第143話 エッチな騒動 1
「ナツ……本当に精通したの!」
「ああ、今朝したけど、他の人にはバレてないハズだ」
俺の言葉に3人はガッツポーズをしていた。
「これでセックスできるね!」
「ただ子作りはあと4年は待たないとね。薬や治癒魔法で母体はなんとかなるけど、若年で子供作ると早産になりやすかったり、子供が上手く育たない場合もあるらしいから」
ちなみにこの世界だと貴族の出産適齢期は16歳から35歳までとされている。
結婚自体は20歳を超えれば年増扱いであるが……。
治癒の魔法や薬で金さえあれば母親が死ぬ事は殆ど無いが、治癒魔法の使い手が少ない田舎の村とかだと、産婆が活躍するくらいなので、母子共に相応のリスクが伴う。
町では現代日本以上に出産リスクは低いが、田舎は江戸時代レベル……という感じ。
なのでメアリー達と子供を作るのは15歳を超えてからというのはラインハルトや辺境伯様にも伝えていた。
これは両者から了承を貰っている。
あとデーニッツさんから言われている精通したらラインハルトに筆下ろしの人物を紹介してもらえって言われていたが、今回の肉体でも初めては3人の誰かって決めている。
筆下ろし云々はメアリー達にも相談していたので、その前に童貞と処女を捨てるというのは決めていた。
「残念だけど1人1日使って処女と童貞を捨てるっていうのはラインハルトに勘付かれるから、ゆっくり休める明日までにしないといけないね……僕的にはバッチコイだけど」
メアリーは今日中なら何時でも良い……なるべく4人一緒にを提案する。
アキ、シュネの2人もメアリーの提案に了承し、ただ午後からにしようと言う。
「私もシュネも午前中はやらなきゃいけないことがあるから……メアリーが待てるんだったら午後からにするけど……待てる?」
「そりゃもちろん。この状況で抜け駆けはしないさ」
というわけで午後までに精力を高めておいてねとアキに言われてしまったが、午前中は俺も政務を片付けておかないと……。
ラインハルトと一緒に執務室で他の貴族の冠婚葬祭の香典や祝いの品を贈ったり、式典に参加する時はスピーチをすることもあるので、その例文を書いたり、お子さんが産まれたらベビー用品を贈ったりとほぼ人付き合いに関する仕事が殆ど。
あとはラインハルトとシュネの親父さんが纏めた決算報告書を確認したり、辺境伯様から次の依頼についての調整を行う。
だいたい午前中……もしくは昼食を食べてから1時間程度で俺の政務作業は終わりになる。
今日もそれで終わりだろうと思っていたら、ラインハルトから声をかけられた。
「どうしたラインハルト?」
「いえ、そろそろナーリッツ様も精通する頃だと思いましてね」
勘が鋭いというか……今日のタイミングで言うのか……。
「確かに11歳から13歳で精通することが多いと聞くけど」
「ええ、ただそれは一般人の話です。魔力量が多い人は8歳や9歳頃で精通することも多いのですよ」
確かにうちの男性陣は精通してジャズさんとデーニッツさんに誘われて娼館に通っていたからな。
俺がどちらかと言うと遅いのか……。
「それにナーリッツ様であれば自分のタイミングで精通することは可能なのではありませんか?」
「はは、まさか……」
いや、やろうと思えばできたのであるが、メアリー達を孕ませることも今はできないし、タイミングを間違えれば、シュネ達で童貞が捨てられなくなってしまうので、タイミングを見極めていた……というのもあるけど……。
「確かにそろそろ精通してもおかしくないけど、筆下ろしの話か?」
「はい、希望者のリストをこちらに」
「希望者?」
リストを確認するとミクやうちで働いているメイド達の名前が載っていた。
「え? これって……」
「本人達からの了承は取ってあります。ミクは少々若いですが、実家が娼館だったので知識はございますし、他のメイド達は既に経験済みです。彼女達やその家族にも了承を取っております」
どんだけ根回ししているんだよ……。
いや、貴族にとって筆下ろしがそれだけ大切な行為なのであろうが……。
「後で選んでおくね」
「いや、今選んでください」
ラインハルトは俺の逃げ道を塞いでくる。
なんだ……もしかして精通したことがバレたのか?
いや、証拠となりそうな物は全て洗浄及び脱臭したはずであるが!
「何をそんなにラインハルトは焦っているんだ? 俺まだ精通していないけど」
「いえ、奥様方に了承を取らないといけないので焦っているのですよ」
あぁ、なるほど……ラインハルト的にはアキ達に筆下ろしの必要性を説明しなければいけないと思っているから取り決めておきたいのか……。
リストを見てみると、メイド達と言ってもクラスメイトの子達やライラック、アルフレッドとイチャイチャしているマーシーはちゃんと除外されているな。
これでマーシーやホワイトの名前があったら人間不信になりそうだった。
「この中だと誰になりますか?」
「……ミクで」
「なるほど……了解致しました」
無難に誰とも付き合っていないミクを選択し、ラインハルトとのやり取りはそこで終わるのだった。
その場で聞いていたマンシュタインが
「まぁこれも貴族の務めだから……楽しむくらいの気でいろよ」
そうアドバイスされたが……ごめんマンシュタイン。
今日の午後から嫁達とおセッセする予定なんだ。
俺が敏感になっているせいもあるが、なんとかラインハルトの筆下ろしの話を終わらせて、政務に没頭するのであった。
「ふぅ……なんとか終わった……」
午前中のうちに今日の政務を終わらせて、昼食を軽く取り、部屋で精力の付く料理を食べておく。
にんにくとかニラとか……そういうのもあるにはあるが、口臭が酷くなるので今回は除外。
「こういう時に良いのがこれだよな」
それはくるみ。
魔法で精子を作ることができるとはいえ、体の栄養素を徐々に使ってしまう。
アキの作った精力剤でも補えなくは無いが、食事でも補っておいた方が良い。
そこで精子を作るのに必要なのが亜鉛で、亜鉛を多く含む食べ物にくるみがある。
ナッツ系でも良いが、俺はくるみを推しておく。
くるみ単体で食べても良いが、上手く体に吸収させたいなら豚肉と味噌と一緒に焼いた料理が滅茶苦茶精が付く。
異空間の中に前に作っていた豚肉とくるみの味噌焼きバーガーを頬張り、一瞬で平らげていく。
あとはスッポンの血も滋養強壮や精力剤として活用され、この世界の川にも噛みつき亀が居たし、漁師が釣って食べていたので、泥抜きして締めた物を異空間にしまっていたのである。
コップに血を貯めて飲み干すが……まぁ生臭い。
血を舐めた特有の鉄分の味がするが、これが精力になるので、我慢して飲む。
残ったスッポンは風魔法で斬り裂いて、皿に盛り付け、刺身で頂く。
アニサキスなどの寄生虫が怖いかもしれないが、絞めた時に氷漬けにして1日置いておいたので冷凍殺菌済みである。
一度芯まで冷やしているので問題は無い。
「刺身は普通に美味しいな」
鳥に近い味であるが……どちらかと言うと馬刺しや鯨の刺身とかの方が個人的には近いように感じた。
醤油だけでなくすりおろした生姜を混ぜて生姜醤油にしてから食べたらこれが格段に美味い。
白米があれば最高だったが……。
あっという間に食べ終わり、アキ特製ポーションを飲んで決戦に備えるのであった。




