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決意

少し、ごちゃごちゃな文章かもしれません。

ユンゼは、紺色の髪に水色の鋭い瞳を持つ美少女。確かに、美少女だが………俺とは気が合わない!


「何で、俺がルイスの相棒に相応しくないんだ!」


「タッグバトル・コロシアムの最終戦。その時に、貴方が敵のヘイトを集めるべきだった!なのに、貴方は大したダメージも与えられなかった!ルイスさんは、ヘイトを稼がないように立ち回る必要があったから………貴方のせいで、ルイスさんは負けた!」


グレンは、目を丸くしてから青ざめルイスを見る。


確かに、俺が上手くヘイトを稼げれば。ルイスも、動き易かっただろうし善戦していたはず。レベル差が、圧倒的で俺のダメージは通ってなかった。


「そ、れは………」


「だから、貴方は相応しくない!」


ルイスは、ゆっくり顔を上げる。グレンは、ルイスの顔を見るのが怖くて思わず俯いてしまう。


ルイスは、どう思っているんだろうか?


「グレン、何を俯いているんですか?」


ルイスは、暢気に笑ってから首を傾げる。


「………ごめん。」


思わず、口から謝罪の言葉が溢れた。


「グレン、何で謝るんですか?」


ルイスは、キョトンとしている。


何でって、それは……それは、俺のせいで!


「だって!」


ルイスは、ため息を吐き出す。グレンは、また俯いてしまった。ルイスは、ユンゼを見てから言う。


「何で僕が、君を相棒から外したか。ここに、来たという事は答えを見つけられたのですか?」


「いいえ、分かりません。」


ユンゼは、真剣な表情で言う。ルイスは、冷たい雰囲気を纏うと呆れた声音でため息まじりに言う。


「ならば、グレンの事を馬鹿には出来ませんね。」


「私は、彼より強いです!」


確かに、ユンゼの方が俺より強い。けど、ルイスは俺を庇ってくれる。少しだけ、嬉しいと思う。


すると、ルイスはロールしながら言う。


「いつ、僕が強さだけで相棒を決めると言った?」


「それは………」


すると、周りは興味深い様子で見守る。トキヤも、ふざけるのを止めて苦笑している。レンジも、無言で話に耳を傾ける。マッキーも、頷いて聞いてる。


あ……、そうだ。ルイスは、何だかんだで強さを重視した事がない。強いから、優遇するとかしない。その証拠に、初心者にも手を差し伸べ仲間にした。その初心者が、大きな爆弾を持ってても気にしてなかった。そうだ、根本的な事を間違えてる。


ルイスは、強さで人を選ばない。


ルイスは、少しだけ怒ったように言う。


「それは、僕を馬鹿にした発言です。自覚が無いですし、尚更に質が悪い。そういうの、嫌いです。」


「おお……、なかなかストレートに振ったな。」


トキヤは、暢気に呟けばハッとするルイス。


「ちっ、違いますよ?その、性格的に嫌いなだけですし。と言うか、グレン?そろそろ、正気に戻ってくれませんかね?もう、終わった事ですし気にしてませんよ!それだけが、敗因では無いのは理解してますから。おーい、早く戻って来てください。」


ルイスは、オロオロと言えばマッキーは笑う。


「まぁ、連係練習も無しのぶっつけ本番だったしなぁ~。寧ろ、そんな状況で2位になった時点でおかしいからな。お前らの技量は、ランカーに負けず劣らずの化け物クラスだと今でも思うけど?」


「それは、俺も同意する。元ランカー視点でも、ルイスとグレンのコンビ技量はヤバいと思う。」


レンジは、頷いてから苦笑する。


そうなのか、それは嬉しいな。もっと、頑張らないとな。伸び代の限界、その先を目指すつもりで。


「しかも、二人ともまだ伸び代があるんだよな。そして、戦闘途中で急に技量が跳ね上がるから怖い。ガチ勝負では、気が抜けないし毎回地獄だ。」


トキヤが、遠目でげっそり言えば周りは驚く。


「モノクロコンビで、なんとか押さえられるレベルだからな。まあ、俺達もまだ伸び代は有るけどさ。と言うか、2人なら前線に出ても問題が無いレベルだし。てな訳で、是非とも前線にウェルカム!」


