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転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】配慮版  作者: 星野林
ケッセルリンク男爵の夏休み

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第122話 夏休み終了

 とんだ里帰りになってしまったが、とりあえず俺らとしては家族全員をあの僻地から解放することができただけでも良しとする。


 今後の家族の事は話し合いながら決めていくとして……一番最初に囲い込むべきはシュネの親父さんとお兄さんのアドミンさんだな。


 部屋の一室で休んでいるシュネの両親とアドミンさんに声をかけた。


「失礼します……シュネの親父さん……いや、エルウィンさん。体調の方は大丈夫でしょうか」


「いや……いきなりの不意打ちだったから不覚を取ってしまったよ。情けない限りで……。シュネの治療とアキちゃんが作ってくれたポーションのお陰で回復できたけど、少しまだふらつくかな」


「ベッドの上で寝ていて結構ですので、アドミンさんと一緒に聞いていてください」


「私は退室した方が良いですか?」


「いえ、機密を話す訳ではないのでこの場に居てください」


 シュネのお母さんが退室しようとするが、引き止めた。


 彼女も地主の妻として教育を受けてきた身である為、家中統制の為に活用したい人材である。


「アドミンさんは家の中で会った家臣の多くがまだ幼いと感じた事でしょう」


「アドミンで結構です。ナーリッツ男爵。貴方の方が立場が上なので呼び捨てにしてください」


「私もエルウィンで結構です」


「……ではエルウィンとアドミンと呼びますが、どう感じました?」


 若年の者が多く、統率しているのもまだ20代前半のラインハルト、メイドや警護している人達も若手で固められており、例外はコックと庭師くらいじゃないだろうかとアドミンが答える。


 流石よく見ている。


「家臣の多くは将来性を見込んで冒険者予備校の学友から雇用しました。ラインハルトとメイド数名、そして警備兵は冒険者パーティーメンバーの兄や関係者が殆どです」


「なるほど……まさに新興貴族の陣容ですね」


「ええ、ただ辺境伯様は私を南部地域のカンフル剤としたいらしく、数年後には南西部にある未開拓地域の殆どを私に開発権を譲るとも言われています」


 俺は異空間から南部地域の地図を取り出すと、アドミンとエルウィンの両名が見える位置に広げた。


「……広大な領土ですね……広さだけならば辺境伯家の管轄する領地の3分の1ですか」


「ええ」


 前に辺境伯家の領土は中国ほどあると説明したが、俺らに譲ると言っているのは満州地域くらいの広さがあった。


 日本の国土換算で約3倍強の広さの開発権利を譲ってくれたのである。


 他の辺境伯や公爵と比べても引けを取らない広さがある。


「まぁその大半が森林や樹海となっているのですがね」


 目立つ山脈があるわけでは無いが、魔法のゴリ押しが無ければとても開発できる土地ではないし、地竜やワイバーン、更に強い竜種や地底神の様な強い魔物が相当数居るらしい。


 それでも開発できれば旨味は大きいのと、男爵以上の爵位を新しく与えるには血筋的に広大な土地を開発した実績を皇帝に見せつけた方が色々手っ取り早いらしい。


 それに何も開発は俺達だけで行われるのではなく、辺境伯軍の支援や隣接するクルップ公爵の住民をも抱き込んで大規模に行うと約束されていた。


 支援の大きさは、予備校卒業後に行うワイバーン狩りだったり南部の開発を阻害していた各地の魔物の領域の解放を行うことで決まる為、才能あると判断した予備校の学生達も徹底的に教育して戦力化させるつもりであると話す。


「目標金額とかありますか?」


「そうだな……とりあえずワイバーンを5000頭は倒す勢いでやる」


「そんなにワイバーンって生息しているんですか?」


「地元の村近くのワイバーン達が住んでいた山脈……あそこでワイバーンを500頭近く狩ったけど、まだ半分近く個体が残っていたから、生息しているところには沢山いるよ」


 ワイバーンを倒せる者が魔物の中でも上澄みで殆ど居ない為、繁殖を続けて個体数が増えていた。


 まぁメスを巡った争いや事故で亡くなる個体も居るし、卵を守るのがワイバーンは結構疎かな部分があるので、卵を他の魔物に襲われて全体の数が爆発的に増えることはなかったが、全体で見ると増えているため、5000頭近く狩ったとしても絶滅することは無いだろう。


「どれだけ支援を引き出せるか……これについての交渉はラインハルトさんがやる感じですかね?」


「ああ、そのつもりだけど……アドミンはラインハルトの下で色々学んでほしい。俺と同じ年のマンシュタインって奴も素地はあるけど、若すぎて……本格稼働するのにあと6年は必要なのでね。アドミンには一門としてケッセルリンク家を盛り立ててほしい」


「まぁ元よりシュネの下で働くことになるだろうと思っていたのでそこは大丈夫です。父上も大丈夫ですか?」


「ああ、体調が回復次第、ラインハルトから色々教わろう。やはり村の地主と法服貴族の家臣ではやるべきことが色々違うのでね……いやぁ、年甲斐もなくはしゃいでしまうな! 自身の能力を試せるというのは!」


 エルウィンも凄く張り切っている。


 とりあえず話す事は話したし、今後は屋敷で共同生活をしながら知識をつけてくださいと頼んだし、場合によっては家庭教師を雇うので言ってくださいとも伝えておくのだった。








 シュネの家族はこれで大丈夫、うちやメアリーの家も郊外に土地を用意するので合意が取れているから……アキの一家がどうなるかか。


 ちょうどアキも家族と話が終わったのか、部屋から出てきた。


「お、アキ。どうだった?」


「一応今後の話は決まったわ。マートとクラーラが皆の魔法を見て、自分も魔法使いになりたいって言っているけど」


 マートはマンフレートと言い、アキの弟で、クラーラは妹である。


 アキと同じく獣人とドワーフのハーフなのであるが、マートは獣人の血が濃く、放出系の魔法の適性が無く、逆にクラーラはドワーフの血がアキより濃くて、土魔法と火魔法の放出系魔法も扱える素質があるらしい。


 正直どこまで魔法使いとしての適性があるか未知数であるが、アキ自身や弟子のフレンに見守らせるから魔法の練習をさせて良いかと俺に聞いてきた。


「別にポーションのやり方も隠しているわけじゃないし、教えて良いだろう。戦力になれば良し、普通の人ほどの魔力しか増えなくても、生活は色々楽になるしな。あとマートはアキの親父さん的に鍛冶屋をやってほしいんじゃないのか?」


「うーん……弟子入り先は色々探してみるけど、どうしても私達と繋がりたいって野心を持った工房になると思う」


「いいんじゃね? 領地持ったら鍛冶屋とか大勢欲しいし、将来の空手形込みで売り込んで良いんじゃない?」


「うーん、ちょっとこれはクム商会のゼファーさんに聞いてみる。政商もやってるくらいだから意見聞けると思うし」


「まぁ弟さんもまだ幼いし、時間かけて決めなよ」


「うんありがとう」


 そんなこんなで家族の身の回りを整えているうちに残りの夏休み期間は終わるのであった。


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