表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
封印されし魔王は隠遁を望む  作者: おにくもん
第九章:北方四神伝・I
1420/1769

1327話・第9章:プロローグ・役職再配置(3)

刹那の章III・政略結婚(1)と(2)を更新しております。

そちらも宜しくお願い致します。

げんなりするテユーミアを他所に、スキエンティアは通達を続ける。

「次にピスティさんですが、今まで通りに箱舟アルカの侍女長をお願いします。これは今後、拡大する可能性が有るので心得ておいて下さい」



これに恭しく一礼で返すピスティ。



その後は魔法騎士団の団長であるロンヒが、永劫の騎士(アイオーン・エクェス)に昇格される。

これで名実共にロンヒは、超絶者の末席と言う評価を得る事となった。


更にペレキス共和国から半ば亡命したメガロフィアは、その用兵家としての能力を評価され永劫の騎士(アイオーン・エクェス)昇格となる。

詰まる所フィートと同じく、武力のみでは無い評価で永劫の騎士(アイオーン・エクェス)の地位を得られる事を示していた。



また最初の属国である月の国(セレーネ・ポリス)は、商業都市国家として月の民に因る統治が継続される。


そして列国で最大の領土を誇る上、永劫の王国アイオーン・ヴァスリオの属国となったペクーシス連合王国は、ペクーシス連合()()と名を変える。

理由は中央を聖女王プリームスの直轄地とし、他4公国を公王が統治するからだ。


これに当たりプリームスの名代としてペクーシス連合を統治していたシンセーロ・ヘイス公王は、永劫の騎士(アイオーン・エクェス)となり正式に大総督へ就任する。

また実娘のティミドは永劫の騎士(アイオーン・エクェス)の地位はそのまま、大総督補佐官を担う事になった。


因みに東方最強の武人…女王の断罪人とこバドズィーナミアも永劫の騎士(アイオーン・エクェス)に昇格し、ペクーシス連合公国・治安維持軍司令へ就任する運に。



こうして粗方の通達や報告が終わると、恨めしそうにアーロミーアがプリームスの背後から現れた。

「私は何も言われてないんですけど……」


アーロミーアは元魔神…厳密には魔神王の使者であり、プリームスの遺伝子情報を得てプリームスと瓜二つになった存在だ。

現在はエスプランドルの迷宮の一件以来、プリームスの影武者を務めていた。



「アーロミーアさんは現状維持でお願いします。一応は永劫の騎士(アイオーン・エクェス)ですが、貴女の存在自体が最重要秘匿事項なので公に出来ません」

などとキッパリと告げるスキエンティア。



「要するに表舞台には立てないのよね……何だか寂しいわ」



「そうですか? プリームス様の代役として十二分に表舞台に立っている筈ですが?」



「うぅ……」

返す言葉が無いアーロミーア。


実際にスキエンティアの言う通り月の民の一件、また東方諸国や武國の件ではプリームスが密かに出向いていた為、影武者が必要だった。

それだけでもアーロミーアは随分と表舞台でプリームスを装っていたのである。



「特に異論はない様ですね。ではアーロミーアさんは現状維持で…」

そう告げた後、スキエンティアは皆を見渡して続けた。

「さて、最も重要な事を皆さんに言っておかねば為りません」



先程までノラリクラリしていたアーロミーアも、いつも飄々としているメディ.ロギオスも居住まいを正す。

ここまでスキエンティアに改まられると、居合わせた面々に緊張が走ってしまうのは当然だった。



「我ら永劫の王国アイオーン・ヴァスリオは、この大陸で最も広大な領土を有すに至りました。こうなると最早、帝国と言うしか有りません。そこで国家の名を改め永劫の帝国アイオーン・アフトクラトリアと致します」



