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白昼夢  作者: 和鏥
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序章

 まるでアクムだと。誰かが言った。 

 どうしてそう言ったのかわからない。

 どうしようもなかったのだろう。

 何か方法はなかったのだろうか。

 遠くの方で声がするけれど、それもやはりボンヤリとしか聞こえない。

 しばらくすると急に冷静になっていく自分がいた。先程までの緊張がウソのようだ。

 正面に立つのは知らぬ男。立っているだけでも印象に残る特徴的な姿。彼はニヤニヤと笑みを浮かべて言葉を待っている。


「頼みが……あるんです」


 乾いた喉は、それでも発声することを許した。

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