表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の兄は。  作者: 棚田もち
学生生活
5/34

4ー見学する

読んでくださり、ありがとうございます。


短いのですが、何度書き直しても纏まらないので、投稿してしまいます。



前回のあらすじ


ヤマダ・スットン はラッキーネーム☆

ヤマダ自身はアンラッキー!

 兄は当然受け入れられた。


 というか、今までに無い受け入れ方をされた。

 ハッキリ言うとアイドルになった。


 社交界では、まず無い扱いだ。正直ドン引く。これが若さか……。


 アイドルになった兄は、最初の授業で騎士の心得を説いた。

「騎士にとって一番大事なものは何か。それは馬だ」

 その日は特別授業となり、参観する親の気分で皆と一緒に見学していた私は、内心アワアワしていた。それは騎士の前提条件で、もっと違う事があるだろうと。


 しかし兄のインテリ腹黒眼鏡外見効果が漏れなく発揮され、見落としがちな事を教えてくれると評価された。


 次に大事なものは体力だった。

「対象者より先にへばる者が警護出来るのか!? ずっと立っていたら倒れる者が守れるのか」

 そして学年問わず、延々と走らされていた。

  理念や精神性は二の次どころか、気配すら感じられない。


 これも基本の大事さを教えられたと好評だった。死屍累々といった感じで地面に倒れながら、そうした張本人を讃える光景は、不気味でしか無かった。

 ちなみに、命を預ける相棒は肉だった。

 ……お肉は美味しいね。


「あんな素敵なお兄様がいらっしゃるなんて、いいなあ、いいなあ、羨ましいなあ」

 男爵令嬢のカーラに絡まれるようになった。彼女は "大人可愛い" といった雰囲気の女性で、何とヤマダの取り巻き、ブーの婚約者だ。


「カーラさんにだって、カッコいいお兄様がいるでしょ」

 気さくで、エスコートもスマートに熟す青年だったはずだ。

「そうですよ。夜会でお会いした事ありますけど、人気ありましたよ」

 サンドラも同意する。


「うちの兄様も悪くないですよー。でもサイモン様! 毎日見たい〜」

 クネクネ悶えてる。

「あ、結婚すれば毎日一緒ですね! アイリーンさん、どうですか、私と姉妹になりませんか!」

「ならなくていいかな」

「それは『なってもいい』ってことですね! いやん、どうしよう! 私とサイモン様の、愛を育む手伝いをしてくださいね。私、良い妻になっちゃうと思うんですよねえ。うふふ、そしたらアイリーンさん、居づらくなっちゃうかなあ? でも大丈夫ですよ! 私は優しいからちゃあんといだだだだだだ、ギブ! ギブ!」


 五月蝿いハエを静かにさせるには、アイアンクローがいい。

 実は私も脳筋寄りだ。


 こうして私が力で黙らせても

「サイモン様がいらっしゃるところに居合わせたら、ちゃんと紹介してくださいよお」

 結構普通に受け入れられている。

 というか、君は婚約者いるだろう。


 ここは、ゲームの存在した当時の日本人に優しい仕様なのかも知れない。

 正式な場で無ければ、言動については、意外に自由度が高い。


 偶に転生者じゃないかと思う人もいる。

 例えばリチャードの友人、ダグラスだ。彼はヤマダの名を呼ぶ時に、一瞬微妙な表情を浮かべるのだ。

 他にもマナーやしきたりなどに、疑問を感じる人もいる。前世が西洋人かも知れないなと思う。

 ただ皆ハッキリとした記憶がある訳ではないようだ。


 私は以前、兄に前世の記憶があると告げた事がある。

 しかしこの国には、輪廻転生や前世といった概念が無いので、上手く意図を伝える事が出来なかった。


「サイモン。私、生まれる前の記憶があるの」

「腹の中に居た時の記憶か? 凄いじゃないか」

「お腹にいる前に生きた人生の記憶よ」

「? 天国に居た時という事か?」

「そうじゃ無くて、私は別の人間だった記憶があるの」

「別の人間だったら、お前じゃ無いだろう? それは別人だろう? 何の関係があるんだ?」


 話した相手が悪かったのか、私の説明が悪かったのか。どうでもよくなり「うん、ホントだ。何の関係もないね」と答えた。


 その時は理解は得られなかったが、最近ヤマダがその理解者になり得るのでは無いかとにらんでいる。


 切っ掛けは、リチャードがヤマダの落とした本を拾った事だ。

 その後「バストアップ体操って何だ? 中興の祖がする事なんだろう?」とダグラスに聞いているのを耳にしたのだ。


 果たして彼女は同士となり得るのか。

 告げるべきか否か、悩んでいる。



どうしたら文頭を一字空けられるようになるのでしょうか。謎です。


※謎が解けました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