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予選 最終試合

これで、予選は終了です。

僕達は、あれから予選を勝ち抜き最終試合。


凄く長く感じましたが、カードを1つも使う事なくここまで全勝。素晴らしいですね♪ちなみに、本戦に行けるのは予選のベスト10達です。なので、僕達は本戦行きが確定ですね。本当は、負けたいです。


ですが、相手にとても失礼ですしね。


本当は、調整で5位くらいで負けるべきなのですけどね。何が、言いたいかというとですね。実は、予選で上位に行けば行くほど………最初から、強い相手にマッチングされてしまうんですよねぇ…………。


はぁ~………、辛い!でも、負けられない!


『さーて、ついに!タッグバトルコロシアム予選、最終試合ですよ。皆さん、お待たせ!』


『グレン・ルイス VS メリア・ローア』


すると、観客席から歓声が送られてくる。


『さて、まずはメリア・ローアのタッグ。メリアさんが、攻撃でローアさんが回復とサポートです。』


『そうですね。ローアさんの、【空一閃】とローアさんの【ゴーレムアタック】が印象的でした。』


すると、メリアは嬉しそうに笑って剣を1振りしてアピールする。そして、ローアもゴーレムを出してからアピール。歓声が、少しだけ大きくなる。


『お次は、グレン・ルイスのタッグ。グレンさん、相変わらず【業火聖剣】が凄いでした。』


『ルイスさんは、基本は回復で援護でしたね。ですが、ルイスさんが聡明な人物なのは理解しました。途中から、グレンさんも作戦丸投げでしたし。』 


グレンは、暢気な笑顔でアピールする。僕は、苦笑を浮かべて困ったように首を傾げる。


『あ、そう言えば!ローアさんが、薬屋ルイスに言いたい事が有るとか?では、言ってください。』


「ルイスさん、私と錬金術で戦ってください。」


そっか、ローアさんは錬金術師だったね。まぁ、断るんですけど。さて、グレンは僕に任せると言ってましたが。やっぱり、薬品も温存したいです。


「お断りします。」


「怖いんですか?」


ローアさんは、馬鹿にしたように鼻で笑う。メリアさんは、ローアさんに怒るが無視している。


んー?あっ、そう言う事ですか。挑発失敗ですよ。


「別に。」


僕は、落ち着いた雰囲気で暢気に笑う。


「何故なら、僕が錬金術を使ったらローアさんを瞬殺してしまいますし。それでは、予選の最後を飾るには味気ないと思うんですよ。」


そして、相手を挑発する事も忘れない。


「ふざけないで!瞬殺?こいつの、どこが聡明なのよ!最強の錬金術師が、こいつだって言うなら私だって最強になれるわよ!絶対、勝ってみせるわ!」


すると、グレンは肩を震わせて爆笑している。


「もう、無理だ。笑いが、止まらねぇ……。」


「グレン、いい加減に笑うのやめてください。」


ルイスは、困ったように笑って言う。


『我々としても、見所が欲しいのですが。』


『お願いいたします!』


ルイスは、少しだけ考えて頷く。


「ローアさん、少しだけなら相手します。というわけで、これは僕に売られた喧嘩ですグレン。」


「はいよ、メリアさんは任せろ。」


「いいや、私は戦わない。巻き添えは、ごめんだ。ローアが、明らかに悪いからな。」


「だとさ。」


僕は、無言で装備を変更して頷く。


「ゴーレム、潰しちゃえ!」


3体のゴーレム、恐らく初級ゴーレムだ。属性は、氷と火と木である。あー、やらかしましたね。


樹ゴーレムは、氷ゴーレムに凍らされる。氷ゴーレムは、火ゴーレムに溶かされ、その水がかかって火ゴーレムは弱体化。完全なる、自爆行為である。


「錬金術、ちゃんと学んでないですね。まさか、自爆するだなんて。良いですか、ゴーレム戦では基本は全て同じ属性を使うんです。属性が、打ち消し合わないように。それと、3体は僕を潰すには少ないです。せめて、初級ゴーレムなら150は必要です。では、つまらないので消させて貰います。ウイ!」


ルイスは、試験管を1つだけ投げるとロックゴーレムが現れる。木ゴーレムは、殴り飛ばされ折れる。氷ゴーレムは、砕かれ火ゴーレムは踏み潰されて消えてしまった。ルイスは、短刀を抜くと砕かれてない木ゴーレムの核を破壊する。ロックゴーレムは、自分の力を示すように雄叫びをあげる。


