第1話いつもの朝(普通は死亡してると思うが殺しちゃ駄目なんで察して下さい)
やっと書くことが出来ました。
よろしくお願いします。
_ゴヅンッ!
「いでぇえっ!」
後頭部への激しい衝撃に一瞬で目が覚めた。
ぼやける目を開けると、見慣れた天井と自分の首から下が逆さに見える。
また活きのいい寝返りを打ってベッドからずり落ち、一人ジャーマン・スープレックスホールド状態になってしまったらしい。
ゆっくりと起き上がり、ズキズキと痛む首筋をさする。
幸い筋を違えたりはしていないようだ。
「何故だ?ベッドの四方に落下防止の柵を付けたはずなのに……。また対策考えないと、マジでそのうち死ぬな……。しかし今日のは酷かったな。こんな落ち方したの初めてだぞ……」
これというのも昔懐かしい、しかしあまり思い出したくもない恥ずかしい夢を見た所為だろう。
自分でもよくもまああんなことをと、未だに赤面せずにはいられない。
「でも、あの娘、可愛かったよなぁ。今頃どこでどうしてるんだろ?」
祖父に連れて来られて一緒に住むようになり、毎日のように遊んだ幼馴染み。
だがあの丘の上の日から少しも経たぬ内に祖父が研究所へ戻ることになり、あの娘も一緒にいってしまった。
別れるときはお互いに離れたくなくて、抱き合って泣きじゃくった。
けれど時が流れ、小学校に入学したりして新たな友達が出来るに従い、思い出すことも少なくなった。
「いつも生傷絶えない不幸な日々なのにあの娘と一緒にいたときの頃は不思議とそんなことはなかったな……」
まるで何かに守られてるような感じだったよな?
朧気な記憶だから気のせいだと思うけど。
そんなことを思いながらのっそりと起き上がり、ふと時計を見ると一瞬で目が醒めた。
「だああああああ!!遅刻するぅぅぅ!!」
慌てて制服を掴み、着替えながら階段を降りようとしたとき足元にヌルッとした感触と共に天地が逆になる。
「えっ?」
そのまま脳天への衝撃と首の嫌な音(骨を捻りながら折るような)と共に、
ドンガラガッシャーン
と、転げ落ちてしまった。
「ぐぅあぁ……、い、いたた……。何なんだ一体……?」
頭と首をさすりながらヨロヨロと体を起こすと、ポトッと頭に何かが落ちてきた。
摘んで見ると、そこにはなんと!
ザ・バナナの皮!!
「何でこんなもんがあるんだ?僕、食べた覚えなんて無いぞ?って、こんなことしてる場合じゃない!」
痛みを堪えながら制服に着替え、ガス栓と窓を閉め、最後に鞄を持って玄関の鍵を閉めた。
「今日こそは良い日でありますように、行って来まーす!」
それから全速力で学園へと向かう。
これが大体の天坂雄司の朝の日常である。
そして今日この日が彼の人生を変えることを本人はまだ知らない。