病院の片隅
病院の医師を脅して限界を超えるどころか致死量に達するほどの血を提供させた。さえちゃんがいないのなら意味がない。二度も助けられないで生きていられるか。それらの感情が込みあがり病院に無茶をさせた。
昔検査をしていて適応することがわかっていた私の血は殆どの検査を通らず輸血のものへと変換された。
「良かった…これでさえちゃんが助かる…」
などと安心した直後私は倒れた。
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のぞみんの声がする…でも動けない…動かない…とても眠いんだ…少しだけ眠ろう…
少し眠くならなくなった。どれだけの時間が経ったのだろう。体に流れる何かがある。何だろうこれは。さえちゃんの声は聞こえない。帰っちゃったかな…少し寂しいな。眠っちゃったから仕方ないね。
看護師の声?そうか病院だったのか。なら起きなきゃのぞみんが心配する。
「こころさ~ん起きてます…ね。じゃあ先生呼んでくるから少し待っててね。先生!こころさんが目を覚ましました!」
白いカーテン、白いシーツ、白い天井、そして、赤いてんて…え…さえ…ちゃん…?どこなの…?
「失礼するよ。どうだい?調子の方は。」
「あの…私はどれだけの時間眠っていたのでしょうか…」
「2週間ほどだよ。でもねそれも平気なほど提供してくれた子がいるかr」
「さえちゃん!」
私は居ても立ってもいられなかった。何故なら小学生の時と同じ感覚の流れ方だったから。
「ちょっと待ちなさい!」
医師の言葉も耳を貸さなかった。それどころじゃなかった何故ならさえちゃんはきっと致死量に達するはずの量を渡したのだから。
「のぞみん!」
近くにいる看護師に聞いたので到着は早かった。だが、彼女は眠っていた。全身管だらけで息も私の時よりなかっただろう。
「こころさん君はどうしてこの子が提供してくれた血だとわかったのかね?」
「私は小学生の頃も彼女から血を受けているからです」




