表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/22

第21話アイドル的御曹司と誤解×連鎖=勝負?(さて、どっちに賭けようか)

AU「誤字脱字の修正に手間取りました!申し訳ありません!」

雄司「本当に反省してるのかな?続きを楽しみにしてる読者にちゃんと謝罪してよ?」

AU「いやホント反省してます!」

雛乃「でも、こうしてまた投稿出来たので宜しいのではないですか?次からはもっと早めにして下さいね」

AU「おぉ、君は天使か?お礼にバグしてグベラッ!」

千影「もう、駄目だよ雛ちゃん。余り優しくすると、すぐ調子にのるんだから♪」

AU「ウグゥ、だからって顎の付け根に抜き手は酷すぎる!」

玲奈「そうよ千影。顎は外すんじゃなくて砕かないと」

千影「あ、そっか。ごめんね玲ちゃん、私間違ってた」

玲奈「いいのよ、誰だって間違いはあるわ」

AU「そこ!感動的な場面だけど、内容が酷いから!」

雄司「なぁ、そろそろ本編行かないか?」

AU「あ、ああ。それじゃ、続きをどうぞー!」

千影「(……なんか締まらないね)」

玲奈「(仕方無いんじゃないの?こんな作者じゃね)」

AU「そこ!聞こえてるぞ!大きなお世話だ!」

雛乃「え、えっと、取り敢えず、本編始まります!」


キザ男告白壊滅事件(僕命名、無駄に長い)から次の日の朝、僕は雛乃といつもの様に一緒に登校し、校門の近くにきたところで、何やら校門前で人集りが出来ているのに気づいた。

何かあるのかと思って近づいて見ると、その中心に黒塗りのリムジンが停まっていたのだ。

しかも周りを見ると、人集りの殆どが女子で何故か瞳をハートにしてキャーキャーと騒いでる。

何なんだ、この状況は?騒ぎといい、目の前のリムジンといい、芸能人か何かがいるのか?まぁ有名人とか別に興味無いけどね。でも少しだけ見てみるか。


「雄司様、どうかしましたか?学園はすぐそこですけど、早く行かないと遅刻してしまいますよ?はっ、もしかしてご気分が優れないのですか?」


雛乃は野次馬となっている僕の顔を、下から心配そうに覗き込んで聞いてくる。

どうやらいつまでも学園に入らない僕を不思議に思い、何かあったのかと心配になったようだ。


「だ、大丈夫だよ。ただこの人集りは何なのかなって気になってね」


上目遣いの雛乃にドキドキしながら、悟られない様に平静を装って説明する。

つい視線が下にズレて、制服を押し上げてる大きな胸の谷間を凝視してしまったのには勘弁して頂きたい。

だって見えちゃったんだもん、しょうがないじゃんか!

僕はこれでも理性や自制心が強い方だと思っていたが、雛乃が来てからはことごとく崩されていっている。

いくら僕を信頼して慕ってるからといっても、一応男なんだからあまり無防備に来られると色々と困るんだ!

これまで何事も無かったというのが、ある意味奇跡に近い。

それも一重に、紳士としてのフェミニスト精神のおかげだろう。決して据え膳も食えなくてナヨってしまう様なヘタレな訳で無いことは確かだ!

何?言い訳がましいだと?うるさい、自分でも分かってるんだ!敢えて言わないのが優しさってもんだろう、て誰に言ってるんだ僕は。気にしてない、気にしてないぞ!……しくしく。

1人で勝手に落ち込んでいると、突然女子達の騒ぎが大きくなり、何だと思って見ると、リムジンのドアが開いて誰かが出てきた。

おっ、有名人(?)の登場かな?どんな奴なんだろ?これだけの女子達が騒ぐんだ、相当なイケメンに違いない。……忌々しい。

取り敢えず遠くから爪先立ちで覗き込み、その人物が顔を出したときにゲッと呻いてしまう。

そいつは昨日のキザ男……もとい、玄龍院和斗だったのだ。

確かにあいつはある意味有名人だ。金持ちだからリムジンなのも頷ける、というか何この敗北感!?女子達に騒がれてる奴を見てると、負けた気分になってくるぞ!

