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会議?

さて、パワーレベリングですが……。うーん、微妙ですね。さて、どうしたら良いのでしょう。


「おい、そこにトラップは!ぐはっ!」


絶賛、5人の初心者のミスでグレンさん苦闘中。僕は、困ったような苦笑を浮かべて回復する。


これは、立て直しが必要かな………。


小さく、ため息を吐き出して拳を構える。そして、グレンさんのタゲを自分に移させ防御の構え。


これで、立て直せるはずです。


「ナイスタゲ取り!」


グレンさんは、雑魚なので瞬殺してしまった。


「まぁ、こんなものですか………。あの、グレンさんにお願いがあります。少しだけ、話しませんか?」


「あのな、呼び捨てにする約束だったよな?んで、お願いって何だ?俺に、出来る事ならするぜ。」


5人を、安全地帯に移動させてから話す。


「まず、彼らは役職の使い方がメチャクチャ過ぎます。おそらく、職業の能力を把握していないのでしょうね。ですから、僕の伝で専門の人達に協力を求めます。僕達は、専門では無いので知識を教えるには無理がありますし。そして、終わってからパワーレベリングをすべきです。このままだと、彼らはレベルだけ上がっても中身は空っぽ状態になってしまいます。それは、これから先……かなり危険です。」


ルイスは、腕を組ながら真剣な表情で心配する。グレンも、少しだけ沈黙してから言う。


「………そうだな。俺も、基本が出来てると思っていたんだが。それより、ルイスは伝があるのか?」


「これでも、β時代は攻略前線に行ってましたよ。なので、それなりの繋がりや伝は有ります。まず、反省会でもしましょうか。取り敢えず、僕のお店に行きましょう。満腹度を、回復させるべきです。」


ルイスは、暢気に言うとグレンを見る。


「そうだな、お邪魔するか。帰りに、買い食いでもしていれば満腹度は大丈夫だろ?」


「生産職業は、かなり少ないので知られていませんが。やっぱり、NPCよりプレイヤーのハンドメイドの方が効果が高いんです。僕は、料理スキル持ちなので作った方が良いかと思ったんですが。まぁ、そうですね。じゃあ、街に移動しましょうか。」


さて、外に出て街に行こうと思ったんですが………


「歩くの、大変じゃね?」


「転移門とか、使ってみたい!」


あー、やっぱり憧れます?街にある転移門は、領主が管理者なのでお金を取られるんですよ。確か、この国は1人で10000コインでしたね。なので、急ぎの時でないと使わないんですよね。しかも、国によって安かったり高かったりするんです。


「クイール君、そして沢庵君は所持金は多いの?」


「俺は、6000コイン!」


「僕は、7500コインです。」


うん、駄目だね。ちなみに、グレンの所持金は195万コインで僕が357万コイン。


まぁ、僕は生産職業ですしお金を余り使わないですからね。グレンは、戦闘職業だから何かとお金がかかるらしいです。ちなみに、この世界のゲーム内通貨は金貨のみで分かりやすい。


「転移門を使うには、かなりのコインが必要だ。」


「そうですね。この国は、10000コインが必要です。なので、僕らβテスターでも緊急時にしか使いません。さて、歩きますよ頑張ってください。」


僕は、励ますように言う。すると、グレンが何か考える様子を見せてこちらを見る。


「ん?」


「こいつら、直ぐに金欠になりそうだな。何か、効率の良い稼ぎ方法は無いだろうか?こいつらに、戦闘は無理だしな。何か、案はあるか?」


ふむ、採取クエストとか街中クエストとか?いや、どの道は戦闘になるよね。だとすれば、お店を持っているプレイヤーに雇って貰うしか無いよね。


「生産プレイヤーに、雇って貰うしか無いですね。それか、多少の戦闘になりますが採取クエストや街中クエストっていうのもありですね。」


「ちなみに、ルイスの店は雇えるか?」


僕は、首を横に振る。


「店員との、レベルの差が有りすぎます。少しの差なら、雇っても良かったのですが。うちの店員は、二人ともSクラスの戦闘・接客NPCです。だから、彼らには絶対に無理だと思います。」


