぇ……ホーンタイガーの希少種じゃねぇか……」


「ホーンタイガーでもゴールドランクの冒険者パーティーが苦戦する相手なのに……その希少種となったらワイバーンよりは弱いかもしれないが、プラチナランクの冒険者が相手取る魔物よ!」


「す、すげぇ……いや、ワイバーン倒しているから今更か……というか空間魔法も使えるのかよ」


「やっぱり空間魔法は使える人は少ないですよね?」


 俺がクムさん達に聞くと、クムさん曰く、空間魔法を使えるだけで大貴族から家臣に取り立てられるほど希少な人材らしく、商人達からも引っ張りだこらしい。


 軍需物資を纏めて運んだり、物を楽に運ぶことができるので官民共に大人気らしい。


「もしや倒したワイバーンも異空間に収納していたりしますか?」


「ええ、数百体のワイバーンを異空間に収納しています。参考までに魔石だけでも見ますか?」


「疑うわけではないですが……お願いします」


 クムさんに言われたので異空間から魔石を取り出し、クムさんに渡すと商人の顔になって吟味する。


「間違いないですね。この大きさと質感……普通の魔物の魔石とは一線を画している……1つで白金貨100枚(日本円換算で1億円)はかたいでしょうな」


「え? ワイバーンの魔石ってそんなに価値があるんですか?」


「そりゃ勿論。末席とは言え最強種ドラゴンの1種ですから……ワイバーンの鱗や骨、肉、魔石全てで白金貨500枚にもなるのでね。ワイバーン狩り専用の冒険者パーティーなんかもいるくらいで、彼らはドラゴンスレイヤーと呼ばれ、爵位を貰えるくらい凄いのですよ」


 毎日倒していたのであんまり実感が湧いてこない。


「このワイバーンの素材、私では買い取ることができないので、友人の商人に卸す事は可能ですか!」


 息荒くクムさんが俺に交渉してくる。


 別に俺はいいのであるが、ワイバーン倒せる人物が冒険者予備校に通うのって大丈夫か聞くと、銀の翼のメンバーの方々は首を横に振った。


「多分普通に冒険者になるように勧められると思うぞ」


「最初からシルバーランク……いや、ゴールドランクから開始かも」


 アルフレッドさんとマーシーさんが答えてくれる。


「あれ、でも冒険者って例外なく10歳以上からっていう決まりがありますよね」


「……確かにある。この場合どうなるんだろうか」


 皆腕組んで悩んでしまうが、俺はポンと手を叩いてこうしましょうと言う。


「このワイバーンは俺が倒したんじゃなくて道に亡骸が転がっていた。それを運良く俺達が見つけて鱗や骨、魔石を回収させてもらって、それらはクムさんの仲間に売ることにした。クムさんは素材の代金を俺達と銀の翼の皆さんに山分け……というのはだめですか?」


 クムさんや銀の翼の面々は驚愕し


「それだと俺達も相当な金額を受け取ることになるんだが良いのか?」


 とアルフレッドさんが聞いてくるが、俺は構わないと言う。


「俺的には換金できる方が助かりますし、冒険者予備校生として知見や常識を身に着けるのも目的なので運が良かっただけにしてもらえると助かります。それにガキが大金持っているとわかると余計な人が群がってくるので」


 クムさんやアルフレッドさんは納得し、売却代金はここの全員均等に山分けをすること、俺が素材を異空間に仕舞って場所まで運ぶので討伐者が俺であることは隠すこと、銀の翼のメンバーも大金を得たことはなるべく外に漏らさないようにして、直ぐに冒険者ギルドに金を預けてしまう事なんかを決めた。


 銀の翼のメンバーの方々もまだ若年パーティー。金を持っているとわかると周りの嫉妬や襲われる可能性があるのでちょっとずつ引き出していくことにしよう話し合っていた。


「メアリー達もそれでいいよな?」


「勿論。ただクムさん、なるべくいい宿紹介してくださいよ」


「勿論だとも。質の良い宿を紹介するから安心してくれ」


 交渉は成立し、俺は次々にワイバーンの素材を異空間に仕舞っていくのだった。










「さて、肉はちゃちゃっと食べてしまいましょい」


 ワイバーンの肉は食べてしまうことにし、移動中の食事は俺に作らせてほしいと言うと、基本保存食を食べることになるので、美味しい食事が食べられるのであればそれの方が望ましいですとクムさんも言ってくれた。


 というわけで料理当番になった俺は土魔法で即席の竈を作り、まだ異空間に残っている小麦粉を使ってパンを焼いていく。


 銀の翼の皆さんやクムさんは俺の作る料理に興味があるようで、作る工程を覗いている。


 発酵の魔法でコネたパンが瞬時に膨らんでいき、それを竈で焼き上げるのと同時に、フライパンを異空間からだしてワイバーンの肉に黒曜石の包丁で切り込みを入れて、牛の魔物を狩って異空間に保存しておいた牛脂をフライパンに敷いて、ニンニクをを炒める。


 そこに厚切りのワイバーンの肉をドンと置き、ステーキとして焼いていく。


 それと同時にジャガイモと玉ねぎ、細かく刻んだワイバーン肉を入れて鍋でグツグツと煮込む。


 ワイバーンの肉は旨味がすごいことになっているので、煮込むだけで味が染み出てスープに濃い味がつくのである。


 それをすりつぶしたジャガイモと玉ねぎを軽くフライパンで炒めてからスープに投入して煮込むことでまろやかな味わいに整えることができる。


 アキが作った磁器製の器によそって完成である。


 白パン、ワイバーン肉のステーキ、ワイバーン肉入りのスープの完成だ。


 いざ実食。


「んん! ワイバーンの肉ってこんなにも美味しいのですね! 長いこと商人をして色々各地で食べてきましたが、こんなにも味の濃い肉は初めて食べました!」


「ステーキも柔らかくてうっめぇ! 口の中でトロける食感! それでいて癖になる味だぜ!」


「とても美味しいわ!」


 クムさんだけでなく銀の翼のメンバーの方々も美味しい美味しいと沢山食べて、お代わりを要求する始末。


 俺は追加でステーキを焼いて皆に配っていき、あっという間に10キロ以上の肉が皆の胃袋に消えてしまった。


「いやぁ美味かった……町に行くまでの1ヶ月間、これが毎日食べられるんだよな?」


「ええ、まだまだ色々な料理を作れるので楽しみにしておいてください」


「そりゃ楽しみだ!」


 銀の翼のメンバーの皆さんもやる気が上がったらしく食後の談笑へと移るのだった。

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