このスキエンティアの言葉を聞いた面々は、「大仰な」と言う表情も居れば、「妥当だ、当然だ」と肯定の表情も居た。

だが否定や異議を唱える者は一人も居なかった。



しかし、此処に来てプリームスが露骨に嫌な顔をする。

『うへぇ……て、帝国?!』


帝国の定義とは複数の国家を纏める連合体だが、実際の所は皇帝を頂点にした独裁国家だ。

その根底には侵略に因って版図を広げた経緯が有り、非常に印象が悪い。

つまり帝国と聞いただけで、他国を侵略し兼ねない()()()()()だと思われる可能性が有るのだ。


そもそもプリームスは他国を侵略する気など毛頭なく、出来れば隠遁して自堕落に暮らしたい。

なのに帝国が誕生してしまえば、その望みが吹き飛ぶのも明白だった。



更にスキエンティアは爆弾発言を続ける。

「国家の改名に際して、プリームス様の君主号を変更しなければ為りません。そこで私からの提案なのですが、聖女王の王を”皇”へ変更しては如何でしょうか?」



「聖女皇陛下…か、成程…」

インシオンが合点がいった様に呟いた。



「呼び方は変わりませんので、変更に際しての混乱は最小限に出来るでしょうねぇ」

と同調する風にメディ.ロギオスが続く。



『何が混乱は最小限だ!! 人の気も知らないで!!』

と怒鳴りそうになるプリームスだが、乗り気な面々を目の当りにして、その気も削がれてしまう。



その最たる者が伴侶のアグノスと娘のアソオスだった。

「まぁ~~それは良いですね」

「うん! 何だか字面が格好良いです!」



「因みにアグノス様は聖后陛下で、アソオス様は皇女殿下となります。如何ですか?」



更なるスキエンティアの追撃にプリームスは悶絶し掛け、アグノスとアソオスは満面の笑みだ。

「○▽◇×○……」

「はい、私は異論有りませんよ」

「僕も!」



「承諾も頂いた事ですし、この旨で事を進めましょう。皆さんも問題有りませんね?」



念を押すスキエンティアに、ロンヒが口を開いた。

「スキエンティア宰相…ペクーシスが永劫の王国アイオーン・ヴァスリオ…いえ、永劫の帝国アイオーン・アフトクラトリアの属国であると公表するのですか?」



然も当然のように頷くスキエンティア。

「はい。何か危惧する事でも?」



「その…今や永劫の帝国アイオーン・アフトクラトリアは武國、月の国(セレーネ・ポリス)、ペクーシス連合公国を属国にし、他国からすれば看過出来ない状況なのでは?」



怖々(おずおず)と答えるロンヒへ、スキエンティアは抑揚無く問い質す。

「つまり?」



「え…その……つまり小官が申したいのは、永劫の帝国アイオーン・アフトクラトリアを経済的、また軍事的に危険視するのではないかと、」

このロンヒの危惧は当然とも言えた。



「成程…ロンヒ殿の言いたい事は分かりました。ですが、結局は印象の問題なのですよ」

そう返したスキエンティアは、淡々と説明を始めた。


永劫の帝国アイオーン・アフトクラトリアは侵略に因って属国を増やした訳では無い。

飽く迄も仕方無しに、ある意味でなし崩しに属国を認めたと言わざるを得ないのだ。

要するに()()()()()()()()()()だけにすぎず、他国から危険視される理由は皆無なのである。



このスキエンティアの理屈に一同は納得するが、完全に危惧を払拭出来ない様子を見せた。



「う〜む…どう言った経緯で3国が属国になったのか、それを列国へ説明しなければ為らんな…」

面倒そうにインシオンが呟いた。



「左様…先ずは列国への説明です。まぁ印象操作と言えば分かり易いでしょう」



「フンっ!」

プリームスは勢い良く席から立ち上がった。

もう我慢出来なくなったのである。



楽しんで頂けたでしょうか?


もし面白いと感じられましたら、↓↓↓の方で☆☆☆☆☆評価が出来ますので、良かったら評価お願いします。


続きが読みたいと思えましたら、是非ともブックマークして頂ければ幸いです。


また初見の読者様で興味が惹かれましたら、良ければ各章のプロローグも読んで貰いたいです。


なろう作家は読者様の評価、感想、レビュー、ブックマークで成り立っており、して頂ければ非常に励みになります・・・今後とも宜しくお願いします。


〜「封印されし魔王は隠遁を望む」作者・おにくもんでした〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