すると、グレンは驚いて興味がわいたのか聞く。


「その、クラスって何だ?」


「その前に、お店に入りましょう。久しぶりに、お店に戻って来たので様子が気になるんですよ。」


買い食いは、彼らの所持金の都合により中止。


カラン♪ カラン♪


すると、キリアさんが驚いてから笑顔になる。


「お帰りなさいませ、ルイス様。」


「うん、少し用事で戻って来ちゃった。」


僕は、笑ってから言う。


「では、またお出掛けするのですか?」


「いいや、暫くは知り合いの為に動くからここに居るよ。中途半端は、何か嫌だし。それに、手伝うって決めたからにはどうにかしてみせるよ。」


すると、二人は優しい笑顔で僕を見ていた。僕は、キョトンとしてグレン達に取り敢えず言う。


「取り敢えず、ここは人が多いですし2階へ行きましょうか。別に、聞かれても問題ないですし。先に上がって、椅子に座っていてください。」


そう言うと、二人に暢気な笑顔で言う。


「2階に、誰か上がっても止めなくて大丈夫です。別に、やましい事は何も無いので。」


「「畏まりました。」」


二人は、慌ただしく仕事に戻って行った。さて、見知った顔は居るかな?そして、発見する。


「マッキーさん、少しだけ力を貸して欲しいのですが。今、大丈夫ですか?あ、それとシャルムさんとトンガさんもです。大丈夫なら、2階に来てください。無理なら、断って良いですからね。」


優しく笑って、2階に上がる。3人は、視線を合わせて頷き2階に上がる。すると、他の人も数人が2階にあがって思わず驚きの声を出す。それに、つられてどんどん上がって来る。


2階は、まだ未公開だった場所だ。上がって、右側はキッチンスペース。そして、奥にはキッチンがあり手前にはお商品などを並べるケースがある。左側は、落ち着く机と椅子が置いてある。


後は、商品さえ置けば開始できるレベルである。


取り敢えず、呼んだメンバーに紅茶とクッキーの盛り合わせを机の真ん中に置く。


「これは、商品ではないのか?」


「これは、試作品ですよ。それに、初心者さんのパワーレベリングを手伝っていたので。少しだけ、満腹度が減ってしまったんですよ。」


トンガの質問に、暢気に答えて紅茶を飲むルイス。3人は、ボロボロの5人組を見てから苦笑する。そして、代表してマッキーさんが質問する。


「それで、何が頼みだ?」


「実は、彼らは役職の能力を把握していなかったんですよ。なので、目も当てられない戦い方でして。僕やグレンさんは、専門では無いので知識を教える事は出来ません。なので、マッキーさんのメンバーさんで教える事が出来る人が居れば頼みたいのですよ。このままだと、これから先が危険ですから。」


すると、マッキーは薄く笑ってから言う。


「お前も、前線に出てたんだ。全くの、無知では無いはずだろ?何で、教えないんだ?」


「僕では、見せて・聞かせて・実践させるなんて出来ません。それをすれば、中途半端で不安定な実力を着けてさせてしまうでしょう。そんな、いい加減で適当な事はしたく有りません。」


ルイスは、真剣な表情でマッキーを見る。


「なるほど……」


「あの、俺達そろそろログアウトしないと………」


5人組は、申し訳なさそうに言う。


「分かった。うーん、仕方ないか………今回だけお店に泊めるよ。3階の部屋を貸すから、そこでログアウトすれば良いし案内するね。」


『あ、ありがとうございます!』


5人組を案内して、下に戻るとさっきより人が増えていた。僕は、小さくため息を吐き出す。


「なぁ、何でばらさないんだ?」


「違います、ばらせないんですよ。僕は、薬でも有りますが毒にもなりうる。もし、彼らにバレれば彼らは自慢したがる。只でさえ、君という伝のせいで彼らは目立ってしまっている。恐らく、そろそろPKが動き出すでしょう。今回、お店に泊めたのはPK対策です。まったく、身内を守るのも苦労ですね。」


