表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
封印されし魔王は隠遁を望む  作者: おにくもん
第九章:北方四神伝・I
1436/1769

1343話・ガリーとディーイー(2)

刹那な章III・政略結婚(6)も更新しております。

そちらも宜しくお願い致します。

「他にも色々教えて欲しい事があるしね」

そう告げたプリームスは、上に跨るガリーの胸を軽く平手ではたいた。



「痛いぃ!!?」

咄嗟に胸を押さえて引っくり返るガリー。



「それでも冒険者か? 大袈裟な……」

次はベッドに倒れ込んだガリーに、プリームスが馬乗りになる。

しかしながら体格が違い過ぎるので、これでは大人の上に乗った子供だ。



「いやいや…痛いもんは痛いんだよ。と言うか、俺の上に跨って何するつもりだ?」



「尋問? いや…拷問か?」

そう言ってプリームスは、ガリーの大きな胸にかぶり付いた…勿論、手加減はしている。



当然のことガリーは小さな悲鳴をあげる。

「ひゃっ!!」


しかし拷問とは裏腹に、優しく舌先で撫でるプリームス。

その所為か直ぐにガリーの口から、愉悦を含む小さな喘ぎと吐息が漏れるのであった。






 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※






「ディーイー…そろそろ起きない? あと、食事はどうする?」



そう耳元で聞こえ、プリームスは愚図りながら瞼を開いた。

「うぅぅ……顎が…それに体が…」

筋肉痛?の為か、身体中が痛くて仕方が無い。



「あぁ〜〜ごめんね…俺が強請ねだったから、」

申し訳無さそうに言うガリー。



「いやいや…合意の上だし気にしないで」

『ぐぅぅ…久々の人肌で調子に乗りすぎた』

今更ながらにプリームスは後悔する。


いつもなら、どちらかと言えば身内が"攻め"で、自分は"受け"が多い。

なので筋肉痛になるのは稀なのだ。


しかしながら今回は性欲が溜まっていたのか、或いは初めての相手だったからか…勢い余ってしまった。

何にしろ節操の無い自分が恥ずかしいばかりだ。



取り敢えず身を起こして時計を見ると、指針が丁度12時を指していた。

『あぅ…寝過ぎたか』


そして傍に立っていたガリーは、特に身支度もせずに全裸のままだった。

「おいおい…先に起きたのに全裸って…」



「いや、だから夜に言っただろ。着替えが無いって…裸で部屋に戻れないしな」



「え…? 着てたのを又着れば良いのでは?」



するとガリーは苦笑いを浮かべた。

「実は洗濯しちゃって…今はディーイーのも纏めて風呂に干してるんだよ」



自分が寝ている間にしてくれたのだろう。

何と言うか、ある意味で手際が良く配慮が出来る。

『でも詰めが甘いわね…』

そう思うと苦笑を禁じ得ないプリームス。

「フフフッ…有難う。なら、お礼に替えの服を用意するよ」



「え…?」

明らかにディーイーの荷物が見当たらず、この言い様にガリーは困惑する。

それに今思えば、旅人の割に軽装すぎると感じた。



『まぁこれから共に旅をするかもだし、知られても良いか…』

割り切ったプリームスは、収納魔導具からガリーの着れそうな服を何着か出してみる。



「えっ!? えぇぇ!??」

突然出現した衣服に、混乱するガリー。



「下着も出しといたから、好きなのを着て良いよ。気に入ったなら全部あげるし」



ガリーは何が起こったか分からず目が点になる。

「……」



「お〜い! ガリーさ〜ん! 大丈夫?」



何度もプリームスに呼び掛けられ、ガリーは漸く正気を取り戻す。

プリームスの美貌を直視した時よりも驚いた様子だ。

「……まさか…収納魔導具?!」



「ま〜ね…誰にも言っちゃ駄目だよ」

そう答えたプリームスは嵌めた無骨な指輪を見せた。



「そ、それが収納魔導具なの!!?! そんな小さいのが?!」

真っ裸で驚愕のするガリー…若干だが滑稽である。



『まぁ驚くのも無理ないか…』

この世界の魔法技術や魔導工学は、以前プリームスが居た世界に比べ何世代も遅れている。

その最たる物が収納魔導具だ。


因みに以前の世界でも収納魔導具自体は、非常に高級品で一般人の手が出せる品物では無かった。

それらを鑑みれば魔法後進世界に住むガリーには、刺激が強過ぎたと言えるだろう。



「こんなの…聖獣の力でも実現不可能だよ」

ガリーは指輪を見つめて半ば呆然と呟いた。



『聖獣? 北方の四神の事か?』

少し気になるプリームス。

"聖獣"の力が、魔力を根幹にしている印象を受けたのだ。


得てして人間の文明技術は、何かを補うように発展する。

つまり魔法技術や魔導工学が進んでいないなら、それに代わる何らかの技術が発達している筈。

以前の世界と文明水準が同じなら尚の事だ。


『若しくは一部の既得権者が、優位を維持する為に秘匿しているか…』

どの世界にも見えない闇が有り、平和な時代ほど器用に隠れ姿を見せない。


だからと言って興味本位に探っては、こちらが藪蛇に成り兼ねないだろう。

かく言う自分も一般には公開出来ない技術を有し、それを秘匿しているのだから。

『私も人の事は言えないよな』


兎に角、既得権益を有してそうな"権威"は無視し、龍国と神槍勇華の情報が先だ。

「支度が済んだら食事しに行こう。試練とやらの話もだけど、私が個人的に聞きたい事も有るし」



「う、うん…ほんとに俺が着て良いの? 凄く上物だよ?」

恐る恐る下着を摘んで尋ねるガリー。



『体格の割には肝がちっさいな…』

笑いそうになるのを我慢してプリームスは答えた。

「大丈夫、大丈夫。服なら沢山有るから、返さなくて良いからねら」



するとガリーは黒レース地の下着を選んだ。

これは高級そうな薔薇の刺繍に、少し透けている部分の有る上下揃いの下着である。



「中々に色っぽいのを選ぶね……まぁ良いけど、」

つい思った事が口に出てしまうプリームス。

下着と言うのは平常時見えないだけに、その人の潜在的な欲求が反映されたりする。

それを鑑みると、ガリーは随分と”溜まっていた”と言えるかも知れない。


『いやいやいや…それこそ人の事は言え無いか』

いつもは身内にされるがままの自分が、ガリーに対しては一方的な攻めだった…溜まっているのは自分である。



「う、うん……こんな上等な下着を着けれるなんて、そうないからね。後は…服をどうするか…」



「服か……これなんかどう?」

ベッドの上に散らばった服の中から、プリームスは1つ摘まんだ。



「ちょ、流石にこれは似合わないでしょ?」

それは背中と肩が丸出しの、しかも真っ赤なロングドレス…これにガリーは首を縦に振るのを躊躇うのであった。


楽しんで頂けたでしょうか?


もし面白いと感じられましたら、↓↓↓の方で☆☆☆☆☆評価が出来ますので、良かったら評価お願いします。


続きが読みたいと思えましたら、是非ともブックマークして頂ければ幸いです。


また初見の読者様で興味が惹かれましたら、良ければ各章のプロローグも読んで貰いたいです。


なろう作家は読者様の評価、感想、レビュー、ブックマークで成り立っており、して頂ければ非常に励みになります・・・今後とも宜しくお願いします。


〜「封印されし魔王は隠遁を望む」作者・おにくもんでした〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