マッキーは、その場を和ませるように笑って言う。


「そうですね。お店は、トキヤさんに任せても?」


「おう、任せろ。」


トキヤは、笑顔で頷く。


「では、僕は前線の街に避難します。」


「え、必要無いんじゃ……」


マッキーは、キョトンとするが。ずっと、黙っていたユンゼがグレンを見てから大声で言う。


「業火のグレンに、決闘(PVP)を申請するわ!」


「嘘だろ、まだ諦めて無いのかよっ!?」


マッキーは、表情を引きつらせて言う。


うん、俺もびっくりだ。でも、丁度いいかな。


「ここまで来ると、いくら美少女でも寒気がな。」


トキヤは、思わずルイスを見れば青ざめている。


「分かった。でも、一週間後にしてくれ。」


グレンは、落ち着いた瞳で真っ直ぐユンゼを見る。そして、ルイスをゆっくり見るとニカッと笑う。


「ルイス、頑張るから待っててくれよな。」


ルイスは、驚いてから嬉しそうに笑って言う。


「はい、待ってますね。」


「じゃあ、暫くはお別れだ相棒!」


グレンとルイスは、ハイタッチして言う。


「「またな!(またね!)」」


こうして、グレンは最初の街に。ルイスは、前線の街にとどまる事になった。決闘は、一週間後。




あれから、3日が経過した。ルイスは、前線に少しだけ出るようになり、前線プレイヤーはかなり助かってる。たまに、何処に行ってるか分からんけど。


料理をしながら、トッキーと情報交換しているルイスを見て思わず言う。もちろん、悪気は無い。


「何だよ、心配なら見に行けば良いだろ?」


「ユンゼさんに、纏わり付かれるのが嫌なので。」


ルイスは、本当に嫌なのか苦々しく呟く。


「お前、本当に癖の強い奴らに好かれるよな。」


マッキーは、珈琲を飲みながら言う。ルイスは、暢気に笑いながら困ったように言う。


「まぁ、僕も癖が強いですからね。」


「ふーん、自覚はあったんだな?」


俺がそう言えば、無言で視線を逸らすルイス。


やれやれ………


「それで、何を作ってるんだ?」


「ロールキャベツを、作ってみました。効果は、60秒間の継続HP回復。それと、異常を1回だけ無効にしてくれるみたいです。これは、なかなか………。」


ルイスは、少しだけ考えるように呟く。


「おう、強い効果だな。」


「ですね。」


ルイスは、エプロンを脱ぐ。そして、近くに置いてあったマグカップ片手にキッチンから出て座る。


「ちなみに、ルイスは何を飲んでいるんだ?うーん、紅茶や珈琲では無いな。匂いが、しないし。」


「緑茶ですよ。やっと、出会えました。紅茶葉は、良く見かけるのですが茶葉は出会えませんでした。しかし、運良く商人さんを助けたらくれまして。」


ルイスは、ガッツポーズをして言う。


「効果は?」


「ラック上昇です。」


すると、マッキーは微妙な表情をする。


「何で、そんなに嬉しそうなんだ?確かに、生産職業には嬉しいだろうけど。違うよな?」


ルイスは、えっへんと言いたげに説明する。


「ラックと言えば、クリティカル率上昇とドロップレア度の確率が上がるだけですよね?でもこの緑茶には、相手から受けた攻撃のダメージを高確率で下げる効果があります。つまり、一発で死ぬ即死攻撃を受けても……高確率で生き残るんですよ。」


それは、ヤバい!と言うか、見つけにくい理由はそれか!これ、劣化版蘇生薬と幸運緑茶さえ有れば前線レイドも善戦出来るんじゃないか?寧ろ、これからルイスが抜けるのを考えると買う必要があるな。


「商人さんと、交渉して茶葉を送って貰える事になったんですよ。これで、抹茶とか作れたら料理の幅がひろがりますね。緑茶の効果を、受け継ぐなら効果を追加する事も出来るはずですし。」


うん、ルイスが上機嫌な理由が凄く分かった。これは、偶然だとしても嬉しすぎる。本当に、欲しい。


「おう、期待して待ってる。」


「はい♪」


ルイスは、楽しそうに笑うのだった。

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