それに今気づいたが、包帯や傷一つ無く何事もなかったかのように立っている。

おいおい、昨日あれだけ大火傷を負ったのに次の日に完治してるって、どこのコメディマンガだよ!僕だって怪我して病院に行っても、そこまで早く治してくれなかったぞ!金持ちには最高の医療ってか?腹立つなチクショー!

僕は顔には出さずに心の中で憤慨してると、ふと奴と目が合う。

一瞬ギロリと睨まれたが、目線が隣の雛乃に移ると人集りを掻き分けて近づいて来た。

そして雛乃の前に来ると、悲しそうな顔して謝ってきた。


「昨日は本当に済まなかった。いくら振られて頭にきたとはいえ、強制する様な事をしてしまって後悔しているよ。どうか許してくれるかい?」


ほぅ、あの自己チューなキザ男が謝るなんて、それだけ悪かったと思ってるんだろう。さっきの睨みは気のせいだったんだろうな。

雛乃を見ると目をパチクリしていたが、顔を僕の方に向いて口を開いた。


「玄龍院さん、私の事はお気になさらないで下さい。寧ろ、私よりもこの方に謝って頂けませんか?」

「なにっ!?」

「へっ、僕?」


雛乃の言葉にキザ男は目を見開いて驚き、僕は自分を指差す。


「はい。あの時に巻き込まれて、お怪我をされたんですよ!本当に死んじゃうのではないかと思っちゃいました!」


ぷんぷんです、と雛乃は右頬をプクッと膨らませる。

クッ!何だか小さな子供が怒ってるみたいな微笑ましい感じがして、ニヤけてしまう!

でも心配というか、怒ってくれるのは嬉しいんだけど、ちょっとカスった程度で死ぬって、君の中の僕はどれだけ虚弱なんだよ!これでも少しは鍛えてんだけどな……ハァ。

いや、別に1、2日で強くなれるなんて思うほど自惚れてはいないけどね。


「ですので、謝るのでしたら雄司様にお願いします」


そう言って雛乃はペコリと頭を下げる。

僕としては謝罪云々よりも、今後関わらないで欲しいというのが本音なんだけどな。もうあんな絶望感みたいなのを味わいたくないし。

溜め息つきながら奴に目を向けると、物凄く嫌そうな顔をして僕を見ていた。目が合うと、何で貴様なんかにという風に睨み付けられる。

いや、そんな睨まれても……、というか、そんな顔する程僕に謝るのが屈辱的なの!?どんだけ僕を下に見てるんだこの人は!

僕だってその気になれば、お前を倒すことも出来る……かもしれないんだぞ!

……多分っ!

僕も負けじと睨んでいると、雛乃が頭を上げたと同時に、奴の顔が甘いマスクに変わる。

うわっ、こいつ二重人格かよ!女子の前では仮面を被ってんのか!

こんな奴に雛乃は渡せない!

思い立ったら吉の如く、早速奴と雛乃の間に立って雛乃をガードする。

額に青筋立てて凄まれたって、退いてやるものか!


「お前、雛乃さんの周りをうろちょろとしてるみたいだが、一体どういう関係なんだ?まさか恋人」

「えっ、そう見える?(テンション↑)」

「……じゃないな」

「なっ……!(テンション↓)」

「不釣り合いだし」

「うぅっ……!(精神ダメージ)」

「有り得ない」

「ガハァッ!(ハートブレイクによる吐血)」

「もしやストーカーか!?」

「なんでやねん!(条件反射によるツッコミ)」

「嫌がる雛乃さんに付きまとうとは、何て卑劣な奴だ!」

「いや話聞けよ!(敬語が抜ける程の苛立ち)」

「こうなったら、オレが貴様から雛乃さんを救い出してやらねば!」

「もうコイツ嫌だ……(諦めの嘆き)」


何なんだコイツは!人の話は聞かない上に、勝手に悪者扱いして!

