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転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】配慮版  作者: 星野林
見習い貴族

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第104話 辺境伯様との会食 上

 数日後、俺達はフォーグライン辺境伯に招待されて食事をする機会に恵まれた。


 前回訪れた時は陞爵の儀だったため、長居することは無かったし、喋れた時間もほぼ無かった。


 なので別途時間を設けたのだろう。


 親として子供を助けてくれた事に対してももう少し詳しく話をしたいだろうし。


 今日訪れたのは俺、メアリー、シュネ、アキーニャにラインハルトも呼ばれていた。


 テーブルマナーについても招待から数日でラインハルトに叩き込んでもらい、なんとか形にしてきた。


「数日ぶりであるが前回はろくに喋ることができなかったからな。今日はよく来てくれたナーリッツ、シュネ、アキーニャ、そしてメアリーよ」


「フォーグライン辺境伯様も今日は会食に誘っていただきありがとうございます」


「うむ、では移動するとしよう」


 玄関先で辺境伯様とフレデリック様が出迎えてくれて、会食場に案内してくれた。


 案内してくれた部屋では貴族の豪邸とかで出てくるような長方形の長いテーブルにナイフとフォークが用意されていた。


 控えていたメイドさんにそれぞれの席に誘導されて着席する。


「酒……は流石に年齢的に不味いな。ぶどうジュースでも良いかな?」


「お気遣いありがとうございます」


 流石辺境伯家……食器が全て銀製だ。


 恐らく毒を入れていないので安心して食べてくださいという客人に対して気遣いだろう。


 銀でできたコップにメイドさんがぶどうジュースを入れてくれる。


 フレデリック様は酒が飲める年齢なのでワインを頼み、辺境伯様もワインを注がれる。


 食事の準備が整うまでの間に少し会話を挟む。


 こちらから聞くのはバイパー様の容体である。


「バイパー様の調子はどうなのですか?」


「うむ、薬も完成したことで昨日から飲ませている。劇的に効果が現れたわけではないが、バイパー曰く食欲が久しぶりに湧いてきたと麦粥をおかわりしていた。希望が見えたよ」


「それはよかった……そうそう、サドラーさん(マンシュタインの親父さん)から聞きました。以後のワイバーンの買取についての相談を」


「ああ、未開発の地域の利権を譲ることと、開拓資金として纏めて支払う事になるが大丈夫か?」


「ええ、問題ありません。4人で話し合いましたが、領地を持つことが夢だったので、開拓のやり甲斐のある土地の方がやる気になりますから!」


「そうか……優秀な魔法使いらしく冒険心に富んでいるな。後々の事であるし、その頃にはバイパーの体調も万全になっていることだろう……ふふ、私とバイパーの二代……いや、バイパーの子供も産まれれば三代で南部の領土が飛躍を見届ける事が出来るな。ようやく他家から遅れを巻き返すことが出来る」


「逆に他の領地は栄えているのですか? 田舎から出てきたので辺境伯様のここハーゲンシュタットの町でも凄い大都市に見えるのですが」


「南部最大の都市であるが、帝都周辺や隣のクルップ公爵領の町は凄いぞ。ハーゲンシュタットよりも高い建物が多く、人の多さにも圧倒されるであろう。私も帝都には何度か行ったことがあるが、圧倒されたぞ」


「へぇ……」


 少し帝都の話題に触れたが、帝都は100万人都市と言われ、日本で言う江戸時代の江戸がそう言われていた。


 魔法があるため建築に関しての技術は近代並みに進んでいるし、産業に関しても魔導具が発達しているので町で生活している分には現代日本で生活していた身としても生活自体はできる。


 あと神の間で魔法が使えるか否かで生活水準が大きく変わると本に書いてあったが、魔法使いは収入面での水準や洗浄の魔法が使えるのが大きいだろう。


 クルップ公爵領もそうだが、工業……主に魔導具の製造が盛んということはもう少し近現代みたいな感じの街並みなのかもしれない。


 まぁ俺的にはここのハーゲンシュタットの町みたいに東欧の教会を中心とした円形都市というのも、区画化されているので利便性は高いし、住心地も良いので気に入っているんだけどね。


 辺境伯様もスラムができないように開拓地を意図的に生み出して、人口調整している節もあるし……。


 そんな話をしていたら、食事が用意される。


 コース料理で出され、順番は地球と同じく前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザートの順で、地域によっては魚料理が省略されたり、漁港近くの領主は肉料理を意図的に減らして、地域の特産品を目立たせるといったやり方が行われていた。


 フォーグライン辺境伯領は南部地域のまとめ役なのでこれといった特産品は無いが、各地の特産品が集まるので、自然と料理の質も上がる。


 町の食材でコンソメスープが作れたのも食材がちゃんと集まっている証拠である。


 ……俺達の出身地であるゲンシュタイン騎士領の特産品ってなんだろうか? 


 そもそもコース料理ができるほどの食材が集められるかも疑問である。


 さてさて料理が出されて食事を始めていくが、前菜から生ハムとトマトで花の様に造形されたメニューで生ハム部分を花弁、トマトで子房部分を再現していた。


 黄色のソースがかかっていて普通に美味しい。


 柑橘系のソースかな? 


 そのままスープ、魚料理と続くが、ハーゲンシュタットの町は海から遠い内陸の町なので、川魚がメインになる。


 出された魚は淡水魚でパクーと言うらしい。


 俺は知らなかったが、フレデリック様が解説してくれて、ハーゲンシュタット近くにある大河に生息する巨大魚で、ピラニアの様な見た目をしているのだが、草食で大きさも1メートルを超えることもあるらしい。


 川魚を扱っている漁師達はこの魚が1匹釣れたら1週間は働かなくて良いと言われるお高い魚であるが、味は抜群。


 川魚だが泥臭くなく、淡泊な白身は塩焼き、バター焼き、ソテー、スープなんにでも合う。


 フレデリック様も辺境伯様もこの魚は好物で、バイパー様も体調が悪くなる前はこの魚を好んでいたらしく、養殖して育てることができないか漁師達と研究していたらしい。


 バイパー様が有能と言われる理由はどの分野への知見が深く、家臣や領民と相談して新しく何かを生み出すのが得意らしい。


 バイパー様が体調が悪くなった事で指揮は別の人が行っているが、養殖のパクーも市場に流れ始めているらしい。


 漁師達も養殖に携わる事で収入が安定したとバイパー様を崇める人もいるらしい。


 あとはバイパー様の功績は魔石を用いた遠心分離機を家臣達と作り上げたことだろう。


 これにより蜂蜜とバターの製造量が格段に上がり、領民でも手の届く値段にしたり、貴族達も値段が下がった事で記念日以外でもたっぷり使用できると喜んだらしい。


 そういう事をして領民や家臣、貴族達からも人気があるからこそ、普通に優秀な部類に入るフレデリック様も兄であるバイパー様を尊敬しているし、辺境伯様も溺愛しているのだろう。


 コースも肉料理に入った時、メアリーが何かを察知した。


「口をつけるな!」


 メアリーはそう叫び、辺境伯様やフレデリック様は仰天。


 そのままメアリーは電撃の魔法でメイドの1人に魔法を当てると、メイドは感電して倒れてしまったのだった。

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