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第8話雛乃の実力とその日の終わり(見た目で判断すると痛い目見ます)

進行遅れました!

バチバチバチッ!

雛乃の身体から電流が駆け巡る。

右手を男達に向けてかまえた。

__雛乃、もしかしてこの街中で力を使うつもりなのか?

ヤバい!右手になんか光が集まっている!

本当に使う気だ!

拙いぞ!街中で使ったりしたら、どんな事になるか分からない!雛乃も怒っているから尚更だ!


「雛乃、いけない!ここで力を使ったら駄目だ!」


僕は慌てて雛乃を止める。


「えっ!?……はい、分かりました……」


雛乃はそれを聞いてシュンとすると、光を消した。

ふぅ……。なんとか聞いてくれて助かった。

ちょっと冷や汗が出たよ。ふきふき。

しかし、そうとは知らない男達は無情にも煽ってしまう。


「なにが許せないだ!何様だ!?」

「舐めてっと痛い目みんぜ!」


男達はポケットからフォールディングナイフ(折り畳み式ナイフ)を取り出し、ちらつかせながら脅してきた。

雛乃はそれを見てキッと睨みつける。


「……反省する気は無いようですね……。ならば致し方ありません、無力化してもらいます!」


直後。

突然雛乃の体がスッと沈んだかと思うと、


「――――――!」


ナイフをちらつかせてヘラヘラと笑っていた茶髪が、ガクンと上体を折った。

その鳩尾には的確に雛乃の肘がめり込んでいたのだ。


「ハッ」


次の瞬間、茶髪を素早く地面にねじ伏せて気絶させると、雛乃は反転した。

とっさに何が起きたのか判断しかね、動けずにいた金髪に一瞬で間合いをつめる。


「な、な、な?」


疾い!雛乃の動きは文字通り人間離れしており、金髪の目にはその姿がフッとかき消えたようにしか見えない。


「ぐあっ!」


背後から首に手刀を食らった金髪は、呻き声を上げて昏倒し、気絶する。

僕はあんぐりと口を開けてその光景を見ていた。

まるでアクション映画の戦闘シーンを観ているようだ。

雛乃って力を使わなくても、素で強かったのか。

今後の雛乃への接し方を見直すようにしよう。

まだ死にたくないからね。

そう心に誓うと、僕は雛乃の所に向かった。



雛乃は僕に気づくと嬉しそうに微笑む。

あ~!反応が一々可愛いなー。

ちょっとデレッとしてしまう僕は、誤魔化すように下を見る。

雛乃の足元には、先程KOされた男達がピクピクと白目を剥いて気絶していた。

うん、ちょっとしたホラーだね。

さて、此奴等はどうするか?

そのままにするのもなんだし、その辺の路地裏にでも転がせておくか。

違和感無さそうだしね。

そう決めると、僕達は2人を抱えて路地裏に寝かせると、すぐにその場を離れた。



その後、僕達は買い物を済ませ、家に着く頃には夕方になっていた。


「雄司様、すぐに夕餉の支度を致しますね」

「ありがと。頼んだよ」


雛乃はそう言って、食材の入った重そうな買い物袋を軽々と持ってキッチンへ向かった。

う~ん……。手伝った方が良かったかな?

でもかえって邪魔になるだけかも。

帰りも、僕は買い物袋一つでヒイヒイ言ってたのに、雛乃は殆ど持って軽々と歩いていたな。

雛乃の奴、汗一つ掻いてないし、息も乱れてないぞ。

体力が無い自分が恨めしい。

筋トレでも始めようかな?

僕はそんなことを考えながら、自分の部屋に戻った。

その日の夕飯は満漢全席のように量が多く、なかなか食べきることが出来なかった。

もう少し手加減してくれよ雛乃!

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