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第18話モテる雛乃とライバルの出現!?(ラブコメにはライバルが必要)

ネタはあるのに書くのが遅いので、続きを楽しみにしている読者にはご迷惑をかけます!

雛乃が神帝学園に転校してきて約1週間がたった。

普通の人なら、その頃には学園生活にも慣れ、何の変哲もなく時が過ぎるように暮らしているだろう。

そう、普通の人にとっては……。


いつもの様に雛乃と一緒に登校し、校門からは嫉妬、妬み、憎悪の視線(僕限定)に晒されながら下駄箱まで行く。

これはいつもながら慣れることが出来ない。無論慣れたくもないが。

そして、僕と雛乃がそれぞれの下駄箱を開けたときにそれは起こる。


パカッ


ドサドサドサドサドサ…………ッ!


そう、それは留まる事を知らないラブレターの滝!

まるでナイアガラのようだ。

勿論、僕の下駄箱からでは無い。全くこれっぽっちもモテないからね。

えっ?そんな事とうの昔に分かってる?大きなお世話だチクショウ!

その落ちる音は、隣の雛乃の方からだった。

これが毎日の様に続いているので、いい加減ウンザリしている(僕が)。

というか、この狭い下駄箱によくこれだけのラブレターを入れられたな!

詰め込みすぎとかいう以前に、普通有り得ないだろ!

僕の心のツッコミをよそに、雛乃は落ちたラブレターをかき集めて、事前に用意していた手提げ袋に入れていく。

一人では時間がかかりそうなので、僕も一緒になって手伝った。


「雄司様、お手を煩わせてしまい、申し訳ありません」


雛乃がすまなそうな顔をして謝るのを、僕は首を横に振って否定した。


「いいよこれ位。しかし毎度の事ながら、凄い数だなコレ」

「はい、少し困ってしまいます……(汗)。私、何か悪いことでもしたのでしょうか……?」

「いや、それは無いと思うよ」


憎まれる所か、寧ろ凄く好意的だから。

僕は苦笑いしながら拾い集め、全部入れてパンパンになった手提げ袋を担いで教室に向かった。

あ、勿論担いだのは僕だけどね。

女の子にこんな重い物を持たせるわけにはいかないからな。


「ハァー……ッ、ハァー……ッ(腕プルプル)」


僕だって男なんだ。これ位軽い軽い。鼻歌だって歌えるね。


「フゥー……ッ、フゥー……ッ、お、おもっ……(足ガクガク)」


……スンマセン、見栄張りました。

前言撤回します、むっちゃ重いっス!

これが愛の重さという奴か!腕がミシミシといって凄く辛い!

結局、見かねた雛乃が手提げ袋を持ち、僕は無駄に体力を失って満身創痍となった。


「えっと……、なんかゴメン……」

「構いません。あまりご無理はなさらないで下さい。でも、お気持ちは嬉しかったですよ」

「う、うん……」


な、情けない!僕は自分が恥ずかしいよ!

これじゃモヤシ野郎みたいじゃないか!実際そうだけど!

この日、改めて体力をつけようと心に固く誓った。

教室に着くと、僕はドアを開けて雛乃に先を譲る。

紳士のスキル技、レディーファーストという奴だ。技かどうかは分からんが。

雛乃はお礼を言って教室に入ると、既に居た何人かの人達が振り向く。


「皆さん、おはよう御座います」


雛乃が柔らかく微笑んで挨拶すると、皆が惚けて溜め息をつき、一瞬間を置いて動き出した。


「オハヨー、雛乃ちゃん!」

「グッモーニン桜花ちゃん。今日も可愛いね」

「ハロー、ミス雛乃。その眩しい笑顔が、ミーのハートにズキュンしたよ!」

「今日も1日、よろしくお願いします」


皆の多種多様の挨拶に、雛乃は笑顔で応える。

流石は雛乃、人気者だな。

さてと、次は僕の番だ。


「皆、おはよー」


僕が最低限の笑顔で挨拶すると、皆が途轍もなく深い溜め息をつき、一瞬間を置いて動き出した。


「なんだ、お前いたの?」

「我がクラスの天使である雛乃さんに近づくウジ虫め!」

「なんか幻聴が聞こえた気がしたけど、気のせいね」

「ちょっと待って!なんか酷くないっ!?」


皆の多種多様の毒舌に、僕はツッコミで応える。

流石は僕、嫌われ者だな。

というか、なにこの差!何も悪いことした覚えなんて無いぞ?