「ウイ、お疲れ様。また、手伝ってくださいね。」


すると、ロックゴーレム(ウイ)は任せろと言わんばかりに頷く。まさに、瞬殺であった。


「ほら、つまらないでしょ?」


ルイスは、暢気に笑って首を傾げる。そもそも、初級のゴーレムしか使えないローアに勝てる見込みは無かったのだ。ローアは、激怒して構える。


「まだ、負けてない!」


「やめろ、ローア!ルイスさんには、まだロックゴーレムが居るんだぞ!それは、無意味だ!」


メリアは、ローアに言うがまた無視される。ルイスは、小さくため息を吐き出してウイに命じる。


「もう、帰って良いですよ。ありがとう。」


ロックゴーレム(ウイ)は、核だけになって消えた。


「それで?次は、何をするんですか?」


その台詞に、会場の人達は驚く。


「こうなったら、ドール!」


すると、ドールの様子がおかしい。何故か、四つん這いで髪はボサボサ。そして、身体が木人形のままでドールとしての身体になっていない。勿論、服も着てないし。顔を上げると、不気味な顔で緑のガラス玉のような目がギラギラ光っている。


思わず、ルイスは悲しそうになる。


「可哀想に……、僕の言葉は理解できますか?」


ドールは、不気味な顔を此方に向ける。


「理解してますね。良かった、痛いし苦しいですよね?でも、憎しみを堪えてください。」


すると、ドールは悲鳴のような叫びをあげる。

ルイスは、素早く走りローアを突き飛ばす。


「くっ、精神が持ちませんでしたか。」


そして、襲って来たドールのナイフを受け止める。ローアは、驚いたようだが場違いな言葉を言い会場の人達は激怒する。ルイスも、思わず驚いている。


「ドール、早くその人を倒して!」


ルイスは、ナイフを弾き飛ばす。そして、珍しく激怒の表情でローアを見る。ローアは、恐ろしさに震えてしまう。グレンも、凄く冷たい雰囲気を纏っている。メリアは、何も言わなかった。


「馬鹿なんですか!何故、私が貴女を倒さないと思います?貴女を倒しても、あのドールは暴走しているので止まらないんですよ。もし、仮に僕が倒れたらドールのターゲットは観戦者になるんですよ?」


そこで、事の危険さを知るローア。


「早く、あの子に名前を!」


「し、知らない!知らないもん!」


ゴーレムは、単純な命令しか受け入れない。しかし、ドールは複雑な命令もこなすので機動力がえげつないのだ。ルイスは、ドールの攻撃を回避してからローアを見る。ローアは、混乱していた。


ルイスは、苦々しい表情である。何故なら………


これは、ゴーレムやドールそしてホムンクルスを作る時に共通するが……。中級から、感情が宿るシステムになっている。強ければ、強いほど自我がはっきりしていて個性的になるのは運営の遊び心。


彼女のドールは、恐らく上級ドール。並のドールでは、歯が立ちませんし壊す事も出来ません。


最悪です!しかも、ドールから錬金術師が親だと思われています。お名前より先に、命令をされた為に親に存在を否定されたと思われています。そして、何より最悪なのは名付けは親である錬金術師しか出来ないんですよ。本当に、最悪すぎる………。


しかも、不完全錬成でドールは激痛に苦しんでいると予想。それが、怒りから憎しみに変わるのなんて早いに決まってます!あー、もう!


「グレン、余りカードは見せたく無いですが……。」


「仕方ねぇよ。」


ゴーレムでは、このドール相手では辛いです。ルイスは自作の木人形に赤い核をはめてから言う。


「ドール、奈落アビス!」


すると、木人形は形を変えて人の姿になる。


そこには、銀髪に深紅の瞳でゴシックロリータな服装な片翼の堕天使が現れる。表情は、余り変わらないが嬉しそうにルイスを見ている。


「お久しぶり、マスター。」


「うん、お久しぶり。アビス、あの暴走したドールを止めてくれる?僕は、説教をしないと。」


アビスは、暴走したドールを見てルイスと同じく悲しそうな表情をする。そして、祈りを捧げて呟く。


「とても、痛いよね苦しいよね。でも安心して、優しい闇が貴女を包むから。大丈夫、直ぐに終わらせる。もう、誰も傷つけないように。おやすみ。」


そう言うと、向かってきた暴走ドールを一撃で殴り壊した。ドールは、バラバラになって散らばった。


「ごめんね、アビス。」


「良いの、これで彼女は救われたのだから。」


アビスは、そう言うと彼女の核を取り出して渡す。


「また、呼んでくれる?」


「勿論、おやすみアビス。」


アビスは、頷いて木人形になった。ルイスは、唖然としている観戦者達を見て苦笑する。


「なぁ、アビスちゃんだっけ?ドール、なのか?」


「そうですよ。かなり、特殊なドールですけど。」


ルイスは、深いため息をついて言う。グレンは、良いものが見れたと上機嫌である。


「さて、見所は出来ましたか?」


『バッチリです。』


『最終試合、勝者グレン・ルイス!』


すると、観客席から溢れんばかりの歓声。


ルイスは、ローアの場所に行く。このゲームで、自爆や誤爆や暴走などなど……なんて良くあることである。だが、許せる範囲と言うものがある。そして、起こした人には自力で解決する責任もある。


