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封印されし魔王は隠遁を望む  作者: おにくもん
第九章・北方四神伝・II
1754/1764

1630話・捜索、探索、集結

ディーイーとシンは先行したティミドを追って、遺跡の入り口に穿った通路を潜る。

そうして10m程進むと、真っ暗で広大な空間に出たのだった。



「う〜ん…広過ぎて灯りが届いてないな」

自身の周囲に浮遊する三つの宝珠の内、一つだけを隠蔽から解いて灯りにしていたディーイー。

その灯りが暗闇を照らしきれていなかった。



「不用意に進むと危険かと…」

追随するシンが静かに告げる。



「う〜ん…もうちょっと灯りの出力を上げてみようか」

そうディーイーは返して宝珠を上昇させた。

そもそも周囲が見えなければ、探索どころでは無い。

また傍で光量を上げなかったのは、眩しくなるだけで余計に見えなくなる為だ。



「おおお?! 無茶苦茶高いぞ」

宝珠を100m程上昇させて、漸く天井付近に到達し、流石のディーイーも驚きの声を上げる。


山岳内の地下施設だとしても、これは余りに大き過ぎた。

加えて天井の材質が岩や木製では無く、何らかの金属なのは間違い無かった。

つまり"この規模"は、現文明では建築不可能な施設と言えた。



ここで宝珠の光量を上げ、可能な限り周囲を照らしてみた。

すると凡その全貌が明らかとなる。

床から天井までが約100m、幅も100mに及ぶ。

更に奥行きは…この宝珠1つでは照らし切れず、150m先までを視認出来た。



「これは凄いな…」

これに似た空間をディーイーは思い出す。


エスプランドルの迷宮にも規模は半分になるが、巨大な地下回廊が存在する。

そこの主な用途は、魔神を食い止める為の絶対防衛線だったのだ。


しかし此処の用途は、それとは明らかに違った。

天井が高過ぎるのである。


「う〜ん…幅と高さも凄いが、奥行きも相当に長いな」

ディーイーは天井付近まで上げた宝珠で、最大限の出力で照らした。

それでも凡そ300m程度しか奥行きを確認出来なかった。



「どうなさいますか? 見える範囲では分岐路も無さそうですが…」

シンが淡々と尋ねた。



「……」

逡巡するディーイー。

仮にシンの言う通り全く分岐が無ければ、ティミドとの合流も難しくは無い。

少し急いで進めば、いつかは追い付く筈だからだ。


だが迷宮化していた場合、転送型の罠も有り得る。

この様な広大な回廊なら、それが特に顕著だったりするのだ。


『でもなぁ…以前居た世界と常識も違うだろうし』

直に見て確かめなければ、ディーイーでも実際の所は分からなかった。

「よし! このまま探索しながら進もう」



「時間を掛けてでも安全に進む訳ですね」



「うん…今の私は魔法が使えないから、何かあった時に対処出来ないのよね。だから何か起こらないよう、慎重に進むとしよう」



「宝珠は確か…全部で4つ有るのですよね? その宝珠で探索は難しいのですか?」



シンの問いに、ディーイーは困り顔で答えた。

「そうしたいのは山々なんだけど…宝珠には活動限界が有ってね、使い過ぎると魔力切れを起こしちゃうんだよ」



「え……では今この状況も不味いのでは?」

頭上100mの位置で輝く宝珠を指して、心配そうに問い返すシン。



「いや、あの程度なら大丈夫だよ。確かに相応の魔力を消費してるけど、宝珠には周囲の魔力を吸収する機能もあるからね。今の状況で何とかトントンかなぁ」



「左様ですか…」



「ん…? 何だか浮かない顔だね?」



「いえ…私に宝珠を1つ割いておられるので、それが負担になっていないかと…」



「そんなの計算に入れてるから大丈夫よ。それよりも私から余り離れないでね」



ディーイーの念を押す様な言い様に、しっかりとシンは異議を口にした。

「宝珠の守りが有るなら、私へ無理に意識を割く必要はありません」



そうするとキョトンとした顔でディーイーは言った。

「え…? あ、いや…私が立ち眩みしたら、シンさんに支えて貰おうと思って…」



「……」

ズッコケそうになるシンであった。






 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※






上空に3つの影が、身を寄せる様に浮かんでいた。

それは余りの上空で、地上からは何なのか人の目では確認出来ない。


そもそもは"それ"が目的だった。

この3つの影こそが永劫の帝国アイオーン・アフトクラトリアの最重要機密の1つ、次元潜航艇であった。



横並びに寄せ合う3つの次元潜航艇。

その右端の船から何者が姿を現し、中央の船へ移動を始める。

しかし舷梯げんていなどを使わずに、何と空中を歩いている様に見えた。


そして左側の船からも1つの人影が現れると、こちらも同じく空中を歩み、中央の船へ降り立ったのだった。



先に甲板へ降り立った"優男"は、笑みを浮かべながら言った。

「そちらも滞りなく片付いたようですね」



これに後から来た"褐色の麗人"は、特に表情を変える事なく淡々と返す。

「その言い方からするに、貴方の方も問題無く済みましたか」



常日頃、笑顔を絶やさない白衣の優男。

彼こそは列国に脅威認定された"狂気の魔法医師(ルナメディクス)"であり、今は永劫の騎士(アイオーン・エクェス)であるトゥレラ-ロギオスだ。



また褐色の麗人は、ペクーシス連合王国の初代女王ことグラキエース。

彼女もまた現在は永劫の騎士(アイオーン・エクェス)で、プリームスが魔王だつた頃の四天王の一人でもあった。



少し惚けた仕草で言うロギオス。

「問題無く済んだと定義するならば、少々語弊が有りますね。目的は達成しましたが…」



するとグラキエースは頭を抱え溜息をついた。

「はぁ……やはり別の問題が起きましたか」



「ほほぅ…グラキエース殿も?」

ロギオスは意外そうに問い返す。


彼からすればグラキエースは、主君プリームスに迫りスキエンティアに匹敵する超絶者なのだ。

そんな相手が不手際を起こすなど、本音で言えば想像出来なかったのである。



「取り合えずは中で話しましょうか。顔合わせしておきたい方も居ますから」

そう返したグラキエースは、自分の次元潜航艇に踵を返した。



その視線の先には、不安そうに甲板で待つ5つの人影があった。



『え……ひょっとして真ん中の船に飛び乗れって事?!』

5つの人影の1つ…ガリーは血相を変えたのだった。



楽しんで頂けたでしょうか?


もし面白いと感じられましたら、↓↓↓の方で☆☆☆☆☆評価が出来ますので、良かったら評価お願いします。


続きが読みたいと思えましたら、是非ともブックマークして頂ければ幸いです。


また初見の読者様で興味が惹かれましたら、良ければ各章のプロローグも読んで貰いたいです。


なろう作家は読者様の評価、感想、レビュー、ブックマークで成り立っており、して頂ければ非常に励みになります・・・今後とも宜しくお願いします。


〜「封印されし魔王は隠遁を望む」作者・おにくもんでした〜

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