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不死者に平和を  作者: 姫神夜神
2 外へ
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11 戦争勃発②

 そこに集結していたのは夥しい数のゾンビ。

 鑑定したら頭がおかしくなりそうな程のゾンビ達が僕と同じ様にここに呼び寄せられたらしい。

 普段殺し合っているのにここではそんな素振りはまるで無い。

 何故ここに呼び出されたのか。

 それはすぐに分かった。


「ギャワォーーーン!」


 正面の壁を破って登場したのは、八本足の巨大な犬。犬というより狼かな?


【スカベンジャーキングLV12

ステータスの鑑定に失敗しました】


 スカベンジャーキングという魔物らしい。

 何より目を引くのは、その巨体でも八本足でも無く頭から被った骨だ。

 一回り大きな巨大な生物の骨を被っていたのだ。

 「死肉喰らい」の名に恥じない不気味さだ。

 そしてキングが開けた大穴からワラワラと何かが出てきた。


【スカベンジャーLV13

ステータスの鑑定に失敗しました】

【スカベンジャーLV13

ステータスの鑑定に失敗しました】

【スカベンジャーLV13

ステータスの鑑定に失敗しました】

【スカベンジャーLV13

攻撃能力値:348

防御能力値:352

速度能力値:408

魔法攻撃能力値:102

魔法防御能力値:114

抵抗能力値:369

HP:308/405 MP:323/399】

【スカベンジャーLV13

ステータスの鑑定に失敗しました】

【スカベンジャーLV13

HP:321/410 MP317/384】

【スカベンジャーLV13

ステータスの鑑定に――


 四本足の「スカベンジャー」がざっと百体くらい。

 その後を六本足の「グレータースカベンジャー」が四十に八本足の「スカベンジャーキング」が数体。

 今まで見た中で一番統率の取れた一団だった。

 因みにグレーター以上は鑑定で禄すっぽ探れなかった。やっぱり上位種、特に大量にいる時は鑑定がし辛い傾向にある。

 どうも僕らは奴らと戦う為に集められたらしい。

 ぶっちゃけ無理ゲーだわ。

 確かにこっちは百や二百では効かぬ千、いや二千近い大群だ。でもあくまで「大群」であって「大軍」ではない。ただゾンビが集まっただけ。

 一方のあっちは数こそこちらに劣るものの、連携の取れたまさしく「軍」って感じ。

 寄せ集めで勝てる敵とは思えない。

 何せこっちにはちゃんとした指揮系統すら無いんだから。

 第一ステータスに大きな開きがある。

 多分一番下位種であるスカベンジャーですら全ステータス三桁。

 一体も鑑定出来てないけどグレーターやキングはそれ以上だろう。

 下手すりゃキングの中には四桁がいるかもしれん。

 一方こちらは上位種のグレーターでやっと三桁行くか行かないかくらいの雑魚集団。

 ソルジャーは三桁代も結構いそうだけど何分絶対数が少ない。

 かく言う僕は元がスライムだからかステータスは低め。正直そっち方面で戦力になるとは思えない。

 せめて指揮官が居れば状況も変わるんだろうけどなぁ。

 と言うとやはりあの人(?)が思い浮かぶよね。

 言わずもがなデスナイトさんだよね。

 レベルは驚異のLV45。

 HP、MP共に5000超え。

 化け物としか言えない彼(彼女?)が居れば僕ら(ゾンビ側)の勝利は間違いないだろう。

 居ないけどね。彼。

 いや何で居ないんだよ。居ろよ。

 今ここで居るべきだろあんたはさあ。

 どっからどう見てもスカベンジャーよりはこっち側でしょあんた。

 手貸せよ、こちとらピンチなんだよ。

 今。マジで。結構ガチで。かなりヤバい。

 いや本当助けて下さいお願いします。

 ……まぁ居ないなら仕方ないけど。

 切り替えていこう。

 取り敢えず今この場で打てる手は限られてる。

 一つ目は逃げる。

 二つ目はシンプルに数でゴリ押す。

 三つ目は敵の親玉に精鋭をぶつけて殺し、敵を撤退させる。

 まぁ一つ目は無いな。逃がしてくれるとは思えんし、ゾンビ共が大人しく逃げるとは思えん。

 僕も逃げる気は無い。

 三つ目は精鋭を選抜するのに時間がかかるのと、指揮系統が無いのにどうやって精鋭を集めたらいいのか分からないのと、ゾンビがその作戦を理解出来るか不安なのと、僕があいつらとコミュニケーション取れないのとで却下。

 いや違うんだよ僕がコミュ障なんじゃ無くてあいつらマジで話通じないんだよ。

 あいつら自分勝手にワーワー喚き散らして碌にコミュニケーショ取らないもん。

 第一ゾンビ界に言語存在しないし。

 よって僕の所為じゃない。

 となると消去法で二つ目の数でゴリ押ししかなくなるね。

 幸い未だ戦闘は始まってないみたいだし、今の内に少しでも有利に進められる様に準備しとこう。

 準備しながら僕はふと湧いた疑問について考える事にした。

 何故僕はスカベンジャーと戦う前提で物事を考えてたんだろう。

 未だ戦闘は始まってない訳だし、奴らが何しにここに来たのかは未だ分からない筈なのにさも当然の様にそう考えていた。

 やはり僕も根っからのゾンビみたいだな。

 思考が完全にゾンビと化していた。

 まぁゾンビからしたら自分達を喰うスカベンジャーは敵以外の何者でもないだろう。

 そう考えると僕からしても敵でしかないな。

 当然の考えでしかないか。

 そうこうしている内に準備は完了していた。

 よしこれでいつでも戦えるぞ。

 さっきキングが開けた大穴からゾクゾクと入ってきたスカベンジャーの入りが疎らになり、整列を始めた。

 一方のゾンビ側もあちこちから集まって来た奴らが同じモンスター同士で集まり出した。

 最終的にスカベンジャー軍がざっと二百。

 対するゾンビ軍は四千弱。

 兵力差は歴然だけど一体一体の能力には大きな差がある。

 どうなるかは分からないけど、僕としては出来ればゾンビに勝って欲しい。

 いよいよスカベンジャー軍vsゾンビ軍の戦争が始まる――



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