理不尽なイジメ(?)に耐えながら自分達の席に行くと、席の側にお馴染みの3人の親友がいた。

真也と松永さんと香山さんだ。


「おはよー、真也」

「真也さん、おはよう御座います」

「よーす、雄司、雛乃ちゃん。今日も一緒だな」

「松永さん、おはよー」

「千影さん、おはよう御座います」

「オッハーだよ、天坂君、雛ちゃん。相変わらず仲良いね♪」

「お、おはよー、香山さん……」

「玲奈さん、おはよう御座いま、きゃう!?」

「ああ~ん!雛乃ちゃんは本当に柔らかくて良い匂いで、最高の抱き心地だわ!それにひきかえ、アンタはなに気安く私に挨拶してんのよ!冗談は存在だけにしてよね!」


ちょっ、おまっ、そこまで見下すことないんじゃないか?

それに顔じゃなく、よりによって存在を指すなんて、どこまで嫌われてるんだろ……。

別に冗談で存在してる訳じゃないのに、シクシク。

あんまりな扱いに心の中で泣いていると、真也が雛乃が持っている手提げ袋に気がついて指をさす。


「雛乃ちゃん、その妙に膨らんでる袋、また入ってたのか?このところ、毎日だぞ!?」

「あ、はい、そうなんです。お断りしているのですけど、一向に減ることがありません……(しょんぼり)」


そう、転校して来てから次の日に、ラブレターや告白等のアプローチが始まり、今に至るまで続いているのだ。

このクラスとて例外ではない。

既にクラスの男子全員(僕と真也以外)は転校2日の日に告白し、玉砕している。

あのときはなんか、ご愁傷様としか言いようがなかった。


~~~~回想開始~~~~


その日、皆のいる教室でいきなり告白してきた男子に対し、雛乃は最初理解しておらず、


「俺とつき合って下さい!」


との返答に、


「どこへですか?」


と真面目に答え、教室は皆の笑いを堪える声に包まれる。

僕は必死に噴き出すのを抑え、雛乃に今の告白のことを説明すると、雛乃は告白してきた男子に謝罪し、改めて返答した。


「お付き合いは出来ませんので、申し訳ありません(ペコリ)」


残念なお断りを。


~~~~回想終了~~~~


あのときの男子の絶望した顔は、結構痛々しかったな。僕は逆にホッとしたけど。

それからはその男子を筆頭にクラスを始め、今まで色んな奴が挑んだが、結果は察しの通り全滅だ。

それでもこんなにアプローチするのは、いつも一緒にいる僕を比較して勝てると観てとのことだろう。

実際に雛乃に告白して来た奴等は揃って、


「こんな地味な幸薄の大したこと無い男より、俺との方が君を幸せに出来るぞ」


と言うのだ。

聞く度に、僕のガラスのハートはロケットランチャーでぶっ飛ばされたみたいに粉々になる。

間違ってないだけに、余計に傷ついてしまう。

あ、また思い出したら涙が。くっ、泣かないぞ!泣くもんか!

こうやって涙を拭くのは一体何度目だろう。

そんなこんなで今に至る。

雛乃が手提げ袋を自分の机に置くと、何故か松永さんと香山さんが物色し始めた。


「何が出るかな♪何が出るかな~♪」

「また何か良い物あるかしら。この前は映画や遊園地のチケットが入ってたしね」


おいコラ2人とも、人の物を勝手に漁るなよ。つか、またって前科有りかい!

2人を呆れた目で見ていると、クイクイと誰かに袖を引っ張られる。

振り向くと、真也がなんだか難しい顔をしていた。


「どしたんだ?ああ、ラブレターが羨ましいのか?」

「ん、いや、俺も時々貰うからそんなことはねーけど」


な、な、何だってぇぇぇぇぇっっっ!!!

く、くそっ!こっちが羨ましいぞ!


「雄司、お前な、そんな睨むんじゃねーよ。どうせ雛乃ちゃんしか興味ないんだろ?それよりもこれ見ろよ」


そう言って真也は一通の手紙を渡す。

ん?つい受け取ってしまったが、何だこれは?


「真也、これは?」

「んー、まぁ、ラブレターなんだか……」

「……えっ……!?」


まさか!真也はそういう趣味だったのか!

しかし僕にはそのケは無い!

ここはキッチリと断らなくては!


