第115話 夏休みの一幕 川辺で涼もう!水着会
「あちぃ……」
狩り合宿から数日後、夏休みも残りの半分となったある休みの日……この日は前日から気温が高くなり、前日の授業でも暑くて授業に集中しきれない人達が続出していた。
皆の格好も短パンもしくはミニスカートにTシャツとだいぶラフな格好で授業を受けていたが、それでも暑かった。
「こういう日って町の人達はどうしているの? マンシュタイン」
「そうだな……川に遊びに行っているな」
「それだ! 俺達も川で涼みに行こう」
せっかくの休みなので遊ばないと損。
しかも暑い時期の方が川遊びは盛り上がるので、誘えるだけ誘って水遊びに行くことに。
「いきなり言われましても……水着がないですよ」
相変わらず屋敷では文字Tシャツを着ているクリス(今回の文字は暑くて干からびそうと書かれていた)が水着が無いと嘆くが
「そんな人達の為に! このアキさんが水着をちゃんと開発しています!」
とアキが皆の分の水着を作っていた。
集まった男子や女子達及び、川遊びに行く事を表明した面々はアキの作った水着を見ていく。
「男子はこっち」
男子向けに用意されていたのはサーフパンツ型とビキニブリーフ型の2種類。
サーフパンツは言わずもがな、ビキニブリーフは履いたらあそこがもっこりするタイプで、息子に自信がない奴が履いたら悲惨な事になる。
ビキニブリーフを真っ先に手にしたのはジャズさんだった。
「おお、伸びる素材なんだな!」
タンクをやっていて浅黒く焼けた肌、そして筋肉質で地球でもボディービルの大会に出場すれば入賞しそうなほど良くできた体をしているジャズさんにビキニブリーフは良く似合う。
「俺はこっちの方が良いな」
「僕もこっちかな」
アルフレッドさんとマンシュタインの2人は無難にサーフパンツタイプを選択。
柄は特になく、紺色と深緑であるが、マンシュタインが試し履きしてポケットに片手を突っ込んでポーズした姿は様になっていた。
「こういう時はノリが一番」
俺が選んだのはビキニブリーフタイプ。
まぁまだ少年の肉体なので、どっちを選んでも特に問題は無いだろう。
女性陣も水着を選んだらしくいざ川へ!
……と、行こうとしたらラインハルトから近くの川で遊ぶのは止めて欲しいと言われてしまった。
「ナーリッツ様は町を危機から救った英雄なのです。それに今の貴方は男爵の当主でれっきとした貴族。故に庶民の前に肌をさらけ出すというのは恥ずべきことになります」
それに周囲も貴族が遊んでいれば気を使わなくてはならなくなるから、双方にとって良くないため、できれば人の居ない下流もしくは上流で楽しんでほしいとのこと。
確かに言われてみればその通りだ。
俺はラインハルトの忠告を聞き入れて、川遊びに行くメンバーをいつものごとくミサイル型の荷車に乗せて、移動するのだった。
移動すること10分。
川の上流に到着し、適度に水量があり、周囲には魔物や動物の気配が少ない場所を選んで降り立った。
男性陣は水着をズボンの中に履いたりしていて、一瞬で着替えを終えて女性陣が荷車で着替えるのを待つ。
俺は川沿いにパラソルを立てたり、椅子を用意したりして遊ぶ準備をしていると、女性陣が着替えを終えて俺達男性陣の前に現れた。
「お待たせ~」
「「「ヒュー」」」
クラスメイト達が大喜びしたのはミクさんとマーシーさんの水着姿で、巨乳の2人がビキニ姿で登場すると、興奮して鼻血を出す者、股間を抑えて性の目覚めを実感する者と少年達には刺激が強すぎたらしい。
「全く男子って単純やな」
次に出てきたフレンやホワイト、クリス、ライラックの4人はラッシュガードタイプの肌があんまり露出しないタイプの水着を選択。
クリスとライラックは胸が少しあるので、水着に山が2つできていたが、成長過程。
フレンとホワイトは9歳だからまだ絶壁。
「まだ女の魅力は出ないね」
「仕方ないよ……これからこれから」
「尻尾のつけ根がスースーする!」
最後に現れたのはメアリー、シュネ、そしてアキの3人。
3人は肩ひもタイプのスクール水着を着ていた。
年齢も相まって逆に似合っている。
「男性陣は……あはは、ミクとマーシーに悩殺されてやんの」
「大丈夫なのナツとマンシュタインとアルフレッドさんだけか」
アキは悩殺されて内股になっている級友達を笑い、メアリーは3人はいつも通りだねと茶化すが、マンシュタインはチラチラとホワイトの事を見ている。
アルフレッドさんは俺の彼女だぞと男子達にマーシーさんで興奮するなと注意していたが……可哀想に、性の目覚めを起こした男子達は2人にメロメロだ。
「こりゃミクさんに言って、彼らはミクさんの実家の娼館で大人になってきた方が良さそうだな」
俺の言葉にシュネも男子達を見て頷いている。
「あれは解消方法をちゃんとしないと猿になるパターン」
性欲を暴走させてせっかく揃えた家臣を解雇したくはないからな。
「じゃあ川遊びを開始しようか!」
「「「「おー!」」」」
ミクさんの言葉に男子達はカッコつけようと滝になっている所から飛び込んだり、滝壺付近で泳いだりして遊んでいた。
魔法が使える面々は溺れそうになったら飛行魔法で川岸に避難することは容易いし、身体強化しかできない奴でもゆっくり浮かんでバタ足すれば川岸に到着するのは容易い。
まぁ俺は川岸で平たい石を拾ってきて、肉を焼きながら溺れる人が出ないように見守っているし、泳ぎが得意らしいジャズさんが泳ぎが怪しいやつに泳ぎ方を教えているので大丈夫だろう。
ちなみにうちのお嬢様方……メアリー、アキ、シュネ、ホワイト、フレン、ライラック、クリスの7人はアキが作ったビーチボールで水上バレーをしていた。
「ナツは泳がなくて良いのかい?」
「アルフレッドさんか……肉食べます?」
「じゃあいただこうかな」
今回の肉はワイバーンの肉を特製のタレに漬け込んで味を染み込ませた味付き肉。
米があれば滅茶苦茶進むんだけどな……。
「んん! 美味しい! ってこの肉ワイバーンの肉だよな!」
「ええ、まだまだ異空間に食いきれないほどあるのでじゃんじゃん食べてください」
「全く……売ればどれだけの値段になるのやら……あむ……んん! うめぇ~」
別に泳がないわけではなく、川辺で涼みながらバーベキューをした方が楽しそうと思っただけである。
というか俺の目的は泳ぐよりも避暑の意味合いが強いし、美味い飯が食べられたらそれで満足である。
「ナツは将来領主になりたいんだっけ?」
「そりゃあ……自分の子供に残せるのが色々あった方が良いのでね。今だと屋敷と財産だけですし」
「普通の奴はその2つを残すのでもひーひー言っているんだけどな」
焼けたワイバーンの肉をアルフレッドさんはかぶりつき、俺がコップを出し、水を入れて手渡すと、ごくごくっと飲み干していく。
「ぷはぁ……夢のような生活をさせてくれてありがとうな」
「ふふ、これからもっと働いてもらいますから覚悟しておいてください。あ、でもマーシーさんが育児に追われるのが早そうですね」
「おい!」
「あはは」
こうして川辺で涼みながらワイバーンの肉を食べ、楽しそうに遊んでいる皆を眺めるのであった。




