カーボンのマテリアル
チョコレートとマテリアルは手を繋いで空を横目に…
寒空が黒くピリついて、間に星が寝転んでいる。ここじゃないところに行きたいとマテリアルは想っている。そこからでも流れ星は見えているのだが、流れ星は、流れ星だけは暖かいコタツの光に包まれ、ウトウトとしているのだ。コクリコクリと振る頭のタイミングに合わせてマテリアルは願い事を呟いた。
キミト、モット、ズット、イタイ
しかし、卵の黄身と何か訳のわからない物が頭に降ってきたり、もっとチョコレートが好きになったり、ずっと食堂の看板を眺めてるスーツの男を見かけたり、紙で切った指が痛かったりするだけで、チョコレートと過ごせる時間は特に変わりはしなかった。
すれ違った踊子が「それで良いじゃない」と適当な事を呟いた。マテリアルがびっくりして振り返った時に、着物がかかとと真っ直ぐ繋がっていて、そこのマックのリンゴに斜め線が入っている事から、その踊子が電子魔法のプログラマーであるという事がわかり、そのセリフの情報源の信頼性に、マテリアルはすぐさまホッとした。