「ごめん真也。僕はどちらかと言えば女の子の方が「おい待て!何を勘違いしてるか大体分かるが、話は最後まで聞きやがれ!」ちょっ、タイム!その拳はマジ勘弁!」


ゴスッ!


「いったー!殴ったね!?爺ちゃんだけには殴られたこと無いのに!」

「うるせー、知るか!」


ちょっとしたジョークなのに、おーいてて。


「んで、このラブレターが何だって?」

「それな、雛乃ちゃんが貰った奴の内の一通なんだが。とにかく、その送り主の名前を見てみな」


送り主?誰からかって事か?どれどれ……?


「帝王学科2年、玄龍院和斗(ゲンリュウインカズト)?……誰だ?どっかで聞いたことある気がするけど……」


僕の言葉と同時に突然、松永さんと香山さんがバッと振り向いて凝視した。信じられないって顔して。

ちなみに雛乃は頭に疑問符を浮かべている。

え、なに、僕何か変なこと言った?

2人の視線に戸惑っていると、真也が呆れ顔で溜め息をつき、しょうがねーなという感じで説明する。


「玄龍院和斗、世界でも5本の指に入る程の財閥で有名な玄龍院グループの御曹司で、この神帝学園の帝王学科2年の生徒会長だ。成績優秀で全国模試では常にトップ。特定の部活には所属していないが、運動神経も抜群で運動部から物凄い勧誘されている。おまけに教員や生徒からの人望も厚く、その辺の俳優よりもイケメンだ」


えぇ~、何その反則的な完璧超人は!天然記念物並にも程があるぞ!


「んで、ここからが本題だが、その御曹司がラブレターを出したという事は、雛乃ちゃんに目を付けたらしい。悪いと思ったが読ませて貰ったぞ。返事は昼休みに聞きに来るそうだが、どうする?余談だが口説いた女の子は、99%落とすらしいぜ」

「なっ!そ、そんな……」


軽く目眩がした。そんな奴が相手じゃ、勝ち目なんてあるわけ無いじゃないか。

チクショー、もう失恋かよ!短い恋だったな……。うぅっ……(泣)。


「……まっ、雛乃ちゃんなら大丈夫なんじゃね?見たところお前だけしか見てねーみてーだし。心配すんな」


この時の僕はあまりにショックで、真也のフォローは耳に入ることがなかった。

AU「第4回キャラお悩み相談コーナー。本日は打撃の微笑姫こと松永千影さんに来て頂きグヘァッ!」

千「まったく、相変わらず二つ名を付けるのが好きだねエーさんは。つい顎に膝蹴りしちゃったよ♪」

A「ぐおおおおっ!そっちも相変わらず技のキレに磨きがかかって、まだ痛みが引かないよ!」

千「そんな事よりも話を進めよ。早く終わらせてこの後に遊びに行かなくちゃいけないからね♪」

A「ひ、酷いっ!作者と話をするのと遊びに行くの、どっちが大事なんだ!」

千「遊び♪」

A「……何か最近君達の作者に対する扱いが酷く思えるんだが……」

千「別に今に始まった事じゃないから気にしない♪それよりもお悩みなんだけど、私の友達の玲ちゃんの男嫌いを治したいんだけど、どうしたら良いと思う?」

A「なんか聞き捨てならないことを聞いたが、まあいい。男嫌いか、それなら目には目を!歯には歯を!男には男だ!男が苦手だからって避けてはいけない!まずは視線を合わせる事から始め、慣れてきたら手を触れる。それから徐々に接触部分を増やすんだ。そしたら段々と男嫌いがなくなるぞ」

千「おー、珍しくまともだね♪」

A「それでも駄目だったら、凌辱者を集めた部屋に放り込んでやれば、出てきた頃には立派な男好きにぐべらっ!」

千「まったく、ちょっとだけ感心してたのに、結局こうなるのね……」

A「あがががっ!人中へ的確に肘を打ち込むなんて、死ぬかと思ったぞ!」

千「いっそ死ねばいいのにね♪」

A「酷い!酷いよ!作者に愛の手を差し伸べて欲しいよ!」

千「あ、そろそろ約束の時間になっちゃった。それじゃ、あでゅ~♪」

A「ええーっ!ここで帰っちゃうの!?後味悪すぎだよ!まだフォローもしてないのに。確か次回はあの娘だけど、もし今回の事を聞かれたら……。ヤバい、殺されそうだ!おぉーい、待ってくれー!今回の事は誰にも言わないでくれー!(ダダダダッ!)」

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