それに周りの女子達も奴の味方らしく、僕に罵声を浴びせてくる。


「そうよそうよ!アンタよりも和斗様の方が正しいに決まってるじゃない!」

「アンタなんか和斗様の足元にも及ばないわ!」

「地味なキモオタは身の程を知ってさっさと消えなさいよね!」


……なんか心折れそう。

女の罵声は男よりも攻撃力が高いから、余計に苦しいんだよね。

そもそも、何で朝っぱらから罵倒されて精神すり減らされなきゃいけないんだよ!そんなもので喜ぶような性癖なんか、持ち合わせてないんだからな!

僕は決して変態ではない(ここ重要!テストに出るぞ)!

このままでは心に(トラウマ)が出来かねないので早々に立ち去ろうとすると、眉を逆ハの字にしてむくれていた雛乃が、僕を庇うように前に出て来ると両手を広げて、


「やめて下さい!」


と叫んだ。

キザ男と女子達は、突然のことに驚いて口を閉じる。


「玄龍院さん、この方を侮辱する事は許しませんよ?」

「何言ってるんだ雛乃さん!そいつは悪質なストーカーなんだぞ!大体、君のような可愛い娘と、コイツみたいな凡人との関係があるように思えない。君は騙されているんだ!」


……何だろう、凄く説得力あるのが悲しい。

そりゃ、僕だってこんな可愛い娘と一緒にいられる事自体、有り得ないと思うさ!

でも雛乃が僕と一緒にいたいと言ってくれたのも事実なんだ!もっと自信を持たないと!


「関係ならあります。私は雄司様の「ちょっと待って!」はい?」


雛乃が説明しようとしてるのを、ふと嫌な予感がしたので、すぐに止めた。

そして周りに聞こえない様にして、小声で雛乃に聞く。


「(雛乃、さっき何て言おうとしたの?)」


僕の意図を感じたのか、雛乃は目を前に向けたまま、意識をこちらに向けてくれて同じように小声で話す。


「(それは勿論、私は雄司様の守護者だと説明するんです!)」


やっぱりかぁぁぁぁぁ!!!!

ああもうっ、また予感的中だよチクショウ!

そんな誤解を招く事や、正体がバレる様な事は、例え真実だとしても断じて許すわけにはいかない!

雛乃にとっては偽りを言うのは心苦しいだと思うけど、時には嘘も方便なんだ!