「これは、忠告です。もし、自分のした事に責任が持てないなら……絶対に、止めておいてください。この世界のNPCは死んだら生き返らないんですよ。」


ルイスは、激怒の雰囲気でローアに言う。


「でも、それじゃあ強くなれない!」


「そうですね。今の君では、強くなれませんね。」


すると、黙り込んでしまうローア。観戦者達は、興味深い様子で会話を聞いている。


「では、僕はここで………」


「待ってください!私を、弟子にしてください!」


ルイスは、面倒だと無視してグレンに声をかける。


「グレン、帰りましょうか。」


「おう、そうだな。」


ローアは、座り込んだままルイスに何か言う。しかし、その声はルイスに届く事はなかった。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆




ルイスのアトリエにて………


さて、回収した核ですがまず聖水にいれます。勿論ですが、精神が穢れてしまったので聖水はすぐに濁ります。気にせず、新しい聖水に核をいれます。


そして、錬成陣を2つ用意します。その1つに、亀裂の入った不気味なドールの核を置きます。もう1つには、魔物の核を加工した核魔石を置きます。そして、錬成すると1つになります。これで、亀裂も消えたし精神も清められたので安心ですね。


さて、応急措置はここまで。


次に、核を壊れ難くする為に薬品を塗ります。ちなみに、ローアさんはしてませんでした。


次に、人形ひとがたですね。


人形は、間接がある人形にんぎょうや木形といって木を人形に切って作ったりします。ちなみに、1度作ってしまうと強いドールやホムンクルスは木形でも自力で人の姿になれます。アビスみたいに。


そして、不完全とはいえ彼女も人形になっていますよね。なので、木人形に核を着けたら勝手に人形になるでしょう。そうそう、忘れてました。核は、錬成すればするほど弱くなります。なので、上級ドールだった彼女は中級まで下がってしまいました。


そして、この木人形の木の板ですが錬成で加工済みです。えっと、薬品とか素材は秘密です。


「ふぅ~、終わりました。」


すると、グレンが動画を取っている。


「えっと、何をしてたんだ?」


「核の修復、そして人形の作り直しですよ。彼女では、技術的に無理ですからね。」


僕は、布で木人形を包み。小さな木箱に、綿を敷いて核をいれ綿を入れ蓋を閉じる。そして、リルに核の木箱。ソルの首に、木人形を持たせる。


「それ、ローアに返すの?」


「彼女の人格は、ローアさんが与えたものですからね。怪我した迷子は、治療して帰してあげなければです。ソルとリルは、迷子をお家に届けるだけですよ。まぁ、盗んだと勘違いされそうですが。そこはです、治療したから許して欲しいですね。」


ルイスは、机を片付けながら言う。


「大丈夫、動画に出すからさ。」


「グレン、アトリエは余り撮さないでください。」


グレンの言葉に、ルイスはため息をついて言う。


「分かってるし、お前しか撮してないぞ。」


「僕も、余り撮さないでください。」


ルイスは、ムスッとしてグレンに言う。


「了解だぜ。」


グレンは、動画を切ってお店に戻った。


さて、2週間しか有りません。僕も、動きましょうかね。さて、お店に取り敢えず戻りましょう。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆




ルイスは、お店に戻ると誰も居ない。ルイスは、キョトンとして2階に上がるとクラッカー音。


『予選1位通過おめでとうございます!』


「え?えっと、ありがとう。」


そこには、グレンやお店のメンバーと見なれたメンバーが集まっていた。マッキーさんも、居る。


「グレンの動画、見たけど相変わらずの凄腕だな。さすが、俺の弟分だな。ほら、食え食え♪」


「ちょっ、そんなに食べられませんよ!?」


お祝いは、深夜迄ずっと続いた。


「トキヤさん、お願いがあるんですが。」


「ん?」


トキヤは、キョトンとしてルイスを見る。


「そろそろ、感覚・・・・を取り戻したいと思いまして。」


すると、トキヤは驚いて優しく笑う。


「ふーん、良いけど。そうなると、お前のステータスを見る事になるぞ。お前、何か知らんが秘密が有るんだろ?お店のメンバーにも、ステータスを見せた事が無いらしいし。本当に、良いのか?」


「………そこは、兄分を信じてるとしか。」


すると、トキヤは今まで見たこと無い程に嬉しそうに笑う。すると、レンジは拗ねた表情をする。


「えー、俺は頼ってくれないのかよ。」


「勿論、頼りにしてますよ。ただ、その……」


ルイスが、困ったように言葉を濁したのを聞いてトキヤは真剣な表情になる。そして、レンジは優しく笑ってから暢気な口調でルイスに言う。


「大丈夫、待ってるからさ。」


ルイスは、申し訳ない様子で謝る。


「すみません……。」


「気にするな。お前が、言葉を濁すんだ。つまり、余程の案件なんだろうよ。まぁ、後でトキヤから話すかもしれないけど。俺も、トキヤも口は堅い。だから、安心して感覚を戻せば良いさ。俺達も、最近やっと感覚を取り戻したんだぜ。」


ルイスは、レンジの気遣いに感謝する。


「なら、3日で感覚を取り戻すぞ。」


「よろしく、お願いいたします。」


周りは、ルイスに心配そうな視線を向けていた。

2話くらい、ルイスの強化の話が入ります。

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