真実と偽り
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「それで、お前名はなんだ?」
「あぁ、名乗ってなかったね」
男は月を見上げて微笑しながら言った
「俺の名前は、エリシアン・スペンサーだ」
「エリシアンさん。か」
「呼び捨てで構わないよ、だから俺も呼び捨てにするよ?」
「それは、構わない。」
ハルは、早く真実が、知りたい。
ただそれだけ、ここから早く出たい。
「それで、真実ってなんだ。」
「しかたなーいなーハルは!」
エリシアンの目が光った。
怖い、知りたい、やばい、逃げなきゃ、知りたい、怖い、知りたい、怖い、逃げなきゃ、知りたい
「………」
唾を飲んだ。
心拍数が上がる。自分でもわかる。
「君に未来はないよ。」
「ぇ、え?」
「今から死ぬんだもん」
「ぁ。」
「という事で俺はここを出ていくけど、ハルは出られるかなぁ?」
「な、にを言って…」
分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない。
「ハル君。」
聞き覚えをある声。怖い。
「もう、幻影はいいだろ?」
「幻影じゃぁないよ、真実を見ろ。」
「ハル君……」
「やめて。くれ。」
「ハル君。ハル君。ハル君ハル君ハル君」
やだ。聞きたくない。耳を背けたい。でも
そんな現実はここには無い
「やめて、くれぇ」
「ハル君、なんで私を刺したの」
「…ルイール。なん、で?生きてるの?」
「はぁ、私は致命傷を逃れたの、魔女の信徒はね
他の信徒の血を飲むと生命力が一時的に倍増するの」
「………」
「ハル君。これからはずっとずっと。ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと。一緒だからね?」
あれ。なんだこれ。熱い。熱い。熱い。
こぼれ落ちる。何が?
体から何か落ちる。
口から涎ではない液体。
鉄の味。血?なんで?え?
意味がわからない。理解できない。どうして?
なんで?
「ウグ。」
血を吐いたのか?なんで?
思考が。思考回路が働かない。なんで?
それさえも分からない。え?
体が冷たい。なのに熱い。矛盾。
なんだこれ。力が。抜けて。
「ハ………ル…君」
声が遠い。ルイールの声が。怖い。
やだ。
「アァァァア!」
熱が痛みに変わる。
神殿内に悲鳴が。
「ガァァ!」
悲鳴と共に、笑い声。嘲笑?
「ふふふふ。」
視界が。暗く。なっ。て。あ。。。
いき。が。あさ。くな。ってい。く
…………………………
ハルは死んだ。。。。。。。
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「ぅ。」
「阿修羅様!?大丈夫ですか?」
「ハルが。行かなきゃ、いけない」
「!?。おい!衛兵!馬だ!」
「は!」
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ここは、どこ?
真っ暗な場所。そもそも、生きてるの?死んだの?
わからない。考える?何それ?
疲れた。眠い。
目を瞑る。
……………………………………………
「ハル。君はどうしたい?」
「え?」
「ハルはここからどうしたい?」
「それは、阿修羅が決めてくれ」
「それは出来ない。」
「そうか、どうしたいのか。か」
「あぁ。生きたいか?それとも楽になりたいか?」
「どっちも辛い。」
「わかってる」
「でも、諦めるのは嫌いだ。どうせやるなら」
「………」
「足掻いて足掻いて足掻き続ける」
「ハルはそうじゃなくちゃ」
ハルが死んじゃったけど
どうなるんだ!?
次回 鬼の勇者ハル