「(あのね雛乃、前にも言った様に人前で力を使うことは勿論、雛乃が守護者だとか、人に怪しまれる様な言動や行為をしないで欲しいんだ)」

「(でも、私が貴方を護るためには本当の事を話した方が良いのではないですか?いざという時に、人前でしたから力が使えず護れませんでした、では困りますから)」

「(まぁ、うん、言いたい事は分かるけど……)」

「(それに、昨日は目の前にいたにも関わらず、貴方にお怪我をさせてしまいました。またあのような事が起こってしまったら、私は嫌です!)」


確かに、僕も嫌だ。不可抗力だったとはいえ、捕まって心配させたからな。

でも、この怪我は別に雛乃のせいじゃないんだから、そんなに負い目を感じなくてもいいのに。


「(いや、あれは僕の不注意であって、雛乃は全然悪くないから!……はぁ、分かったよ)」

「(それでは……)」

「(まだ待って。取り敢えず、普段は人前での力の使用は禁止。但し、緊急事態の時は使用しても良いとするよ)」

「(はい!)」

「(それから、僕達の関係は一応従兄妹同士という事にしてね。守護者だとか、人とは違う事がバレると一緒にいられなくなるかも知れないんだから)」

「(そ、それは困ります!)」

「(だから、そうならない為にも従兄妹だって演技して欲しいんだ。後、同棲してるとかも秘密だよ)」

「(そういう事でしたら、仕方ありません。雄司様の為にも、私頑張ってみます!)」


いや僕の為じゃなくて、雛乃の為なんだけどな。

僕がそう思ってるのもつゆ知らず、雛乃はコクンと頷いて両手を下ろし、再びキザ男と対峙する。


「雛乃さん、ソイツと話してた様だが、何か強要されたのか?もしかして、弱味を握られて仕方無く一緒にいるとか……」


一体、どこまで僕を悪者に貶めれば気が済むんだろうか……。

初対面の印象はそんなに悪くはなかったはず……だったよね?


「それは違います。私と雄司様の関係はえっと、イトコドウシなのです」

「何、従兄妹だと!?そんな馬鹿な!造型が違いすぎる!」


うるせー!大きなお世話だチキショー!好きで地味な顔になったんじゃないやい!

ホントに腹立つなコイツ!でもこれで秘密がバレる事も無いだろう。

従兄妹同士という言葉が、何故かカタコトなのが多少不安だったが。

僕は安心してフゥと息をつく。

しかし、その一瞬の気の緩みがいけなかった。

次の雛乃の言葉に、僕は自分の迂闊さを思い知ることになる。


「それに、私達が一緒にいるのは当然です。同じ家に住んでいるのですから」


……………………


「「なにぃぃぃぃっっっ!!!!」」


ヴゲェッ!キザ男とハモってしまった!

いやそんなことよりも、何でそんな誤解……じゃないや、知られたくない事実を言っちゃうかね?

これじゃ隠してる意味無いじゃん!

やっぱり雛乃には、嘘や誤魔化しは全く向いてないな。

よーーっっく分かったよ。

また一つ溜め息をつき、キザ男の様子を見ると、思いっきり驚愕な顔して一歩後ずさりしていた。

おー、分かりやすい位に動揺してるな。

つい他人事の様に観察してると、キザ男は何やらブツブツ(ときに嘘だとか、何でこんな奴なんかととか聞こえる)と呟き、持ち直したのかバッと顔を上げると、僕を刺すように睨みつけた。


「貴様、従兄妹なのをいい事に、雛乃さんを監禁してるな!?やはりお前のような鬼畜は、野放しにしておくわけにはいかない!」

「だから話を聞けと言ってんだろ!誰がそんな事するか!」


何でこの数分で僕の評価がさらに外道へと退化を遂げなきゃならん!

なにこれイジメ?神(作者)は僕が嫌いなのか!?

周りの自分に対する理不尽さに嘆いていると、突然キザ男がビシッと指を突きつけてきた。


「貴様にはもう我慢ならん!このオレと勝負しろ!」

「えぇー………」


何で僕が、そんな面倒くさい事をしなきゃなんないの。

これ以上ここにいたら、泥沼にハマっちゃいそうだ(もう遅い?)。さっさと学校に入ろっと。

キザ男に背を向けて立ち去ろうとすると、後ろからキザ男が叫ぶ。


「貴様、逃げるのか!」


あったり前じゃん。

誰がそんなくだらない事するか。争いは何も生みません。僕は平和主義なんです。


「ではオレの不戦勝でいいんだな?」


はいはい、どーぞご勝手に。このまま干渉しなくなれば万々歳なんだけどね。


「ふん、所詮は腰抜けか」


ピタッ


僕はその言葉に足を止めた。

腰抜け?僕が腰抜けだって!?

流石にこれにはカチンとした。

平和主義?なにそれ美味しいの?

振り返ってキザ男のところに戻って来ると、腕を払って対峙した。


「誰も、腰抜けなんて、言わせない!」

「ほう、だったらどうする」


キザ男が顎に手を当ててフッと嘲笑うのを見て、僕は指を突き差した。


「望み通り、お前と勝負だ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