すると、3人は驚いてルイスとグレンを見ている。周りも、真剣な表情でルイスとグレンを見ている。


「でも、ここで言ったから時間の問題だろ?」


「そうですね。そもそも、僕は生産職で戦闘は専門外ですから。今の僕は、βテスター時代より弱いですし。それに、生産職最強は別の人でしょうね。」


すると、グレンは暢気な表情で笑う。


「それ、本気で言ってんの?」


「さぁ、どっちだと思います?」


ルイスは、悪戯な笑顔で笑って問いかける。


「お前なら、切り札の1つくらい持ってそう。」


「それは、買い被りすぎです。」


グレンは、そうかよ。と笑うと紅茶を飲む。マッキーは、そんな2人に興味を持ったのか聞く。


「ちなみに、2人と5人組とはどんな関係だ?」


「「良く話す、友達に近いクラスメイト。」」


すると、シャルムは驚いてから笑う。


「クラスメイトに、《業火のグレン》と《薬屋ルイス》が居るなんて。きっと、楽しいかもね。」


「いいや、学校ではこいつ余り喋らないし大人しいぞ。俺、正体を知ってかなり驚いたし。」


すると、その場の全員が驚いている。


「余り、人と喋るのは苦手なんです。それより、静かに本を読んでいる方が好きですしね。」


ルイスは、困ったように笑って言う。


「まぁ、ルイスの身内なら話は違う。俺達は、お前にβテスター時代からの借りを返せてないからな。俺は、手伝うぜ報酬はお菓子をくれ。」


「あれ、報酬を貰うの?」


シャルムは、マッキーに悪戯顔で言う。


「じゃないと、ルイスの事だし申し訳ないと思うだろうからな。だから、報酬をお菓子にしたんだ。」


「なるほどね。あ、あたしもお菓子で!」


ルイスは、嬉しそうに頷いてトンガを見る。


「ワシは、ドワーフだから酒が欲しい。」


「お酒ですか……。分かりました、作ってみます。」


ルイスは、少しだけ考えるように言う。


「それで、あたしは何をすれば良いの?」


シャルムは、面白そうに笑っている。


「そうですね、彼らの防具や武器を鑑定しましたか?シャルムさんなら、してますよね?」


「うん、したわよ。凄く、歪で不出来ね。」


僕は、頷き顔をしかめる。それで、僕が不機嫌なのを察したのだろう。シャルムは、真剣な表情で精密な情報を思い返し苦笑して言う。


「ここまでなると、再利用は出来ないわ。」


僕は、だろうね。と頷いてからため息つく。


「でも、初心者用でしょ?1人、3千コインでどうかしら?私が、ハンドメイドしてあげる。他のメンバーにも、声をちゃんとかけるから。」


「なら、ワシは武器だの?任せろ、恩人であるルイス殿の頼みだ。全力で、答えて見せよう。同じく、3千コインで丈夫なのを作ってみせよう。」


3人は、不良品を掴まされていたのだ。


僕は、深いため息を吐き出して頷く。どの道、あの装備では冒険は出来ない。3人は、前線で戦う先駆者達だ。きっと、素晴らしい装備を作りしっかり鍛練してくれるだろう。後は、彼ら次第だね。


もう、ここまで手を尽くしたんだ。彼らには、頑張って強くなって貰わなきゃね。なんて、冗談だけどさ。さて、僕はどうしようか?


試練、まだ終わって無いけど彼らも気になるんだよね。さて、どうしようか?どうするべきかな?


「そうだ、ルイス。その、イベントの話だけど。」


「知りません!」


その言葉に、反射的に身構えるのだった。

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