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封印されし魔王は隠遁を望む  作者: おにくもん
第九章・北方四神伝・II
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1617話・クラーウィスの技能の秘密

山頂と思われたが、そこは言わば肩部で割と開けた場所だった。

広さにして50m四方は有りそうで、とても山頂付近とは思えない。


そんな開けた平地に、クラーウィスの山小屋が建っていた。

小屋の大きさは10m四方の物が2つ連なり、手前の母屋?は少し高さがある。



その手前の山小屋にディーイー達は案内された。



「適当に寛いでね」

とクラーウィスは言うと、そのまま母屋を抜けて奥の小屋へ行ってしまう。



「おいおい…家主が客を置いてどっか行くって…」

流石にボヤキが漏れるディーイー。



「まぁまぁ、取り敢えず横になりましょう」

そう言ってティミドは、半ば強引にディーイーをベッド?に腰掛けさせた。

それは余りにも簡易な手製の物で、ティミド自身もベッドなのか確信が無い程だ。


また母屋の中は意外と片付いていて、色々な荷物が壁際へ綺麗に積み上げられている。

因みに山小屋自体は、丸太を重ねて作った謂わゆる丸太小屋だ。

と言っても"小屋"と定義するには余りに大きく、これを一人で建築したとなると、クラーウィスは相当な技能者と言えるだろう。



そのままディーイーは横になった。

本音で言えば、座っているのも辛かったからだ。

『ふぅ…少し無理し過ぎたかな……』

「ところでリキさん、この小屋の事は知っていたのか?」



これにリキは首を小刻みに横へ振る。

「いやいやいや、知らんぞ。俺が出稼ぎしてる間に建てたんだろうが……と言うかよ、"覚醒した"とか未だに信じられねぇ」



「ほほぅ…まさかクラーウィス嬢がまつろわぬ一族の女王と言うのも知らなかったとか?」



「知らんぞ! てか、俺も服わぬ一族って事なんだよな?!」



リキの問い返しに、面倒臭そうに返すディーイー。

「そんなの知らないわよ。まぁ話の流れから推測するに、村自体が一族の末裔な可能性はあるよね」



「そ、そうか…」

しょんぼりするリキ。



「どうしたの?」



「いや…俺の所為で村に危害が及びそうだったのに、その心配が無かったと思うとな…複雑なんだよ」



『ふむ…』

ディーイーはリキの気持ちが分からないでも無かった。

「あれか…食事が無いと思って買って帰ったら、既に家で食事が出来てた…そんな感じだな?」

などと例えて言ってしまった。



珍しくシンが苦笑いを浮かべて言う。

「それは些か深刻さが違うかと。確かにガッカリはしますが…労力の度合いが…」



「え? そうかな? 私は無茶苦茶ガッカリするけどなぁ」



爆笑しかけるのをティミドは必死に堪えた。

『くっ…やばい……』

主君ディーイーからすれば徒労など、度合いや規模などは関係ないのかも知れない。

そうで無ければ、無茶なお節介などする筈が無い。



「そんな事より、これからどうするかだな…」



ボソリと呟くディーイーに、中々の剣幕でティミドが叱りつけた。

「ディーイー様! どうするかより、先ずはお体の治療からですよ!!」



「え? ち、治療??」



ティミドはディーイーに近付くと、その旗包ドレスの胸元を素早く開いた。



「いやん!」



更にディーイーの上半身を剥いてティミドは続ける。

「いやん…じゃ無いです! ほら、ここに凄いアザが出来てますよ!」



「うぅ……ばれたか…」



「クラーウィスさんの肘打ちを受け流さず、態と体で受けたでしょう? なんて無茶を為さいますか!」



殆ど怒髪天なティミドに、ディーイーは小さくなってゴニョゴニョと文句を返した。

「だ、だって…下手に受け流して、クラーウィス嬢が滑落したら大変でしょ…」



「なぁ〜にを馬鹿な事を! 手合わせを挑んで来たなら、その程度の危険は覚悟の上だった筈です。仮に覚悟が無かったなら、それはそれで愚か者で滑落して当然です!」



ティミドの過激な発言に、ディーイーはドン引きする。

「えぇぇ?! それはいくら何でも…」



するとディーイーの片手を両手で握り、ティミドは懇願するように言った。

「ディーイー様…貴女様は我々にとって、唯一無二の存在なのです。ですから我々に"失われるかも知れない恐怖"を抱かせないで下さい」



そんな事を言われては、流石のディーイーも大人しくなる。

「う……ごめん…」

『今回は少し調子に乗り過ぎたかな…』



そうこうして居ると、クラーウィスが色々と抱えて戻って来た。

「ごめんねぇ、待たせちゃって。お茶淹れて来たよ。それと薬も持って来た」



「え…? 薬ですか?」

怪訝そうに尋ねるティミド。

もしや変な薬をディーイーに使うのでは?…と勘繰ったのである。



四人分のお茶が乗った盆をテーブルに置くと、クラーウィスは脇に抱えていた小箱を見せた。

「これ! 風邪薬に切り傷用と打撲用の薬、それに下痢止めと便秘薬とかも有るよ〜」



「それって…まさかクラーウィスさんの手製じゃ無いですよね?」

とティミドは恐る恐る訊く。



「ん? 私の手製だけど?」



「ディーイー様…これも"覚醒"が関係してるのですか?」

つい不安になったティミドは、ディーイーに小声で囁いた。



「う〜ん…飽く迄も私の推測だけど、歴代女王の技能が、遺伝子に記録されて受け継がれてるんじゃないかな? だから下手な医者よりも優れてるかもね?」

と此方も小声で返すディーイー。



「ちょっと! 聞こえてるわよ!!」



「ははは…」

「え…? はは…」

苦笑するディーイーとティミド。



二人の反応にクラーウィスは溜息をつく。

「はぁ……兎に角、私の能力を信用して欲しいかな。この山小屋とか私の武力が良い証拠でしょ」



「ほほう…つまり私の推測が正しいと?」



ディーイーの言葉にクラーウィスは頷いた。

「うん、凡そ合ってるわ。だから大人しく私に治療されなさい!」



薬箱を持って迫るクラーウィス。

そんな相手に半裸のディーイーが怯えない筈も無いのであった。

『なんか嫌な予感がする!!』

「え…?! ちょ…自分でするから!!」



楽しんで頂けたでしょうか?


もし面白いと感じられましたら、↓↓↓の方で☆☆☆☆☆評価が出来ますので、良かったら評価お願いします。


続きが読みたいと思えましたら、是非ともブックマークして頂ければ幸いです。


また初見の読者様で興味が惹かれましたら、良ければ各章のプロローグも読んで貰いたいです。


なろう作家は読者様の評価、感想、レビュー、ブックマークで成り立っており、して頂ければ非常に励みになります・・・今後とも宜しくお願いします。


〜「封印されし魔王は隠遁を望む」作者・おにくもんでした〜

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